SQL入門
データベースにおけるNULLの扱い方

SQLの初心者向け入門解説、VBAからデータベースを扱うためのSQLを解説
最終更新日:2019-12-02

データベースにおけるNULLの扱い方


エクセルVBAでデータベースを扱うためのSQL入門です。
前回はSQL関数と演算子について解説しましたが、その中でNULLに関するものがでてきました。
「NULLについては、次回詳しく解説します。」と記載、今回はNULLについて解説します。


エクセルにおいては、空欄に見えても、完全に空欄(Empty)の場合と長さ0の文字列の違いで苦慮することがあります。
これと同様に、データベースにおいてもNULLと空文字(長さ0の文字列)は意識して扱う必要があります。

NULLの扱いが正しく行われないと、間違った結果になってしまいます。
データベースにおいてNULLの扱いは特別に判定する必要があり、NULLを判定するための専用の演算子やSQL関数が用意されています。
演算子やSQL関数を紹介しつつ、NULLの扱い方について順に解説していきます。

NULLデータのINSERT

テーブル定義は、以下を使います。
CREATE TABLE t_sales (
 'id' INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT NOT NULL
,'code' TEXT NOT NULL
,'name' TEXT NOT NULL
,'address' TEXT
,'sales_date' TEXT
,'item_code' TEXT
,'item_name' TEXT
,'item_price' INTEGER
,'item_count' INTEGER
,'item_amount' INTEGER
,'comment' TEXT
);

このテーブルにデータをINSERTしたとき、フィールドをNULLにする方法は大きく分けると2通りあります。
逆の言い方をすれば、フィールドがNULLになる原因が2通りあるという事です。

省略されたフィールド
INSERT時には、全てのカラムを指定する必要はありません。
データを挿入するカラムだけ指定することができます。
ただし、NOT NULL制約のカラムは省略できません。
INSERT INTO t_sales ("code","name") VALUES ('A01',"名称A01")
このSQLを実行すると、codeとname以外の省略されたカラムは全てNULLになります。
(もちろんidは連番が振られます。)
codeとnameは、NOT NULL制約になっているので省略できませんが、他のカラムは制約がありませんので省略可能です。
そして、省略したカラムはNULLになります。

マクロ VBA SQL NULL
※「DB Rrowser for SQLite」の画面

DEFAULTが指定されている場合
カラム定義にDEFAULTが指定されている場合は、カラム省略時はその値が挿入されます。
以下で説明していますが、文字列型にNULLがあると文字列結合が面倒になります。
文字列結合するようなカラムにはNOT NULLやDEFAULTで空文字を指定することを検討してください。

VALUESにNULLを指定
VALUEとして''(空文字、長さ0の文字列)ではNULLにならず空文字になってしまいます。
VALUEにNULLを指定するには、キーワードとしてnullまたはNULLと記述します。
INSERT INTO t_sales
 ("code","name","address","sales_date","item_code"
,"item_name","item_price","item_count","item_amount","comment")
 VALUES
 ('A01','名称A01',NULL,NULL,NULL,NULL,NULL,NULL,NULL,NULL)
,('A01','名称A01',NULL,NULL,NULL,NULL,NULL,NULL,NULL,NULL)
,('A01','名称A01','','','','',100,1,100,'')
,('A01','名称A01','','','','',100,2,200,'')
,('A01','名称A01','','','','',100,3,300,'')

マクロ VBA SQL NULL
※「DB Rrowser for SQLite」の画面

NULLと''の違いを確認してください。
これ以降は、上記のデータをSELECTした時の結果を掲載しています。

NULLに関する演算子とSQL関数

IS NULL演算子

式 IS NULL
式がNULLかどうかを判定します。
式がNULLの場合に真を返します。
否定の場合は、
IS NOT NULL
とします。

式 = NULL
これではNULL判定できません。

IFNULL関数

IFNULL(式, 値)
式の値がNULLの場合は第2引数の値を返します。
式の値がNULL以外の場合は式の値を返します。

IS NULL の使用例

以降のサンプルVBAでは、以下のクラスを使用しています。
VBAクラスの全コード:データの取得
SQL入門の「データの取得:条件指定(SELECT,WHERE)」時点のVBAクラスの全コードです。ADOを使ったDB接続のVBAクラスの全コード クラスモジュール:clsSQLite


