WRAPROWS関数(1次元配列を指定数の行で折り返す)
WRAPROWS関数はOffice365のExcelに2022年になってから追加された新しい関数です。
行で折り返した結果、配列の最終行の要素が不足している場合は指定の文字で埋められます。
行での折り返しではなく、列で折り返す場合はWRAPCOLS関数を使用します。
WRAPROWS関数の構文
vector 1列/1行 |
セル範囲(縦1列または横1行)もしくは1次元配列を指定します。 必須です。 |
wrap_count 折り返し数 |
各行の値の最大数。 この数値で各行が折り返されます。 必須です。 |
pad_with 埋め込む値 |
不足部分に埋め込む値。 既定値は #N/A です。 |
vectorに、複数行複数列のセル範囲 または 2次元配列を指定した場合は #VALUE エラーになります。
つまり、縦1列または横1行のセル範囲 または 1次元配列しか指定できません。
wrap_countが1未満の場合は N/A エラーになります。
WRAPROWS関数の使用例と解説
縦1列のセル範囲を各行4列で折り返す。埋め文字は省略。
=WRAPROWS(A1:A10,4)
引数「wrap_count」に指定された 4 で各行(横)を折り返した配列を返します。
最後の2要素は不足部分になりますので、既定値の #N/A で埋められます。
=WRAPROWS(SEQUENCE(10),4)
横1行のセル範囲を各行4列で折り返す。埋め文字は"***"。
=WRAPROWS(A1:J1,4,"***")
引数「wrap_count」に指定された 4 で各行(横)を折り返した配列を返します。
最後の2要素は不足部分になりますので、指定値の"***"で埋められます。
複数行複数列のセル範囲 または 2次元配列を指定した場合は #VALUE エラー
WRAPROWS関数の実践例:日付毎のデータを曜日で折り返す。
=LET(
前月,EXPAND("",WEEKDAY(A2,2),,""),
WRAPROWS(
DROP(VSTACK(前月,B2:B32),1),
7,""))
この例では、日付を曜日の位置に合わせる必要があり、そこが面倒な処理になり数式が難解なものになっています。
EXPAND関数で先頭日付曜日から前月分の空白(1~7の曜日コード分)を作成しています。
この空白配列と入力の配列をVSTACK関数で縦に結合します。
月曜開始でも1つ分の空白が追加されるのでDROP関数で先頭を除外します。
最後にWRAPROWS関数で折り返して完成です。
LAMBDA以降の新関数の問題集 ・・・ 解答は別ページになっています。
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