DROP関数(配列の先頭/末尾から指定行/列数を除外)
DROP関数はOffice365のExcelに2022年になってから追加された新しい関数です。
指定部分を除外するのではなく、指定部分を取得する場合はTAKE関数を使用します。
DROP関数の構文
配列 | セル範囲まは配列(1次元または2次元)を指定します。 必須です。 |
行 | 除外する行の数。 正の値は配列の先頭(上)行から除外されます。 負の値は配列の末尾(下)行から除外されます。 省略または0を指定した場合はいずれの行も除外されません。 |
列 | 除外する列の数。 正の値は配列の先頭(左)列から除外されます。 負の値は配列の末尾(右)列から除外されます。 省略または0を指定した場合はいずれの列も除外されません。 |
引数「行」は必須になりますので、値を指定しなくても,カンマが最低1つは必要になります。
つまりDROP関数は、セル範囲から指定した範囲を除外したセル範囲を返します。
列の指定が配列の列数以上の場合は #CALC エラーを返します。
このように書かれていますが、
大きな配列を扱おうとすると、リソース不足が出てしまうので、
#NUMエラーの発生は確認できていません。

DROP関数の使用例と解説
文字列データや例えエラー値でもDROP関数の動作は同じです。
先頭(上)の2行を除外する
=DROP(A1:C10,2)

引数「行」に指定された先頭(上)2行を除外し、3行目以降のセル範囲を返します。
引数「列」は省略されているので全列が返されます。
末尾(右)の1列を除外する
=DROP(A1:C10,,-1)

引数「列」に指定された末尾(右)1列(つまりC列)を除外したセル範囲を返します。
引数「行」は省略されているので全行が返されます。
末尾(下)の2行と先頭(左)の1列を除外する
=DROP(A1:C10,-2,1)

引数「行」に指定された末尾(下)2行と「列」に指定された先頭(左)1列を除外したセル範囲を返します。
配列に対してDROP関数を使う
=DROP(SEQUENCE(10,3),-2,-1)

引数「行」に指定された先頭(上)2行と「列」に指定された先頭(左)1列を除外した配列を返します。
行の指定が配列の行数以上の場合は #CALC エラー
=DROP(A1:C5,5)

列の指定が配列の列数以上の場合は #CALC エラーを返します。
セル範囲に対するDROPは、OFFSET関数に書き換えることができます
=DROP(A1:C10,2,1)
=OFFSET(A1:C10,2,1,8,2)

負数まで考慮すると式が複雑になります。
LAMBDA以降の新関数の問題集 ・・・ 解答は別ページになっています。
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