第11回.辞書(dict型)
「辞書」は、キーと値をセットで登録できるデータ型です。
「連想配列、ハッシュ、マップ」このような呼び方をされるものです。
多くのプログラミング言語においてデータを高速に取り出す手段として辞書がサポートされています。
Pythonでは辞書を扱うためのデータ型としてdict型があります。
目次
辞書(dict型)とは
辞書(dict)はミュータブルなオブジェクトです。
標準のマッピング型は辞書 (dict型) だけです。
辞書を使う事でキーと値をセットで扱う事が出来ます。
キーの重複は許されません、辞書内で唯一の値である必要があります。
{キー1:値1, キー2:値2, キー3:値3, ・・・}
辞書のキーとして使用できるデータ型
ハッシュ可能でない値、つまり、リストや辞書その他のミュータブルな型はキーとして使用できません。
※タプルはイミュータブルであり、ハッシュ可能なオブジェクトなので辞書のキーとして使用できます。
もし2つの数値が (例えば1と1.0) 等しければ、同じ辞書の項目として互換的に使用できます。
(ただし、コンピュータは浮動小数点数を近似値として保管するので、辞書型のキーとして使用するのは好ましくありません。)
辞書のいろいろな作成方法
以下の方法でも作成することができます。
dict()関数
・キーワードと値で更新
zip()関数は、それぞれのイテラブルから要素を集めたイテレータを作る組み込み関数です。
fromkeys()メソッド
valueを省略した場合は、Noneになります。
辞書にキーが存在するかの確認
inとnot inはコンテナオブジェクトに対して、左辺の値が右辺の要素に含まれているかどうかを判定します。
inは、含まれていればTrue
not inは、含まれていなければTrue
辞書からキー指定で値を取得
ただし、キーが辞書に存在しない場合はエラーになります。
※大文字小文字が区別されます。
get()メソッド
get()メソッドを使う事で、存在しない場合の値を指定して取得できます。
defaultが省略された場合はNoneとなります。
辞書への追加/変更
setdefault()メソッド
以下では、2回目のsetdefault()メソッドは無視されています。
update()メソッド
・キーワードと値で更新
辞書から削除
del文
pop()メソッド
辞書になければdefaultを返します。
defaultが省略され、かつkeyが辞書に存在しなければエラーになります。
popitem()メソッド
(key, value)の対は、LIFO(後入先出、バージョン 3.7から)の順序で返されます。
clear()メソッド
辞書ビューオブジェクトとfor文
values()メソッドは、辞書の値の新しいビューを返します。
items()メソッドは、辞書の項目 ((key, value) 対) の新しいビューを返します。
dic1 = {"Python":1,"VBA":2,"GAS":3,"C++":4,"C#":5}
print(dic1)
print("\n省略はkeys()")
for v in dic1:
print(v)
print("\nkeys()")
for v in dic1.keys():
print(v)
print("\nvalues()")
for v in dic1.values():
print(v)
print("\nitems")
for v in dic1.items():
print(v)
辞書(dict型)のコピー
コピーによって新たな辞書(dict型)オブジェクトが作成されます。
ただし、
copy()メソッドはshallowコピーです、deepコピーではありません。
要素として含まれる他のオブジェクトは、コピー元とコピー先で同一のオブジェクトを参照します。
※importについては、後々に詳しく説明します。
もし理解しきれない場合は、
浅いコピーと深いコピーがあるということと、その挙動の違いを覚えておけば良いと思います。
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