VBA関数
InStr関数

Excelマクロで必須のVBA関数を入門・初級・初心者向けに詳細解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2024-01-03

InStr関数


マクロ VBA サンプル画像


Instr関数はVBAでは頻繁に使われる超重要の必須関数です。
シート関数のFIND関数・SEARCH関数と同様機能のVBA関数になります。


Instr関数は、文字列の中から指定した文字列を先頭から検索し、最初に見つかった文字位置を返す文字列処理関数です。

検索文字が見つからなかった場合は0を返します。
つまり、
検索文字が見つかった時は、その文字位置の数値、
見つからなかった時は、0が戻り値となります。

Instr関数はVBAの文字列操作系関数の中でも極めて使用頻度の高い関数ですので、
しかっかりと使えるようになっておく必要があります。

InStr関数

InStr([start, ]string1, string2[, compare])

start
省略可能です。
検索の開始位置を表す数式を指定します。
省略すると、先頭の文字から検索されます。
引数startにNull 値が含まれている場合、エラーが発生します。
引数compareを指定した場合は、startも指定する必要があります。

string1
必ず指定します。
検索対象となる文字列式を指定します。

string2
必ず指定します。
引数string1内で検索する文字列式を指定します。

compare
省略可能です。
引数 compare を指定した場合は、start も指定する必要があります。
引数 compare を省略すると、バイナリ モードで比較が行われます。

文字列比較の比較モードを指定する番号を設定します。
引数compareを指定した場合は、引数startも指定する必要があります。
設定する値については、次の「設定値」を参照してください。

定数 説明
vbUseCompareOption
使用できません
-1 Option Compare ステートメントの設定を使用して比較を行います。
vbBinaryCompare 0 バイナリ モードで比較を行います。
全角半角、大文字小文字が区別されます。
vbTextCompare 1 テキスト モードで比較を行います。
全角半角、大文字小文字が区別されません。

VBA関数では多くの場合、大文字小文字を区別されます。
従って、InStr関数使用時も、大文字小文字を区別されるバイナリ モードを使う事が多くなります。

大文字小文字を区別せずに判定したい場合は、
LCase関数
LCase関数は、アルファベットの大文字を小文字に変換する文字列処理関数です。LCase関数 LCase(string) charcode 任意の文字列式を指定します。この引数は必ず指定します。stringにNull値が含まれている場合、Null値を返します。
UCase関数
UCase関数は、アルファベットの小文字を大文字に変換する文字列処理関数です。UCase関数 UCase(string) charcode 任意の文字列式を指定します。この引数は必ず指定します。stringにNull値が含まれている場合、Null値を返します。
StrConv関数
StrConv関数は、指定された変換方式で変換した文字列を返します、バリアント型(内部処理形式StringのVariant)で返します。StrConv関数 StrConv(string,conversion,LCID) string 必ず指定します。
これらと組み合わせて使用することの方が多いかもしれません。

※注意
この関数では、名前付き引数は使用できません。
指定するとコンパイルエラーになります。

戻り値(返り値)
バリアント型 (内部処理形式 Long の Variant) の値を返します。

文字列(string1)の中から指定した文字列(string2)を検索し、
最初に見つかった文字位置(先頭からその位置までの文字数)を返します。

検索文字が見つからなかった場合は、0を返します。


InStrB関数

文字列をバイト データとして扱う場合は、InStrB関数を使用します。

InstrB関数は文字列をバイト データとして扱い、
検索結果をバイト位置 (先頭からその位置までのバイト数) で返します。


InStr関数の使用例

InStr("エクセルExcel", "E") ・・・ 5
InStr("エクセルExcel", "ce") ・・・ 7
InStr(6, "エクセルexcel", "e")・・・ 8、6文字以降で検索するので、2番目のeの位置


InStr関数の応用例1

A列に何かの名称が入っているとして、
「(」の前までを取り出す場合です。

Dim i As Long
For i = 1 To Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
  If InStr(Cells(i, 1), "(") > 0 Then
    Cells(i, 2) = Left(Cells(i, 1), InStr(Cells(i, 1), "(") - 1)
  End If
Next

InStr関数で、「(」があるかどうかを判定してから、
「(」がある場合には、その前までを取り出してB列に入れています。


InStr関数の応用例2

A列に社名が入っているとして、
「株式会社」という名称が含まれていたら、B列に「株式会社」と出力する。

Dim i As Long
For i = 1 To Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
  If InStr(Cells(i, 1), "株式会社") > 0 Then
    Cells(i, 2) = "株式会社"
  End If
Next

よく使われる使い方になります。
ただし、この場合は、Like演算子を使って、
If Cells(i, 1) Like "*株式会社*" Then
このように書いても同じです。
実際には、InStr関数とLike演算子は好みによって使い分けられている場合が多いようです。


InStr関数の応用例3

バイナリ モードで、全角半角、大文字小文字が区別しない場合は、
以下のように関数をネストさせます。

Dim str As String
str = "ExcelExcel"
MsgBox InStr(str, "e") '結果は9
MsgBox InStr(StrConv(LCase(str), vbNarrow), StrConv(LCase("e"), vbNarrow)) '結果は1

検索対象、検索文字、双方を、
・LCase関数で、小文字変換
・StrConv関数で、半角変換
これにより、全角半角、大文字小文字が区別せずに検索されます。


InStr関数の練習問題

練習問題13(文字列関数の練習)|VBA練習問題
マクロVBA練習問題 ・漢字の都道府県名と、漢字の県庁所在地を使い、都道府県名(県庁所在地)を作成し、C列に入力して下さい。・都道府県名と県庁所在地が同じ場合は、都道府県名だけにして下さい。※例 北海道(札幌) 青森県 練習問題用のExcelファイル こちらからダウンロードできます。


InStr関数の関連関数

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InStrRev関数は、
文字列の中から指定した文字列を最後の文字位置から検索を開始し、
最初に見つかった先頭からの文字位置を返す文字列処理関数です。

InStr関数と対で覚えるようにしてください。


文字列系関数の参考ページ

第47回.VBA関数(文字列操作,Replace,InStr,StrConv)|VBA入門
文字列操作は、マクロVBAでプログラミングする上で必須です、データ整形、データクレンジング、データクリーニング、これらを行うVBAにおいて不可欠なものが、文字列操作関数です。ここでは、文字列操作に関するVBA関数の一覧と Replace関数、InStr関数、StrConv関数について解説します。

文字列操作に関するVBA関数の一覧の掲載と、
Replace関数、InStr関数、StrConv関数について詳細に解説しています。


Office VBA リファレンス InStr関数
※VBA関数一覧

マクロVBA関数の一覧と解説です、どんな関数があるかは一度は確認しておくとをお勧めいたします。どんな関数があるだけでも知っておけば、詳細の使い方は実際に使うときに調べても良いでしょう。文字列操作…34 分岐…3 型変換…14 データ判定…10 日付時刻…20 配列…6 ファイル操作…14 数学/財務…28 その他……




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Right関数は、文字列の右端から指定した文字数分の文字列を返します、バリアント型(内部処理形式StringのVariant)の値を返します。Right関数 Right(string,length) string 必ず指定します。この文字列式の右端から文字列が取り出されます。
Mid関数,MidB関数
Mid関数は、文字列から指定した文字数分の文字列を返します、バリアント型(内部処理形式StringのVariant)の値を返します。Mid関数 Mid(string,start[,length]) string 必ず指定します。文字列を取り出す、元の文字列式を指定します。


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