VBAサンプル集
エクセルでファイル一覧を作成.№9(罫線)

ExcelマクロVBAでファイル一覧を作成、サブフォルダ以下を全て取得
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2014-11-11

エクセルでファイル一覧を作成.№9(罫線)


エクセルでファイル一覧を作成します、


サブフォルダ以下も全て取得し、一覧表示します、


いよいよ、大詰めです、


今回は罫線を引きましょう。


Excel VBA 解説


一見すると、かなり複雑な線を引かないといけないように見えます。


規則性を見つけて下さい。


サブフォルダの縦の空白ばかり見ていると、どうして良いか解らなくなってしまいますよ。


では、シンキングタイム


順番に飲んで待ってます。


ビール

ワイン

カクテルグラス


見つかりましたか。


「森を見て木を見ず」、「木を見て森を見ず」と言います。


まず、上図をぱっと見て、森を見たはずです。


では、次は、木を見て下さい。


適当な真ん中くらいの1行だけ(前後の行を隠しても良いでしょう)を見て下さい。


これを2~3行比べて下さい。


以下、思考の過程です。


規則性は、


1.どのセルも左には罫線がある

2.文字(フォルダ名、ファイル名)のあるセルは、上にも罫線がある

3.上罫線は、最後まで続いている

4.サイズ、更新日時の左罫線は細線である


では、どんな引き方をすれば良いか。


手作業で線を引くとしたら、


1.文字(フォルダ名、ファイル名)を入れるセルから更新日時までを選択し、

  左罫線と上罫線を引く

2.文字を入れるセルより左側のセルを全て選択し、

  左罫線と中央縦罫線を引く

3.サイズ、更新日時を全て選択し、

  左罫線と中央縦罫線を細線で引く

4.全範囲を選択し、外枠四辺に罫線を引く


これをプログラミングすれば良いのです。


そう、最初は、上の手作業をマクロの記録したものを使用すれば良いでしょう。


Selectionを変更すれば良いです。


そして、不要な部分を削除していけば出来上がります。


以下、作成したプログラムです。


Sub GetDirFiles(ByVal objFolder As Folder, ByRef i As Long, ByRef j As Long)
  Dim objFolderSub As Folder
  Dim objFile As File
  '最終列が増えた場合は、サイズの前に1列追加する
  If j > ColMax Then
    Columns(j).Insert Shift:=xlToRight
    ColMax = j
  End If
  'サブフォルダの取得
  For Each objFolderSub In objFolder.SubFolders
    Cells(i, j) = objFolderSub.Name
    Call SetLine1(i, j)
    i = i + 1
    Call GetDirFiles(objFolderSub, i, j + 1)
  Next
  'ファイルの取得
  For Each objFile In objFolder.Files
    With objFile
      Cells(i, j) = .Name
      Cells(i, ColMax + 1) = WorksheetFunction.RoundUp(.Size / 1024, 0)
      Cells(i, ColMax + 1).NumberFormatLocal = "#,##0 ""KB"""
      Cells(i, ColMax + 2) = .DateLastModified
      Cells(i, ColMax + 2).NumberFormatLocal = "yyyy/mm/dd hh:mm:ss"
      Call SetLine1(i, j)
      i = i + 1
    End With
  Next
  'オブジェクトの解放
  Set objFolderSub = Nothing
  Set objFile = Nothing
End Sub

'フォルダ名、ファイル名の行の罫線

Sub SetLine1(ByVal i As Long, ByVal j As Long)
  If j > cnsCol Then
    With Range(Cells(i, cnsCol), Cells(i, j - 1))
      .Borders(xlEdgeLeft).LineStyle = xlContinuous
      .Borders(xlInsideVertical).LineStyle = xlContinuous
    End With
  End If
  With Range(Cells(i, j), Cells(i, ColMax + 2))
    .Borders(xlEdgeLeft).LineStyle = xlContinuous
    .Borders(xlEdgeTop).LineStyle = xlContinuous
  End With
End Sub


まずは、一覧部分の罫線からです。


引数で行番号、列番号を渡しています。


If j > cnsCol Then
  With Range(Cells(i, cnsCol), Cells(i, j - 1))
    .Borders(xlEdgeLeft).LineStyle = xlContinuous
    .Borders(xlInsideVertical).LineStyle = xlContinuous
  End With
End If
この部分は、

2.文字を入れるセルより左側のセルを全て選択し、

  左罫線と中央縦罫線を引く

に相当します。

cnsColは開始列、j - 1は現在列の左になります。


With Range(Cells(i, j), Cells(i, ColMax + 2))
  .Borders(xlEdgeLeft).LineStyle = xlContinuous
  .Borders(xlEdgeTop).LineStyle = xlContinuous
End With
この部分は、

