ISOMITTED関数(LAMBDAの引数省略の判定)
ISOMITTED関数はOffice365のExcelに2022年になってから追加された新しい関数です。
ISOMITTED関数はLAMBDAヘルパー関数(LAMBDAと一緒に使う)の一つです。
以降の説明文における「パラメーター」と「引数」の使い分けについて
LAMBDA関数へ渡す実際の値を引数(argument)と記しています。実引数と呼ばれたりします。
つまり、
=LAMBDA(パラメーター, 計算)(引数)
どちらも「引数」と呼ばれることもあり、説明文を読んだ時に紛らわしいと思いますのでご注意ください。
ISOMITTED関数の構文
argument
LAMBDAパラメータなどのテストする値。
LAMBDAパラメータ以外も引数に指定できます。
AMBDA以外で使用することはほぼありませんが、使用例には掲載しました。
LAMBDAのパラメーターに対する引数が省略されたかをTRUE/FALSEで返します。
パラメーターに対する引数が省略された場合はTRUE、省略されず値が指定された場合はFALSEを返します。
通常はIF関数の条件式で使います。
ISOMITTEDの基本動作
=LAMBDA(x,y,x&IF(ISOMITTED(y),"2番目の引数は省略",y))("A",)

("A",)
,カンマの後ろを省略した書き方になっています。
したがって、ISOMITTED(y)は「TRUE」を返します。
つまり、
("A")
このように、,カンマを書かないと1個だけの引数指定となり、引数の数が不一致で「#VALUE」になります。


このように指定します。
この結果のセルは「0」となります。
省略可能なパラメーターおよび省略された場合の計算結果については以下を参照してください。
LAMBDA関数
ISOMITTED関数の使用例と解説
ISOMITTEDで省略時の値を指定
=LAMBDA(x,y,ROUNDDOWN(IF(ISOMITTED(y),x*1.1,x*(1+y)),0))(1200,)
x*1.1=1200*1.1=1320
となります。
x*(1+y)=1200*1.08=1296
となります。
LAMBDAの2つのパラメーターを両方とも省略した場合
=LAMBDA(x,y,IF(ISOMITTED(y),"1番目の引数は省略",x)&IF(ISOMITTED(y),"2番目の引数は省略",y))(,)
「1番目の引数は省略2番目の引数は省略」
IF関数の省略値を判定
=ISOMITTED(IF(ISOMITTED(IF(TRUE,,1)),,2))
この結果は「省略値」(ISOMITTEDがTRUEとなる値)が返されます。
IF(ISOMITTED(「省略値」),,2)
ISOMITTEDはTRUEなので、この結果も「省略値」を返します。
=ISOMITTED(「省略値」)
したがって最後の結果は「TRUE」となります。
=ISOMITTED(IFS(TRUE,,TRUE,))
この結果は「FALSE」となります。
LAMBDA以降の新関数の問題集 ・・・ 解答は別ページになっています。
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