VBA技術解説
空白セルを正しく判定する方法2

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
公開日:2017-05-06 最終更新日:2021-03-06

空白セルを正しく判定する方法2


空白セルの判定について、いろいろな方から意見を頂きました。


やはり、空白判定は奥が深く結構難しいものとなっています。

ここでは、各プロパティや関数が、セルの状態によって返す値を再確認してみます。

元記事は、
空白セルを正しく判定する方法(IsEmpty,IsError,HasFormula)
・セルの値が空白の判定 ・計算式が入っていない判定 ・エラー値の判定 ・IsEmpty関数:空白を判定するVBA関数 ・TypeName関数:データ型を判定するVBA関数 ・RangeオブジェクトのFormulaプロパティ ・空白セルを正しく判定する方法続編

上記の記事では、
If Not IsError(Cells(i, 1)) Then
  If Not Cells(i, 1).HasFormula Then
    If Cells(i, 1) = "" Then

      '空白
    End If
  End If
End If

上記コードを一応の結論として提示しました。
しかしそれなら、
If IsEmpty(Cells(i, 1)) Then
これで良いのではないかと思われますが、
計算結果が空白("")を値貼り付けした場合に、IsEmptyはFalseを返します。
Excelの機能のジャンプでも、「空白セル」として判定されません。

ジャンプ機能のVBAは、
SpecialCells(xlCellTypeBlanks)
これで取得されるものは、IsEmptyでTrueと判定されるものと同一となります。

さらに、それなら、
Cells(i, 1).Formula = ""
これで判定できるのではないかという事になりました。


以下の表で、
Range
と表記しているものは、セルであるRangeオブジェクトになります。
実際には、Cells(i, 1)等々の記述に置き換えてお読みください。

セルの内容 セル表示状態 Range = "" Len(Range) = 0 Range.
HasFormula
IsError
(Range)
IsEmpty
(Range)
Range = Empty TypeName
(Range)
Range.
Formula = ""
値として"ABC" ABC FALSE FALSE FALSE FALSE FALSE FALSE String FALSE
何も入れていない TRUE TRUE FALSE FALSE TRUE TRUE Emprt TRUE
=1/0 #DIV/0! 型が一致しません。 型が一致しません。 TRUE TRUE FALSE 型が一致しません。 Error FALSE
B4セルを値貼り付け #DIV/0! 型が一致しません。 型が一致しません。 FALSE TRUE FALSE 型が一致しません。 Error FALSE
="" TRUE TRUE TRUE FALSE FALSE TRUE String FALSE
B6セルを値貼り付け TRUE TRUE FALSE FALSE FALSE TRUE String TRUE


空白と判定したいセルの状態によります。
B3セルは、これは空白に間違いはない。
しかし、B6セルとB7セルについては、何をしたいのかによって、
空白として扱うかどうかが変わってくると思います。


元記事の、
空白セルを正しく判定する方法(IsEmpty,IsError,HasFormula)
・セルの値が空白の判定 ・計算式が入っていない判定 ・エラー値の判定 ・IsEmpty関数:空白を判定するVBA関数 ・TypeName関数:データ型を判定するVBA関数 ・RangeオブジェクトのFormulaプロパティ ・空白セルを正しく判定する方法続編
こちらと合わせて、実現したい内容にあったプロパティと関数を組み合わせて使用してください。




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