第29回.セル・行・列の削除・挿入(Delete,Insert)
単一セルまたは複数セルの削除・挿入と行・列の削除・挿入についてのマクロVBAを解説します。
マクロVBAの書き方には違いがあり、実際のVBAでは使い分けが必要になる場合があります。
また、複数セル・複数行・複数列の指定も同様です。
セルの削除
セルを削除するには、
Cells(行, 列).Delete
このように記述します。
手動でセルを削除した場合は以下のダイアログが表示されます。
マクロVBAでも、この4通りの書き方があります。
手動でセルを削除した場合は以下のダイアログが表示されます。
左方向にシフト
Cells(行, 列).Delete Shift:=xlToLeft
上方向にシフト
Cells(行, 列).Delete Shift:=xlUp
行全体
Cells(行, 列).EntireRow.Delete
EntireRowは、指定セルが含まれる行全体になります。
EntireRowは、RangeオブジェクトのプロパティでRangeオブジェクトを返します。
EntireRowは、RangeオブジェクトのプロパティでRangeオブジェクトを返します。
列全体
Cells(行, 列).EntireColumn.Delete
EntireColumnは、指定セルが含まれる列全体になります。
EntireColumnは、RangeオブジェクトのプロパティでRangeオブジェクトを返します。
EntireColumnは、RangeオブジェクトのプロパティでRangeオブジェクトを返します。
セルの挿入
セルを挿入するには、
Cells(行, 列).Insert
このように記述します。
手動でセルを挿入した場合は以下のダイアログが表示されます。
マクロVBAでも、この4通りの書き方があります。
手動でセルを挿入した場合は以下のダイアログが表示されます。
右方向にシフト
Cells(行, 列).Insert Shift:=xlToRight
下方向にシフト
Cells(行, 列).Insert Shift:=xlDown
行全体
Cells(行, 列).EntireRow.Insert
EntireRowは、指定セルが含まれる行全体になります。
列全体
Cells(行, 列).EntireColumn.Insert
EntireColumnは、指定セルが含まれる列全体になります。
セルの削除・挿入時は、Shift:=は必ず指定
Shift:=は省略可能なのですが、
セルの挿入削除時には、Shift:=は必ず指定しましょう。
省略した場合は、どちらにシフトされるかは選択セル範囲の形によって自動で判定されます。
縦長か、横長かによって、自動的に上下左右が決定されます。
しかしそれでは、マクロを見ただけでは、どちらにシフトするかが不明になってしまいますし、
データの状態によって動作が変わってきてしまいます。
従って、必ずShift:=は指定して下さい。
セルの挿入削除時には、Shift:=は必ず指定しましょう。
縦長か、横長かによって、自動的に上下左右が決定されます。
データの状態によって動作が変わってきてしまいます。
従って、必ずShift:=は指定して下さい。
行・列の削除・挿入
行の削除
Rows(行位置).Delete
行の挿入
Rows(行位置).Insert
列の削除
Columns(列位置).Delete
列の挿入
Columns(列位置).Insert
上記のRowsは、Cells(行, 列).EntireRowでも同じです。
上記のColumnsは、Cells(行, 列).EntireColumnでも同じです。
上記のColumnsは、Cells(行, 列).EntireColumnでも同じです。
行・列の削除/行・列の挿入で、Shift:=は必要か
マクロの記録で作成される行削除した時のVBAコードは、
Rows("6:6").Select
Selection.Delete Shift:=xlUp
このように記録されます。
これを元に作成したマクロ
Rows("6:6").Delete Shift:=xlUp
このShift:=xlUpが必要なのか、との質問が時々あります。
結論としては、不要です。
行削除したら、削除後は上にシフトする以外にありえません。
Rows(6).Delete Shift:=xlDown
このように記述しても正しく動作(上にシフト)してしまいます。
つまり、行・列の挿入・削除では、Shift:=の指定は意味がありません。
まとめると
セル範囲の挿入・削除では、Shift:=は必須
行・列の挿入・削除では、Shift:=は不要
Selection.Delete Shift:=xlUp
これを元に作成したマクロ
結論としては、不要です。
つまり、行・列の挿入・削除では、Shift:=の指定は意味がありません。
セル範囲の挿入・削除では、Shift:=は必須
行・列の挿入・削除では、Shift:=は不要
行・列の表示・非表示
削除・挿入に関連して、行・列の表示・非表示を設定する事もVBAではできます。
行・列の表示・非表示については以下で解説しています。
第141回.行・列の表示・非表示(Hidden)
行・列の表示・非表示については以下で解説しています。
・セルの非表示 ・行の表示・非表示 ・列の表示・非表示 ・セルが表示されているか(可視セルか)の判定方法 ・列幅・行高
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