VBA技術解説
VBAのマルチステートメント(複数のステートメントを同じ行に)

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
公開日:2019-10-14 最終更新日:2019-10-15

VBAのマルチステートメント(複数のステートメントを同じ行に)


VBAでは、基本的な決まりとして1ステートメントは1行で書くことになっています。
しかし、あまりに長くなってしまうと見づらくなります。
逆に、短いステートメントが多数行になっていても見づらい場合もあります。


1ステートメントを複数行に継続して書く方法については、マクロVBA入門で解説していますが、
あるセルの文字と、あるセルの文字をくっつけて、別のセルに表示する、よくある事例であり、頻繁に行われることです。A1セルに"abc" B1セルに"123" この時に、C1セルに"abc123"を入れるような場合のマクロVBAになります。
複数ステートメントを1行に書く方法については記載していなかったので、ここで追加解説します。

VBAでのステートメントという用語について

VBAのドキュメントでは、ステートメントという用語が二つの意味で使われています。

①Ifステートメント、Forステートメント等々、VBAに用意されたステートメント
②完結した一つの文、つまり通常改行する単位の1行全体

VBAの説明ではこれらは区別して使われず、どちらもステートメントとして説明されます。

For i = 1 To 10
  If i > 5 Then
    Cells(i, 1) = i
  End If
Next

・For ...Then ・・・ 前者①のForステートメント
・If ... ・・・ 前者①のIfステートメント
・For i = 1 To 10 ・・・ 後者②の1行1ステートメント
・If i > 5 Then ・・・ 後者②の1行1ステートメント
・Cells(i, 1) = i ・・・ 後者②の1行1ステートメント

以下の説明においても、これらを混在して使っていますので、適宜読み分けてください。

行継続(1ステートメントを複数の行に)

複数ステートメントを1行に書くことを説明する前に、
先に1ステートメントを複数行に分けて書く場合の書き方を確認しておきます。

空白(半角スペース)に続けて、_(アンダーバー)を書くと、次の行に続けて書く事が出来ます。

Sub 行継続()
  Cells(1, 6).Value = Cells(1, 1).Value & Cells(1, 2).Value & Cells(1, 3).Value & Cells(1, 4).Value & Cells(1, 5).Value
End Sub

Sub 行継続()
  Cells(1, 6).Value = Cells(1, 1).Value & _
            Cells(1, 2).Value & _
            Cells(1, 3).Value & _
            Cells(1, 4).Value & _
            Cells(1, 5).Value
End Sub

上記2つのVBAは全く同一のものとなります。
VBEを横にスクロールするのはとても見づらいものです。
適宜改行して、見やすく整形しておきましょう。

VBAマルチステートメントの基本

前置きが長くなりましたが、本題のVBAでのマルチステートメントの書き方を解説します。
1行のステートメントが非常に短く、かつ何行にもわたっている場合、
VBAの行数が多くなり、全体を見渡すのに不便な場合も出てきます。
そこで、複数のステートメントを1行にまとめて書く書き方がVBAには用意されています。

ステートメントを、:(コロン)でつなげることで1行にまとめることができます。

Dim i As Long
i = 1

これをマルチステートメントとして1行に書くと、

Dim i As Long: i = 1

このように書くことができます。
良くある使い方としては、

Dim i As Long: i = 1
Dim j As Long: j = 1

Dim i As Long, j As Long
i = 1: j = 1

この2つはどちらも同じものになります。
どちらが良いという事はなく、i,jの関係性にもよるでしょう。
i,jが同種のものなのか、全く別のものなのかということと、他の宣言との見た目で使い分けることになるでしょう。

VBAマルチステートメントの応用

事前に言っておきますが、以下の使い方は本来使うべきではないと思います。
しかし、極めて特殊な状況において使いたい場合も出てくるかもしれません。
知識として知っておくことは悪い事ではないという事で、あえて説明しておきます。

上ではDim宣言に関する例を示しましたが、
ほとんどのステートメントは、:(コロン)でつなげることができます。
ただし、Ifステートメントについてはかなり制限があります。
※以下の参考VBAでは、変数宣言されているものとして変数宣言を省略しています。

If i = 0 Then
  i = 1
Else
  i = i + 1
End If

これをマルチステートメントとして記述する場合、

If i = 0 Then: i = 1: Else: i = i + 1: End If

これはエラーになります。

VBA マクロ マルチステートメント

End Ifはマルチステートメントでは使う事が出来ません。

If i = 0 Then: i = 1: Else: i = i + 1

このように、End Ifを書かなければマルチステートメントにできます。

If i = 0 Then: i = 1: i = 2: Else: i = i + 1: i = i + 2

このように、Then、Elseにそれぞれ複数のステートメントを入れることも可能です。
では、他の構文ではどうでしょうか。

Select Case i: Case 0: i = 1: Case Is >= 1:: i = i + 1: End Select

For i = 1 To 10: Cells(i, 1) = i: Next

For Each ws In Worksheets: Debug.Print ws.Name: Next

Do While i <= 10: i = i + 1: Loop

With ActiveSheet: i = 1: .Cells(i, 1) = "abc": End With

以上、全て問題なく正しく動作します。
では、これらの構文をネストする場合はどうでしょうか。

With ActiveSheet: For i = 1 To 10: .Cells(i, 1) = i: Next: End With

これは問題ありません。
では、Ifステートメントをネストした場合はどうでしょうか。

For i = 1 To 10: If i = 0 Then: j = 1: Else: j = j + 1: Next

これは入力した時点で赤字エラーとなってしまいます。
Ifステートメントに関しては、前述した通り制限があり使えません。
しかし、これはSelect Caseを使って書き直すことができます。

For i = 1 To 10: Select Case i: Case 0: j = 1: Case Else: j = j + 1: End Select: Next

これなら問題なく動作します。
どうやら、マルチステートメントにおいてはEnd Ifが書けないことからくる制限で、
ほとんどIfステートメントが使用できなくなってしまっているようです。
その他の制限はほとんど(まだ他にもありそうではありますが)見当たりませんでした。

マルチステートメントの最後に

マルチステートメントの書き方について説明してきましたが、
積極的に使うべきものではないとことは再度言っておきます。
使うとしたら、
「VBAマルチステートメントの基本」で説明した、
変数宣言と初期値代入くらいに限定した使い方までが良いでしょう。
本サイト内でも、変数宣言と初期値代入については使っているVBAも掲載していますので、
今回はマルチステートメントについて詳しく解説しておきました。



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