VBA入門
RangeのAddressプロパティ

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2021-10-25

第84回.RangeのAddressプロパティ


Addressプロパティは、セル範囲(Rangeオブジェクト)の参照範囲を表す文字列の値を返します。
引数により、参照方法($の付いた絶対参照)や形式(R1C1形式)を指定できます。


Addressは、マクロVBAの中で処理の一環として使う事はあまり多くないかもしれませんが、
VBA作成過程ではRangeオブジェクト変数のアドレス確認に使う事もあり、必須習得プロパティになります。


Addressプロパティの構文

Range.Address(RowAbsolute, ColumnAbsolute, ReferenceStyle, External, RelativeTo)

RowAbsolute

行部分の参照を絶対参照として返すには、True を指定します。
既定値は True です。

ColumnAbsolute

列部分の参照を絶対参照として返すには、True を指定します。
既定値は True です。

ReferenceStyle

参照形式を指定します。
xlA1 : A1 形式の参照で返されます。
xlR1C1 : R1C1 形式の参照で返されます。
既定値は xlA1 です。

External

外部参照を返すには、True を指定します。
ローカル参照を返すには、False を指定します。
既定値は False です。

RelativeTo

引数 RowAbsolute と引数 ColumnAbsolute の両方に False が指定されていて、
引数 ReferenceStyle に xlR1C1 が指定されると、相対参照の開始点を含める必要があります。
この引数は、参照の開始点を定義する Range オブジェクトを使用します。


名前付き引数になります。

戻り値
Rangeオブジェクトの参照範囲を表す文字列型 (String) の値を返します。


Adressの使用例

MsgBox Range("A1").Address
$A$1」と表示されます。

MsgBox Range("A1").Address(False, False)
A1」と表示されます。

MsgBox Range("A1").Address(, , xlR1C1)
R1C1」と表示されます。

MsgBox Range("A1").Address(External:=True)
[ブック名]シート名!$A$1」と表示されます。

MsgBox Range("A1").Address(False, False, xlR1C1, , Range("B2"))
R[-1]C[-1]」と表示されます。


他のオブジェクトにセル範囲を渡す場合

対象のオブジェクが存在するシートと、そのオブジェクト内で参照しているセル範囲のシートが違う事があります。
むしろ違う場合の方が多いでしょう。
そもそも、シート以外に含まれているオブジェクトもあります。
代表的なオブジェクトとしてグラフを考えてもらうと良いでしょう。

そのようなオブジェクトに、セル範囲を文字列として渡す場合は、
External:=True
この指定をしてシート名が付加した状態で使う場合があります。
ただし、ブック名まで付加されていることで正しく動作しないような場合もありますので注意してください。
マクロVBA入門の少し先の回になりますが、以下ではReferenceStyle、Externalを使っています。
第96回.グラフ(Chart)
・グラフ(Chart)関連のオブジェクト群 ・単純な棒グラフの作成 ・2軸グラフの作成と、グラフタイトルをA1セルにリンク ・マクロVBAでのグラフの扱いについて

Rangeのプロパティは非常に沢山あります。
マクロVBA入門で重要なプロパティは一通り紹介していますが、他のプロパティにも目を通しておくと良いでしょう。
Rangeのプロパティ一覧 ・・・ 詳細解説ページへのリンクあり
・Excel2010までのRangeオブジェクトのプロパティ一覧 ・Excel2016で追加されたRangeオブジェクトのプロパティ一覧 ・スピルにより追加されたRangeオブジェクトのプロパティ一覧




同じテーマ「マクロVBA入門」の記事

第81回.総合練習問題9

・マクロVBA練習問題 ・シンキングタイム ・マクロVBA練習問題解答へ
第82回.RangeのResizeプロパティ
・Resizeプロパティの構文 ・Resizeの使用例 ・Resizeのまとめ
第83回.RangeのOffsetプロパティ
・Offsetプロパティの構文 ・Offsetの使用例 ・Offsetの注意点 ・Offsetのまとめ
第84回.RangeのAddressプロパティ
第85回.結合セルの扱い
・セル結合に関する、メソッド・プロパティ ・セル結合のマクロVBA使用例 ・セル結合時の値消去 ・指定セル範囲に結合セルが存在するか判定するマクロVBA ・セル結合時のOffsetとResizeの注意点
第86回.総合練習問題10
・マクロVBA練習問題 ・シンキングタイム ・マクロVBA練習問題解答へ
第88回.並べ替え(Sort)
・Range.Sortメソッド・・・Excel2003までのソート ・2007以降の並べ替え ・Excel2003までのSortとExcel2007以降のSortの使い分け
第89回.オートフィルター(AutoFilter)
・Range.AutoFilterメソッド ・AutoFilterModeプロパティ ・AutoFilterオブジェクト ・オートフィルタのVBA使用例 ・日付のフィルタ ・オートフィルタまとめ
第90回.フィルターオプションの設定(AdvancedFilter)
・フィルター詳細設定の使い方 ・Range.AdvancedFilter メソッド ・フィルターオプションの設定の関連記事
第91回.条件付き書式(FormatCondition)
・FormatConditionsコレクション ・FormatConditionオブジェクト ・条件付き書式のマクロVBA実践例 ・マクロVBAの条件付き書式について
第126回.入力規則(Validation)
・Validationオブジェクト ・入力規則(Validation)の使用例 ・入力規則を設定しても無効データが入力されてしまう場合への対処


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
累計を求める数式あれこれ|エクセル関数応用(2024-01-22)
複数の文字列を検索して置換するSUBSTITUTE|エクセル入門(2024-01-03)
いくつかの数式の計算中にリソース不足になりました。|エクセル雑感(2023-12-28)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.RangeとCellsの使い方|VBA入門
4.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
5.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
6.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
7.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
8.並べ替え(Sort)|VBA入門
9.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
10.Findメソッド(Find,FindNext,FindPrevious)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