1.文字(フォルダ名、ファイル名)を入れるセルから更新日時までを選択し、

  左罫線と上罫線を引く

に相当します。

jは現在列、ColMax + 2は更新日時の列になります。


マクロの記録では、

.LineStyle = xlNone

が複数記述されますが、これは罫線を引かない指定なので、

もともと罫線が無いのですから不要です。

マクロの記録を使用したら、このような不要な記述を消していきます。

それだけでも、結構すっきりしたプログラムができあがります。



では残りの、見出し部分や、サイズ、更新日時の罫線です。


以下のプログラムでは、サイズ、更新日時の文字を設定したり、


また、外枠の罫線は、メリハリをつけて少し太くしています。




Sub ファイル一覧取得()
  Dim objFSO As FileSystemObject
  Dim strDir As String
  Dim i As Long, j As Long
  
  strDir = Cells(cnsRow, cnsCol)
  'FileSystemObjectのインスタンスの生成
  Set objFSO = New FileSystemObject
  'フォルダの存在確認
  If Not objFSO.FolderExists(strDir) Then
    MsgBox ("指定のフォルダは存在しません")
    Exit Sub
  End If
  '表示領域を初期設定
  Range(Rows(cnsRow), Rows(Cells.SpecialCells(xlCellTypeLastCell).Row)).Clear
  Cells(cnsRow, cnsCol) = strDir
  '開始行列
  i = cnsRow + 1
  j = cnsCol
  ColMax = cnsCol
  '再帰処理モジュールのコール
  Call GetDirFiles(objFSO.GetFolder(strDir), i, j)
  'オブジェクトの解放
  Set objFSO = Nothing
  '列幅を調整
  Range(Columns(cnsCol), Columns(Columns.Count)).ColumnWidth = 3
  Range(Columns(ColMax), Columns(ColMax + 2)).EntireColumn.AutoFit
  'サイズ、更新日時の罫線設定
  Call SetLine2(Range(Cells(cnsRow, ColMax + 1), Cells(i - 1, ColMax + 2)))
  '見出し行の外枠罫線
  Call SetLine3(Range(Cells(cnsRow, cnsCol), Cells(cnsRow, ColMax + 2)))
  '一覧部分の外枠罫線
  Call SetLine3(Range(Cells(cnsRow + 1, cnsCol), Cells(i - 1, ColMax + 2)))
  '見出しの書式設定
  Cells(cnsRow, ColMax).Font.Bold = True
  With Cells(cnsRow, ColMax + 1)
    .Value = "サイズ"
    .HorizontalAlignment = xlRight
  End With
  With Cells(cnsRow, ColMax + 2)
    .Value = "更新日時"
    .HorizontalAlignment = xlRight
  End With
  '指定フォルダに移動しておく
  Cells(cnsRow, cnsCol).Select
End Sub

'サイズ、更新日時の罫線設定

Sub SetLine2(ByRef myRange As Range)
  With myRange.Borders(xlEdgeLeft)
    .LineStyle = xlContinuous
    .Weight = xlHairline
  End With
  With myRange.Borders(xlInsideVertical)
    .LineStyle = xlContinuous
    .Weight = xlHairline
  End With
End Sub

'外枠罫線、少し太く

Sub SetLine3(ByRef myRange As Range)
  With myRange.Borders(xlEdgeLeft)
    .LineStyle = xlContinuous
    .Weight = xlMedium
  End With
  With myRange.Borders(xlEdgeTop)
    .LineStyle = xlContinuous
    .Weight = xlMedium
  End With
  With myRange.Borders(xlEdgeBottom)
    .LineStyle = xlContinuous
    .Weight = xlMedium
  End With
  With myRange.Borders(xlEdgeRight)
    .LineStyle = xlContinuous
    .Weight = xlMedium
  End With
End Sub


特段の解説は必要無いでしょう。


罫線の種類、太さ等々は、マクロの記録で確認すれば、直ぐに分かります。


プロパティも単語を見れば理解できるでしょう。



これで罫線も引けて、ほぼ完成です。


罫線の記述はどうしても長くなりますので、このようにSubモジュールにした方が、


「可読性」「保守性」が良くなります。



メインのモジュールは「森」です。


細かいSubモジュールが「木」です。


森も木も両方とも見易くしておく必要があります。


「森」には、どのような「木」が、どのような配置にあるかが分かるようにします。


大きな「木」は、さらに、「枝」の形毎に分類していきます。


まずは、違いを見つけるのではなく、同じ部分を見つけるようすれば良いでしょう。


その後に、違いを見つけて個別に対処します。



今回のように、罫線を引くモジュールは、それだけをSubモジュールにし、


一か所に集めておいた方が良いでしょう。


罫線を変更したい場合は、それぞれが関与するので、まとめて見られるようにしておきます。



さて、いよいよ次回は最終回です。


最後の仕上げです、使えるマクロにする為には、重要な作業になります。





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