オートフィルター退避回復クラスを複数シート対応させるVBAクラス
ワークシートにオートフィルタが適用されていて、かつ絞り込みされている場合はマクロVBAは何かと面倒になります。
そこで、これに対応するために作成したものが、
ただし、これはシートが一つしか扱えません。
複数シートで使う場合は、シートごとにクラスのインスタンスを作成する必要があります。
2~3シートくらいなら問題ないかもしれませんが、ブックの全シートを対象とするような場合はさすがに面倒になります。
そこで、複数シートでの実装を簡単にするために今回のVBAクラスを作成しました。
VBAクラスの扱いに慣れていない人にとっては、クラスを扱う上で良い学習材料になるのと思います。
標準モジュールのプロシージャーとVBAクラスの緩衝材として別のクラス使っていますので、このような方法についても参考になるものと思います。
>オートフィルタ退避回復クラスを複数シート対応させるVBAクラスのコード
>
Option Explicit
'シートごとにclsAutoFilterを格納
Private pDicClass As Dictionary
'Dictionaryのシートを公開
Public Property Get Worksheets() As Variant
Worksheets = pDicClass.Keys
End Property
'クラス初期処理
Private Sub Class_Initialize()
Set pDicClass = New Dictionary
End Sub
'クラス終了処理
Private Sub Class_Terminate()
Set pDicClass = Nothing
End Sub
'オートフィルタ退避:エラー時はFalseを返す
Public Function StoreAutoFilter(ByVal ws As Worksheet) As Boolean
Call getDicItem(ws).StoreAutoFilter(ws)
End Function
'オートフィルタ復元:エラー時はFalseを返す
Public Function ReStoreAutoFilter(ByVal ws As Worksheet, _
Optional ByVal isAutoFilter As Boolean = False) _
As Boolean
Call getDicItem(ws).ReStoreAutoFilter
End Function
'ディクショナリーのItemからclsAutoFilterを取り出す
Private Function getDicItem(ByVal ws As Worksheet) As clsAutoFilter
If pDicClass.Exists(ws.Name) Then
Set getDicItem = pDicClass.Item(ws.Name)
Else
Set getDicItem = New clsAutoFilter
Call pDicClass.Add(ws.Name, getDicItem)
End If
End Function
「Microsoft Scripting Runtime」を参照設定しています。
参照設定しない場合は、
Object型にして、CreateObject("Scripting.Dictionary")としてください。
こちらを参照してください。
クラスを利用する標準モジュールのVBAコード
Public Sub SampleAutoFilters()
Dim cAutoFilters As New clsAutoFilters
Dim ws As Worksheet
'ブックの全シートをStore
For Each ws In Worksheets
Call cAutoFilters.StoreAutoFilter(ws)
Next
'・・・
'Storeした全シートをReStore
Dim sName
For Each sName In cAutoFilters.Worksheets
Call cAutoFilters.ReStoreAutoFilter(Worksheets(sName))
Next
Set cAutoFilters = Nothing
End Sub
最後に
フィルターされている場合の現実的な対応としては、
・フィルタ絞り込みをクリア
・フィルターされていても良いマクロVBAを書く
従って、前作の、
こちらと合わせて、
オートフィルタ、条件付き書式、そしてVBAクラス、さらにDictionary等の学習素材としてお考えいただいたほうが良いと思います。
同じテーマ「VBAクラス入門」の記事
コレクション(Collection)の並べ替え(Sort)に対応するクラス
新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る
TRIMRANGE関数(セル範囲をトリム:端の空白セルを除外)|エクセル入門(2024-08-30)
正規表現関数(REGEXTEST,REGEXREPLACE,REGEXEXTRACT)|エクセル入門(2024-07-02)
エクセルが起動しない、Excelが立ち上がらない|エクセル雑感(2024-04-11)
ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る
1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
5.RangeとCellsの使い方|VBA入門
6.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
7.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
8.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
9.条件分岐(Select Case)|VBA入門
10.ブック・シートの選択(Select,Activate)|VBA入門
このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。