VBA技術解説
ScreenUpdating=False時にエラー停止後にシートが固まったら

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
公開日:2017-11-21 最終更新日:2017-11-21

ScreenUpdating=False時にエラー停止後にシートが固まったら

マクロVBAでは、処理の高速化や画面チラつきを防ぐために、
Application.ScreenUpdating = False
これを入れていることが多いと思います。


これが入っていると、マクロVBAがエラーで停止して、そこで「リセット」した場合に、
Excelシートをクリック出来なくなったり、シートタブの切り替えができなくなってしまう場合があります。
必ずこのような状態になるわけではなく、ある程度大きなマクロVBAの時にはなりやすいといった感じです。

原因としては、
Application.ScreenUpdating = True
これが行われないことによるわけですが、
そもそも通常は、マクロ停止時に自動的にTrueに戻るはずなのですが、これが戻らない場合があるという事になります。

複数ブックを開いているような場合は、
マウスクリックでブックの切り替えをしていると戻る場合もありますが、確実に戻るわけではありません。
そこで、こまような状態になってしまった場合は、
Application.ScreenUpdating = True
これを実行すれば良いことになります。

では、これをどうやって実行するかという事になりますが、
そもそもマクロ作成時に、マクロ終了処理のプロシージャーを作っておく事をお勧めします。

Sub マクロ終了()
  Application.StatusBar = False          'ステータスバーを消す
  Application.Calculation = xlCalculationAutomatic '計算を自動に
  Application.DisplayAlerts = True        '確認メッセージを開始
  Application.EnableEvents = True         'イベントを開始
  Application.ScreenUpdating = True       '画面描画を開始
End Sub


戻すApplicationのプロパティは、適宜変更してください。
このようにマクロが作ってあれば、これを実行すればそれで済みます。
このようなプロシージャーがあればそれで問題ありませんが、無かった場合はどうするかです。


イミディエイト ウィンドウを使いましょう!
イミディエイトで、
Application.ScreenUpdating = True
これを入力してEnterすればよいのです。
上のコードは、入力補助を使ったので、先頭が大文字になっていますが、
application.screenUpdating=true
このようにベタ打ちでも構いません。
ですが、余程タイピングに自身があれば別ですが、Ctrl+Spaceから入力補助を使った方が早いでしょうね。


入力補助について

Ctrl+Spaceを押すと、その時点で入力できるコードが候補表示されます。
行の先頭なら、全てが表示されることになります。
そして、オブジェクトに続けて.(ピリオド)を入力すると、自動メンバー表示されます。
ただし、「ツール」→「オプション」で「自動メンバー表示」にチェックがついていることが必要です。
このような入力補助を使うと、
Application.ScreenUpdating = True
これを入力するには、
Ctrl+Space
ap

Tab
.s
Tab
=t
Enter
このようなタイピングで入力が完了します。



イミディエイト ウィドウ

イミディエイト ウィドウは以下のような場合に使用します。

・記述したコードを実行する
・プロシージャを呼び出す
・プログラム実行中に、変数の値を調べたり値を代入する
・プログラム実行中に、プロパティの値を調べたり変更したりする
・プログラム実行中に、デバッグ情報の出力を表示する

値を調べる場合は、?に続けて、変数やプロパティを入力してEnterします。
コードを実行する場合は、そのままVBAコードを入力してEnterします。



Application.ScreenUpdating = Falseについての注意点

グラフ、画像、オートシェイプ等を扱う場合は、
Application.ScreenUpdating = False
になっていると、意図した結果にならない場合が結構あります。
そのような場合は、
対象シートをアクティブにして、
Application.ScreenUpdating = True
この状態になるようにマクロVBAでコード記述してやると、問題の多くが解決することが多いです。




同じテーマ「マクロVBA技術解説」の記事

フォルダー・ファイル・ブック・シートの文字制限

・フォルダ・ファイル・ブックの文字制限 ・シートの文字制限
Excel2013におけるScreenUpdatingの問題点
今現在、Excelの最新バージョンであるExcel2013ですが、Application.ScreenUpdating の動作が、それまでとは違ったものになっています。Microsoftサポートにも掲載されています。Excel2013で複数のブックを開きAppliction.ScreenUpdatingプロパティ使…
Dir関数の制限について
・3桁拡張子の指定時の問題 ・256バイトを超えるパス名が扱えない ・UNICODEファイル名が扱えない ・特殊なネットワークドライブでエラー ・Dir関数の制限の最後に
よくあるVBA実行時エラーの解説と対応
・データ型のエラー ・計算時のエラー ・インデックスのエラー ・オブジェクトの設定エラー ・メソッド・プロパティのエラー ・引数のエラー ・実行時エラー関連記事
Application.Goto使用時の注意
Applicationのメソッドに、Gotoメソッドがあります、Application.Gotoメソッドは、指定ブックの、指定シートの、指定セル範囲を選択します、そのブック・シートがアクティブでなければアクティブにします。最初に、Application.Gotoの一般的な文法説明をします。
ScreenUpdating=False時にエラー停止後にシートが固まったら
標準スタイル違いの問題点:標準フォント複写、列幅をピクセルで合わせる
VBAでスタイルの標準フォントが違うブック間のコピー等の処理では、列幅や行高の違いが問題となる場合があります。列幅や行高は、標準スタイルの1文字分を基本としているためです。上の画像は、標準フォントが違うブックにおいて、同じ列幅20の時の、列幅の表示です。
VBAでエラー行位置(行番号)を取得できるErl関数
・Erl関数とは ・Erl関数の使用例 ・Erl関数の最後に
WorksheetFunction.Matchで配列を指定した場合の制限について
WorksheetFunctionでMatchを使いデータ検索する事は良くあります。この時、他の部分の記述との関係で、配列を指定してMatchを行う事があります。以下のようなVBAコードになります。これは正しく動作します。
VBAでシート関数使用時の配列要素数制限
・FILTER関数 ・SORT関数、SORTBY関数 ・UNIQUE関数 ・XLOOKUP関数、HLOOKUP関数、VLOOKUP関数 ・XMATCH関数、MATCH関数 ・TRANSPOSE関数 ・VBAでシート関数使用時の配列要素数制限まとめ


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
累計を求める数式あれこれ|エクセル関数応用(2024-01-22)
複数の文字列を検索して置換するSUBSTITUTE|エクセル入門(2024-01-03)
いくつかの数式の計算中にリソース不足になりました。|エクセル雑感(2023-12-28)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.RangeとCellsの使い方|VBA入門
4.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
5.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
6.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
7.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
8.並べ替え(Sort)|VBA入門
9.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
10.Findメソッド(Find,FindNext,FindPrevious)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