Sub SelectNull()
  Dim clsDB As New clsSQLite
  clsDB.DataBase = "C:\SQLite3\sample.db"
  
  Dim ws As Worksheet
  Set ws = ActiveSheet
  
  Dim sSql As String
  sSql = ""
  sSql = sSql & "SELECT *"
  sSql = sSql & " FROM t_sales"
  sSql = sSql & " WHERE code = 'A01'"
  sSql = sSql & "  AND item_code IS NULL"
  
  If Not clsDB.SheetFromRecordset(sSql, ws.Range("A1"), Clear, True) Then
    MsgBox clsDB.ErrMsg
    Exit Sub
  End If
  
  Set clsDB = Nothing
End Sub

実行結果のシートです。

マクロ VBA SQL NULL


※これ以降はSQL部分のみ掲載します。

IS NOT NULL の使用例

sSql = sSql & "SELECT *"
sSql = sSql & " FROM t_sales"
sSql = sSql & " WHERE code = 'A01'"
sSql = sSql & "  AND item_code IS NOT NULL"

実行結果のシートです。

マクロ VBA SQL NULL

IFNULL の使用例



sSql = sSql & "SELECT code,name"
sSql = sSql & ",IFNULL(item_code,'ヌル'),IFNULL(item_name,'ヌル')"
sSql = sSql & " FROM t_sales"
sSql = sSql & " WHERE code = 'A01'"

実行結果のシートです。

マクロ VBA SQL NULL

文字列結合におけるNULLの挙動

演算子||では、結合文字のどちらかがNULLの場合はNULLになります。

sSql = sSql & " IFNULL(name,'ヌル'),IFNULL(item_name,'ヌル')"
sSql = sSql & ",IFNULL(name || item_name,'ヌル')"
sSql = sSql & " FROM t_sales"
sSql = sSql & " WHERE code = 'A01'"

実行結果のシートです。

マクロ VBA SQL NULL

※他のDBにおける、||演算子およびCONCAT関数
多くのDBにおいてNULLがあると結果がNULLになります。
ただし、DBによっては空文字になるものもあります。
NOT NULL制約のないカラムの場合は、IFNULL関数を使うようにしてください。

集計関数におけるNULLの挙動

ほとんどの集計関数では、NULLのフィールドは無視して集計されます。

sSql = sSql & "SELECT code"
sSql = sSql & ",COUNT(*)"
sSql = sSql & ",COUNT(item_amount)"
sSql = sSql & ",SUM(item_amount)"
sSql = sSql & ",AVG(item_amount)"
sSql = sSql & " FROM t_sales"
sSql = sSql & " WHERE code = 'A01'"
sSql = sSql & " GROUP BY code"

実行結果のシートです。

マクロ VBA サンプル画像

COUNT(*)は、対象の行数(レコード数)を返します。
COUNT(カラム名)は、NULL以外のセルの個数を返します。
SUM関数、AVG関数、MAX関数、MIN関数はNULLを無視します。

SQLiteでは数値型のカラムでも文字列が入ってしまいます。
数値型のカラムに数値以外(文字列)が入っている場合、集計関数はNULL同様に無視されます。
数値とNULLの四則演算
結果はNULLとなります。

NULLの扱い方の最後に

そもそも、できればNULLがないほうが扱いやすいものです。
少なくとも、文字列型のカラムはNULLにならないようにした方が扱いやすいでしょう。

SQLiteでは数値型の列でさえ文字列を入れられてしまいますが、
他のDBでは、指定のデータ型(数値型や日付時刻型)以外のデータは入れることが出来ず、指定のデータ型またはNULLしか入れることができません。
例えば、数値や日付時刻が存在しない場合として、どうしてもNULLを入れておく必要が出てきます。
そして、常にNULLの扱いは面倒なものです。

全てのカラムでNULL対応するのは、むやみに記述を増やしてしまいますので、
NULLがあるのかないのか、しっかりと把握してSQLを書くようにしてください。

さて、いよいよこれからは複数テーブルを結合するSQLに入っていきます。
それは、データをマスタデータとトランザクションデータに分けて複数のテーブルを作成していくことになります。
それには、「データベースの正規化」、これを学ぶ必要があります。



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