VBAサンプル集
方眼紙Excel(神エクセル)に対応するVBA

ExcelマクロVBAの実用サンプル、エクセルVBA集と解説
公開日:2016-11-05 最終更新日:2020-04-04

方眼紙Excel(神エクセル)に対応するVBA

もはや、「いじめ」か「いたずら」、方眼紙l(神)Exceに、1枠1文字を入れろと言われて・・・


マクロVBAで処理すれば、こんな「いじめ」も「いたずら」も、サクッと克服できます。

以下のような、セル結合の鬼と化したExcelで、
罫線で囲んだ枠内に、1枠1文字で入れるという苦行を、マクロVBAなら自動で処理することができます。

方眼紙Excel(神エクセル)のサンプル

VBA マクロ 方眼紙 神

2行2列をセル結合して、1枠にしています。
以下のVBAでは、何行何列で結合していても動作します。

方眼紙Excel(神エクセル)に対応するVBAコード

シートモジュールに、以下を全て貼り付けて下さい。

Option Explicit

'Changeイベント
Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)
  Dim sRng As Range '開始セル
  Dim cRng As Range '処理中セル
  Dim nRng As Range '次のセル
  Dim strIn As String '入力文字
  
  '入力された先頭セルに限定
  Set sRng = Target.Item(1)
  
  '空欄なら無視
  If IsEmpty(sRng) Then Exit Sub
  
  '結合範囲を取得
  Set cRng = sRng.MergeArea
  
  '入力文字
  strIn = sRng.Value
  
  'イベント停止
  Application.EnableEvents = False
  
  '文字を全て配置したか、方眼紙の枠がなくなるまで
  Do
    '文字を全て配置が終わった
    If Len(strIn) = 0 Then
      Exit Do
    End If
    '次の方眼紙の枠を取得、無ければ残りの文字を入れる
    Set nRng = getNext(cRng)
    If nRng Is Nothing Then
      cRng.Value = strIn
      Exit Do
    End If
    
    '左の1文字を入れる
    cRng.Value = Left(strIn, 1)
    
    '未処理文字を2文字目からに
    strIn = Mid(strIn, 2)
    
    '次の方眼紙の枠のセルを次のセルに
    Set cRng = nRng
  Loop
  
  'イベント再開
  Application.EnableEvents = True
End Sub

'次の方眼紙の枠を取得
Private Function getNext(ByVal cRng As Range) As Range
  Dim rng As Range
  Dim nRng As Range
  
  '右のセルが方眼紙の枠なら、それを設定
  If isFrame(cRng.Offset(, 1).MergeArea) = True Then
    Set getNext = cRng.Offset(, 1)
    Exit Function
  End If
  
  '左に向かって先頭列の方眼紙の枠を探す
  Set rng = cRng
  Do
    'A列なら終わり
    If rng.Column = 1 Then
      Set getNext = rng
      Exit Function
    End If
    
    '左が方眼紙の枠でなければ終わり
    If isFrame(rng.Offset(, -1).MergeArea) = False Then
      Exit Do
    End If
    
    '一つ左の枠へ移動
    Set rng = rng.Offset(, -1).MergeArea
  Loop
  
  '一つ下のセルへ移動
  Set rng = rng.Offset(1).MergeArea
  
  '当該セルが方眼紙の枠でなければ終わり判定
  If isFrame(rng) = False Then
    Set getNext = Nothing
    Exit Function
  End If
  
  '見つけた次の枠を返す
  Set getNext = rng
End Function

'方眼紙の枠のセルか判定
Private Function isFrame(ByVal rng As Range) As Boolean
  '四隅に罫線が引かれている場合に、方眼紙の枠と判定
  If rng.Borders(xlEdgeTop).LineStyle <> xlNone And _
    rng.Borders(xlEdgeBottom).LineStyle <> xlNone And _
    rng.Borders(xlEdgeLeft).LineStyle <> xlNone And _
    rng.Borders(xlEdgeRight).LineStyle <> xlNone Then
    isFrame = True
  Else
    isFrame = False
  End If
End Function

VBAコードは難しい内容のものはありません。
ぜひ、VBA内のコメントを参考に読み解いてください。
気を付けるべき点は、
常に、.MergeAreaでRangeを指定することと、次のセルに進む時には、.Offsetを使うということです。

.Offsetを使えば、結合セルの次が簡単に取得できます。
Cellsで行・列指定していたら、かなり大変なコードになってしまいます。

方眼紙Excel(神エクセル)に対応するVBAの規則と使い方

方眼紙Excel(神エクセル)に対応するVBAの規則

・方眼紙の枠の判定は、上下左右に罫線が引かれていること
・順に右に進みます。
・右端まで行ったら、1段下の左端に続きます。
・最後の枠まで行って文字が残っている場合は、最後のセルに残りの文字を全て入れます。

方眼紙Excel(神エクセル)に対応するVBAの使い方

入力開始セルに文字を全部入れて下さい。
どこから書き始めても、上記の規則に従って、1枠1文字になります。
「もはや、「いじめ」か「いたずら」、方眼紙Excelに、1枠1文字を入れろと言われて、悪戦苦闘・・・」
と入れると、

VBA マクロ 方眼紙 神

VBA マクロ 方眼紙 神

最後は、入りきらないので、・・を1枠に入っています。
以下のような形の枠でも、ちゃんと枠にそって1枠1文字で入ります。

VBA マクロ 方眼紙 神

VBA マクロ 方眼紙 神

方眼紙Excel(神エクセル)に対応するVBAの最後に

ここに掲載したものは、あくまでサンプルですので、
さらに複雑な形であるとか、罫線ではなく塗りつぶし色で判定する等々、
いろいろとマクロVBAの記述を変更して対応してみてください。

要点は、次のセルを見つける部分です。
Function getNext
ここを工夫すれば、どんな複雑なパターンにもある程度は対応できるVBAを作ることが出来るはずです。

また、逆に分割された文字を、簡単にまとめたい場合もあるでしょう。
分割よりは結合する方が簡単なので、チャレンジしてみて下さい。



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方眼紙Excel(神エクセル)に対応するVBA


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