エクセル入門
WRAPCOLS関数(1次元配列を指定数の列で折り返す)

Excelの初心者向け入門解説
公開日:2022-11-08 最終更新日:2022-11-10

WRAPCOLS関数(1次元配列を指定数の列で折り返す)


WRAPCOLS関数はOffice365のExcelに2022年になってから追加された新しい関数です。


WRAPCOLS関数は、1次元配列(1列または1行)を指定された数で各列を折り返して新しい配列を作成します。
列で折り返した結果、配列の最終列の要素が不足している場合は指定の文字で埋められます。
列での折り返しではなく、行で折り返す場合はWRAPROWS関数を使用します。
WRAPROWS関数は、1次元配列(1列または1行)を指定された数で各行を折り返して新しい配列を作成します。行で折り返した結果、配列の最終行の要素が不足している場合は指定の文字で埋められます。行での折り返しではなく、列で折り返す場合はWRAPCOLS関数を使用します。


WRAPCOLS関数の構文

=WRAPCOLS(vector, wrap_count, [pad_with])

vector
1列/1行
セル範囲(縦1列または横1行)または1次元配列を指定します。
必須です。
wrap_count
折り返し数
各列の値の最大数。
この数値で各列が折り返されます。
必須です。
pad_with
埋め込む値
不足部分に埋め込む値。
既定値は #N/A です。

vectorに、複数列複数行のセル範囲 または 2次元配列を指定した場合は #VALUE エラーになります。
つまり、縦1列または横1行のセル範囲 または 1次元配列しか指定できません。

wrap_countがvectorの要素数(1行なら列数、1列なら行数)以上の場合は単一列(1列のみ)で返されます。
wrap_countが1未満の場合は N/A エラーになります。

列で折り返した結果、最終列の要素が不足している場合はpad_with(省略時は#N/A)で埋められます。


WRAPCOLS関数の使用例と解説

縦1列のセル範囲を各列3行で折り返す。埋め文字は省略。

=WRAPCOLS(A1:A10,3)
Excel エクセル WRAPCOLS関数 新関数

WRAPCOLS関数はセル範囲A1:A10を受け取り、
引数「wrap_count」に指定された 3 で各列(縦)を折り返した配列を返します。
最後の2要素は不足部分になりますので、既定値の #N/A で埋められます。

上記ではセル範囲を指定していますが配列でも同様です。
=WRAPCOLS(SEQUENCE(10),3)
Excel エクセル WRAPCOLS関数 新関数

A1:A10は、「=SEQUENCE(10)」をセル出力した場合の結果です。

横1行のセル範囲を各列3行で折り返す。埋め文字は"***"。

=WRAPCOLS(A1:J1,3,"***")
Excel エクセル WRAPCOLS関数 新関数

WRAPCOLS関数はセル範囲A1:J1を受け取り、
引数「wrap_count」に指定された 3 で各列(縦)を折り返した配列を返します。
最後の2要素は不足部分になりますので、指定値の"***"で埋められます。

複数列複数行のセル範囲 または 2次元配列を指定した場合は #VALUE エラー

=WRAPCOLS(A1:B5,3)
Excel エクセル WRAPCOLS関数 新関数

複数列複数行のセル範囲 または 2次元配列を指定した場合は #VALUE エラー
上記では、A1:B5の範囲を指定しているので #VALUE! エラーとなっています。

このような縦横複数のセル範囲 または 2次元配列の場合は、TOCOL関数またはTOROW関数で1次元配列に変換してからWRAPCOLS関数を使います。
=WRAPCOLS(TOCOL(A1:B5),3)
Excel エクセル WRAPCOLS関数 新関数

WRAPCOLS関数の実践例

エクセルの表では、横に項目、縦にデータを並べる事が基本的な使い方になります。
したがって、列で折り返して横にデータが伸びていく使い方はあまり多くありません。
行で折り返すWRAPROWSの実践例では、
WRAPROWS関数は、1次元配列(1列または1行)を指定された数で各行を折り返して新しい配列を作成します。行で折り返した結果、配列の最終行の要素が不足している場合は指定の文字で埋められます。行での折り返しではなく、列で折り返す場合はWRAPCOLS関数を使用します。
日付毎のデータを、横の7曜日で折り返す例を紹介していますので参考にしてください。

事前に縦横数が決まっている場合は、
WRAPROWS関数とWRAPCOLS関数では、配置する順番の違いだけになります。
例えば以下の数式は、1から100までの重複しない数値を10行10列にランダムに配置する数式です。
=WRAPCOLS(SORTBY(SEQUENCE(100),RANDARRAY(100)),10)
Excel エクセル WRAPCOLS関数 新関数

このWRAPCOLSはWRAPROWSでも同じことになります。
縦→横、横→縦、ランダムに配置するならどちらでも良いという意味です。


LAMBDA以降の新関数の問題集 ・・・ 解答は別ページになっています。

・目次 ・LAMBDA踊るぞ編 ・LAMBDA踊るぞ編2 ・SCAN編 ・MAP編 ・REDUCE編 ・山手線営業の旅編 ・BYROW,BYCOL編 ・ここからはフリー問題だよ編 ・好きな関数を使ってくれ編 ・いろんな関数を使ってね編 ・魔球編 ・豚が木に登れば落ちることもある編 ・たまには100点とってみたいものだ編 ・これは何と言う処理なんだろ編 ・数字は嫌いなのだ編 ・外堀から埋めていくぞ編 ・なぜわざわざそうしたいのか編 ・かっこつけてんじゃないよ編 ・頭の体操だけど新関数の出番はあるか?編 ・定番だけど出してなかったよね編
LAMBDA以降の新関数の使用例
・2つの1次元配列から、それをクロス結合した結果を返す ・A列が同じ行のB列の値を連結して、A列の一意な値とともに出力 ・名前定義を使わずにLAMBDA関数で再帰する方法 ・文字列を大文字小文字変換して大小文字の全組み合わせを出力 ・2つのテーブルの片方しかない行を縦に連結出力 ・3連単、3連複のフォーメーション買目を全て列挙する ・FILTER関数の出力行数・列数を指定する ・月が縦で日が横の表を、曜日(7列)で縦に折り返す ・文字列内の括弧()()の中の文字を取り出して列挙 ・表内にあるセル内改行を複数行に展開 ・文字列の中から1文字削除の全パターン出力 ・クロスABC分析 ・月利が毎月変動する月複利の計算 ・レーベンシュタイン距離 ・文字列を数字と数字以外で分割 ・縦横スピルしないXLOOKUP代替(MATCH+INDEX,FILTER,CHOOSEROWS) ・直積(クロス結合、…




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