エクセル関数応用
配列を自在に回転させる数式

Excel関数の解説、関数サンプルと高等テクニック
公開日:2025-11-09 最終更新日:2025-11-09

配列を自在に回転させる数式


エクセルで配列データを扱う際、行と列を入れ替える配置転換はTRANSPOSE関数で簡単にできますが、90度、180度、270度の回転は手間がかかります。
本記事では、Excelの強力な動的配列機能(LAMBDA、MAKEARRAY、LET等々)を組み合わせ、引数一つで右回転、左回転、180度回転を自在に実行できるカスタム数式を紹介します。


このような配列の自由な回転は滅多に必要になる操作ではありませんが、いざ必要になったときにゼロから複雑な数式を作成するのは大変な手間と時間がかかります。
今回ご紹介する数式は、そのままセルに入力するだけで、複雑な配列操作を時間をかけずに実行できるようになります。

配列を自在に回転させる数式


配列を自在に回転させる数式の全コード例

=LAMBDA(ary,n,
   LET(aryR,ROWS(ary),
       aryC,COLUMNS(ary),
       r,MOD(n, 4),
       MAKEARRAY(
         IF(ISEVEN(r),aryR,aryC),
         IF(ISEVEN(r),aryC,aryR),
         LAMBDA(x,y,
           CHOOSE(r+1,
                  INDEX(ary,x,y),
                  INDEX(ary,aryR-y+1,x),
                  INDEX(ary,aryR-x+1,aryC-y+1),
                  INDEX(ary,y,aryC-x+1)
           )
         )
       )
   )
)


数式の使い方

このカスタム数式は、セルに直接入力して使用できます。
数式全体を丸括弧 () で囲み、その直後に引数を記述して実行します。
  1. 引数の定義

    項目 日本語名 概要
    引数 1 対象配列 回転させたいセル範囲(例: A1:C5)または動的配列(例: B2#)を指定します。 A1:C5
    引数 2 回転数 90度回転を1とした回数を指定します。 1

  2. 実行例と回転の指定
    引数回転数 に正の値を与えると右回転、負の値を与えると左回転になります。

    実行したい操作 回転数 (n) の値 実行する数式の末尾
    右に90度 1 (A1:C5, 1)
    左に90度 -1 (A1:C5, -1)
    180度 2 または -2 (A1:C5, 2)
    左に270度 (右90度と同じ) -3 (A1:C5, -3)

  3. セルへの入力例
    上記の完全版数式の末尾に、対象配列と回転数を追記し、セルに入力します。
    =LAMBDA(ary,n,
       LET(aryR,ROWS(ary),
           aryC,COLUMNS(ary),
           r,MOD(n, 4),
           MAKEARRAY(
             IF(ISEVEN(r),aryR,aryC),
             IF(ISEVEN(r),aryC,aryR),
             LAMBDA(x,y,
               CHOOSE(r+1,
                      INDEX(ary,x,y),
                      INDEX(ary,aryR-y+1,x),
                      INDEX(ary,aryR-x+1,aryC-y+1),
                      INDEX(ary,y,aryC-x+1)
               )
             )
           )
       )
    )(A1:C5,2)
    配列を自在に回転させる数式

    この例では、A1:C5 の配列を180度回転させます。

名前定義にいれて使う場合
=LAMBDA(・・・)
この部分を名前定義に登録することで、その名前をカスタム関数として当該ブックでは使うことができます。

配列を自在に回転させる数式

配列を自在に回転させる数式

エクセル Excel サンプル画像

配列を自在に回転させる数式


数式の解説

この数式は、LET、MAKEARRAY、LAMBDA、MOD、ISEVEN、CHOOSE、INDEXといった複数の動的配列関数を組み合わせています。
  1. 回転数の正規化と左右回転の対応
    • r, MOD(n, 4):入力された
      • n(回転数)を 4で割った余り (0, 1, 2, 3) に変換し、変数 r に格納します。
      • この MOD の処理により、負の値(左回転)が入力されても、対応する右回転の回数に自動で変換されます(例: n=-1 は r=3 になり、これは「右270度」=「左90度」を意味します)。

  2. 新しい配列の次元決定 (ISEVEN)
    • new_rows, IF(ISEVEN(r), aryR, aryC):
      • 回転が0度 (r=0) または 180度 (r=2) の場合、r は偶数です。このとき、配列は転置せず次元はそのまま(aryR × aryC)です。
      • 90度 (r=1) または 270度 (r=3) の場合、r は奇数です。このとき、配列は転置されるため、次元が入れ替わります(aryC × aryR)。
      • ISEVEN(r) を使うことで、MAKEARRAYが生成すべき新しい配列のサイズを正確に決定しています。

  3. 要素配置の分岐 (CHOOSEとINDEX)
    • MAKEARRAY内のLAMBDA(x, y, ...)が、新しい配列の各セル (x, y) に配置する値を計算します。
    • CHOOSE(r + 1, ...) は、r の値(0, 1, 2, 3)に応じて、以下の4つのINDEXロジックを切り替えます。

    r 回転角 INDEXロジック(INDEX(ary, 行, 列)) 意味
    0 0度 INDEX(ary, x, y) そのまま配置
    1 右90度 INDEX(ary, aryR - y + 1, x) 行を逆順に参照し、転置
    2 180度 INDEX(ary, aryR - x + 1, aryC - y + 1) 行・列を逆順に参照
    3 左90度 INDEX(ary, y, aryC - x + 1) 列を逆順に参照し、転置

    「aryR - インデックス + 1」というパターンを使うことで、元の配列の行や列を逆順に参照し、複雑な回転をシンプルな式で実現しています。


※本記事の作成にあたっては随所で生成AIを活用しています。全て最終的に人間が確認した後に掲載しています。





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