VBAサンプル集
エクセルでファイル一覧を作成.№5(FileDialog)

ExcelマクロVBAでファイル一覧を作成、サブフォルダ以下を全て取得
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2014-11-11

エクセルでファイル一覧を作成.№5(FileDialog)


エクセルでファイル一覧を作成します、

サブフォルダ以下も全て取得し、一覧表示します、


前回のプログラムでは、フォルダが無い場合のチェックや、最後に"\"を付けておく必要がありました。


これらを、プログラムに組み込みます。


If Right(Cells(4, 2), 1) = "\" Then
  strDir = Cells(4, 2)
Else
  strDir = Cells(4, 2) & "\"
End If
strBuf = Dir(strDir, vbDirectory)
If strBuf = "" Then
  MsgBox ("指定のフォルダは存在しません")
  Exit Sub
End If

これをモジュールの先頭に入れます。


Right(文字列, 数値)

文字列の右から、指定数値の文字数を取り出します。

つまり、最後が"\"でなければ、"\"を付加しています。


strBuf = Dir(strDir, vbDirectory)

これが空白の場合は、フォルダが存在しないので、

メッセージを出して、終了します。



次は、ボタンでフォルダ選択のダイアログを出すようにします。


Excel VBA 解説

上の、「フォルダ」のボタンです。


ボタンの追加方法は、


1.2003なら、「表示」→「ツールバー」→「コントロールツールボックス」→ボタンを選択する

  2007以降なら、「開発」→「挿入」→「ActiveXコントロール」→ボタンを選択する

2.十字カーソルの状態で、シートの配置する場所をドラッグして配置

3.ボタンをクリックし、ツールバーの「プロパティ」

  または、右クリックで「プロパティ」

4.「プロパティ」の「オブジェクト名」を、「btnフォルダ」と変更

5.「Caption」を、「フォルダ」に変更」
6.ボタンをダブルクリック、または、右クリックで、「コードの表示」

7.VBEが起動され、

  Option Explicit

  Private Sub btnフォルダ_Click()

  End Sub

  が自動的に作成されたはずです。


この、Subモジュールが、ボタンがクリックされた時に起動されるモジュールです。

この中に、処理を記述します。

Private Sub btn新規_Click()
  With Application.FileDialog(msoFileDialogFolderPicker)
    If .Show = True Then
      Cells(4, 2) = .SelectedItems(1)
    End If
  End With

End Sub


Application.FileDialog(msoFileDialogFolderPicker)
はフォルダ選択のダイアログを表示します。

Excel VBA 解説

このようなダイアログです。


.Show

で実際に表示されます。

キャンセルされた場合は、Falseが返されますので、Trueの判定をしています。

.SelectedItems(1)
に選択されたフォルダのフルパスが入っていますので、これをセルに入れています。



続いて、「実行」ボタンも作成します。


作成方法は、「フォルダ」ボタンと同様です。


オブジェクト名」を、「btn実行」にして下さい。


Private Sub btn実行_Click()
  Call ファイル一覧取得
End Sub

以上で、ボタンの追加が完了です。


「フォルダ」ボタンでフォルダを指定し、「実行」ボタンで、ファイルの一覧が表示されます。



フォルダ選択のダイアログ


上記の方法以外にも、


Shellを使う方法や、APIを使う方法もありますが、ダイアログの形式が違います。


特別な理由がなければ、上記の標準のダイアログで良いはずです。


また、Application.FileDialog(msoFileDialogFolderPicker)

の引数により、ダイアログの種類が変わります。


msoFileDialogFilePicker:ユーザーがファイルを選択できます。
msoFileDialogFolderPicker:ユーザーがフォルダを選択できます。
msoFileDialogOpen:ユーザーがファイルを開くことができます。
msoFileDialogSaveAs:ユーザーがファイルを保存できます。


エクセルには非常に多くのダイアログがあります。


上記と同じ、「ファイルを開く」や「ファイルを保存」でも、


GetOpenFilename、GetSaveAsFilename


もあります。


それぞれ、使い方が微妙に違いますので、興味のある方は調べて見て下さい。



ここまで来て、何か忘れていますよね。


そうです、サブフォルダの中のファイルが取得出来ていないのです。


Dir関数では限界です。


まあ、いろいろ工夫すれば出来ない事もないのですが、かなり面倒な処理になってしまいます。


FileSystemObjectという便利なものがあるのです。


最低限の知識として、Dir関数は知っておく必要があるので、説明しましたが、


これから覚える人は、FileSystemObjectの使い方に慣れた方が良いでしょう。


そして、これを使えば、記述も単純化でき、フルパスの文字数も問題無くなります。


あっ、Dir関数のフルパスの文字数制限について説明していませんでしたね。


Dir関数は、フルパスの文字数が256Byteまでです。いや、そうらしいです。


私は、そんな長いパスになるようなフォルダ構成で、実際にテストしていないので・・・


FileSystemObjectでは、この制限はありません。



次回は、FileSystemObjectを使って、いままでのプログラムを書きなおしてみましょう。





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