複数のSELECT結果を統合(UNION,UNION ALL)
エクセルVBAでデータベースを扱うためのSQL入門です。
前回のJOINでは複数のテーブルを横に結合するものでしたが、SQLではデータを縦に連結することもできます。
SELECTに書かれているカラムリスト、このカラムを持った新しいテーブルとして扱えます。
SELECTを複数書いて複数の新しいテーブルを作成し、それを縦に連結/統合するイメージになります。
これを行うには、集合演算子(UNION等)を使います。
集合演算:データの統合方法
和集合:UNION
差集合:EXCEPT
積集合:INTERSECT
UINION以外は、サポートされていないDBも多くあります。
SQLで最も頻繁に使われ、かつ、ほとんどのDBで共通にサポートされている和集合(UNION)についてのみ詳細に解説します。
積集合はINNER JOINでほとんどの場合代替え可能です。
また、EXCEPT、INTERSECTともに、使い方はUNIONと同様で文法的にはUNIONを書き換えれば使えます。

重複しているデータは排除されます。


SQLの集合演算について
それぞれのSELECTを1つの集合として、集合演算した結果が返されます。
つまり、3つ以上のSELECT文の集合演算が可能という事です。
列数やデータ型が違う場合はエラーとなります。
SELECTにより、選択する列数が過不足がある場合、不足している列にはNULLや定数値を指定し列数を合わせてください。
ソートは、UNION等の集合演算の全ての結果に対して行われます。
しかし、そもそも、それぞれのSELECTの列名がバラバラの場合は、ORDER BYの列名は・・・
少なくともSQLiteでは、どのSELECT文の列名でも動作するようですが、このような使い方は避けるべきでしょう。
それぞれのSELECTの列名が違う場合は、エイリアスで統一した名称にしておくことをお勧めします。
UNION(和集合)の構文
SELECT文 INTERSECT [ALL] SELECT文
EXCEPTもINTERSECTもサポートしていないDBもあります。
もし使用する場合はDBごとに良く確認してください。
積集合はINNER JOINでほとんどの場合代替え可能です。
和集合:UNION
Sub SelectUnion()
Dim clsDB As New clsSQLite
clsDB.DataBase = "D:\SQLite3\sample.db"
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
Dim sSql As String
sSql = ""
sSql = sSql & "SELECT code,item_code"
sSql = sSql & " FROM t_sales"
sSql = sSql & " WHERE code = '001'"
sSql = sSql & " AND sales_date = '2019-11-01'"
sSql = sSql & " UNION "
sSql = sSql & "SELECT code,item_code"
sSql = sSql & " FROM t_sales"
sSql = sSql & " WHERE item_code = '10001'"
sSql = sSql & " AND sales_date = '2019-11-01'"
sSql = sSql & " ORDER BY code,item_code"
If Not clsDB.SheetFromRecordset(sSql, ws.Range("A1"), Clear, True) Then
MsgBox clsDB.ErrMsg
Exit Sub
End If
Set clsDB = Nothing
End Sub
重複データはまとめられ(排除され)ます。

code = '001'かつ item_code = '10001'
このデータは、どちらのSELECTでも対象となりますが、出力は1件となっています。
1列でもデータが違う場合は別のデータと判定されます。
全体集合:UNION ALL
Sub SelectUnionAll()
Dim clsDB As New clsSQLite
clsDB.DataBase = "D:\SQLite3\sample.db"
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
Dim sSql As String
sSql = ""
sSql = sSql & "SELECT code,item_code"
sSql = sSql & " FROM t_sales"
sSql = sSql & " WHERE code = '001'"
sSql = sSql & " AND sales_date = '2019-11-01'"
sSql = sSql & " UNION ALL "
sSql = sSql & "SELECT code,item_code"
sSql = sSql & " FROM t_sales"
sSql = sSql & " WHERE item_code = '10001'"
sSql = sSql & " AND sales_date = '2019-11-01'"
sSql = sSql & " ORDER BY code,item_code"
If Not clsDB.SheetFromRecordset(sSql, ws.Range("A1"), Clear, True) Then
MsgBox clsDB.ErrMsg
Exit Sub
End If
Set clsDB = Nothing
End Sub
重複データも全て出力されます。

複数のSELECT結果を統合の最後に
簡単な例題ではUNIONの有用性はなかなか感じられないかもしれませんが、
データベースからSQLでデータ抽出しているといずれ必ず必要になってくるものです。
UNIONの注意点と、ALLの有無による違いはしっかりと把握しておいてください。
その後は、SELECTのより高度な使い方についての説明に進みます。
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