TEXTSPLIT関数(列と行の区切り記号で文字列を分割)
TEXTSPLIT関数はOffice365のExcelに2022年になってから追加された新しい関数です。
列の区切り(横に分割)を使った場合は「データ」タブの「区切り位置」と同じような処理ができる関数です。
さらに、列(横)への分割だけではなく行(縦)に分割することもできます。
TEXTSPLIT関数の構文
text テキスト |
分割するテキスト。 必須です。 |
col_delimiter 列区切り |
列の区切りに使用する文字。 ここに指定された文字で列(横)に分割されます。 必須ですが値を省略することはできます。 その場合は、カンマ(,)だけにしてください。 |
row_delimiter 行区切り |
行の区切りに使用する文字。 ここに指定された文字で行(縦)に分割されます。 省略可能です。 |
ignore_empty 空のセルを無視 |
空のセルを無視するかどうかを指定します。 TRUE:空のセルを無視する FALSE:空のセルを含める(既定値) 省略時はFALSE(空のセルを含める)になります。 |
match_mode 一致モード |
区切り文字の検索時に、大文字小文字を区別するかどうかを指定します。 0:大文字と文字を区別する 1:大文字と小文字を区別しない 既定値は 0:(大文字と文字を区別する) |
pad_with 埋め込む値 |
列の不足部分に埋め込む値。 列数はテキストを横に分割した結果によって変化します。 列区切りと行区切りを同時に指定して縦横分割する場合、行によって最大列数に達しない行がでてきます。 その場合に、各行の不足している部分の列に埋める値。 既定値は #N/A |
テキスト(text)
列区切りだけの場合は、列(横)だけに分割されます。
行区切りだけの場合は、行(縦)だけに分割されます。
列区切りと行区切りの両方を指定した場合は、列と行(横と縦)に分割されます。
空のセルを無視(ignore_empty)がTRUEの場合、空のセルは出力されず、その後が詰められて出力されます。
列区切りと行区切りの両方を指定した場合、出力は矩形(各行は同一列数)になります。
列数はテキストを縦横分割した結果の最大列数になります。
この時、行によって列の不足部分が発生するので、その不足部分に対して埋める文字(既定は#N/A)を指定します。
TEXTSPLIT関数の使用例と解説
カンマ(,)で分割
=TEXTSPLIT(A1,",")
列区切りにカンマ","を指定。
カンマで区切って列(横)に分割しています。
=TEXTSPLIT(A1,,",")
行区切りにカンマ","を指定。
カンマで区切って行(縦)に分割しています。
カンマ(,)で列(横)に分割、セミコロン(;)で行(縦)に分割
=TEXTSPLIT(A1,",",";")
列区切りにカンマ","、行区切りにセミコロン";"を指定。
先に行で区切って縦に分割してから、分割された各行を列に分割するイメージをすれば良いでしょう。
↓
行によって列数が不足する場合の使用例はこの下にあります。
列(横)に分割した時に空のセルがある場合
=TEXTSPLIT(A1,",")
列区切りにカンマ","を指定して列(横)に分割します。
空のセルを無視(ignore_empty)は省略時既定の「FALSE:空のセルを含める(既定値)」になります。
区切り文字の間に文字がない場合や、文字列の先頭や最後が区切り文字の場合は、その分は空のセルが出力されます。
=TEXTSPLIT(A1,",",,TRUE)
列区切りにカンマ","、空のセルを無視(ignore_empty)に「TRUE:空のセルを無視する」を指定。
区切り文字の間に文字がない場合や、文字列の先頭や最後が区切り文字は無視されます。
空のセルを無視(ignore_empty)を省略またはFALSEの時に出力される空のセルは出力されずに、その分は詰めて出力されます。
横と縦で分割した時に、列に不足が発生する場合
=TEXTSPLIT(A1,",",";")
スピル全体の列数は、行(縦)に分割後の各行の最大列数になります。
2行目は「Word」の1列だけなので、2列目は不足部分となり既定値の#N/Aとなります。
3行目は「,アクセス」なので、1列目が空のセルとなりますが列数は2列となります。
=TEXTSPLIT(A1,",",";",TRUE)
したがって、3行目の「アクセス」は1列目に詰まり、2列目は列不足となり既定値の#N/Aになります。
=TEXTSPLIT(A1,",",";",TRUE,,"***")
各行の2列目で不足しているセルには"***"が出力されます。
区切り文字に配列を指定した場合
=TEXTSPLIT(A1,,{",",";"})
列区切りに配列 {",",";"} を指定しています。
配列内のいずれかの文字列に一致していれば列に分割されます。
ここで指定する配列は、縦横どちらの配列でも良いし2次元配列でも構いません。
つまり {",";";"} この配列でも結果は同じになります。
行区切りの指定でも同様です。
区切り文字の大文字小文字の区別
=TEXTSPLIT(A1,"a")
列区切りに小文字の"a"を指定。
小文字の"a"だけで区切られて列(横)に分割されます。
一致モード(match_mode)は省略時既定の「0:大文字と文字を区別する」になります。
=TEXTSPLIT(A1,"a",,,1)
列区切りに小文字の"a"、一致モード(match_mode)に「1:大文字と小文字を区別しない」を指定
小文字の"a"および大文字の"A"で区切られて列(横)に分割されます。
縦区切りの場合も同様です。
テキスト(text)に複数セルを指定しても期待した分割はできません
=TEXTSPLIT(A1:A2,",")
しかし、これは期待した結果を得ることは出来ません。
分割はされますが、先頭要素しか出力されません。
これは縦区切りでも同じですし、テキストに指定するセル範囲が横範囲でも同じです。
TEXTSPLITの応用例:TEXTBEFOREまたはTEXTAFTERとの組み合わせ
LAMBDA以降の新関数の問題集 ・・・ 解答は別ページになっています。
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