セル値によるExcelシートの条件付き読み込みとデータ結合
「パワク13本目」
Power Query(M言語)の問題と解答・解説
ただし、かなりプロンプトで誘導しないと簡単には作成してもらえませんでした。
また、コード解説もAIに書いてもらったものを編集して掲載しています。
ページ内目次
パワク13本目:問題文
【Power Query問題】
- 対象:テーブル「Settings」の先頭セルに記載されているフォルダ内の全.xlsxファイル。
- シート: A1セルの値が "A" または "B" だけ対象。
- データ構造:3行目を見出しに使用。1~2行目はスキップし、4行目以降をデータ本体とする。
- 出力:A1の値ごとにデータを縦に結合し、2つの独立したテーブルで出力。
Settings



解答Mコード:Geminiで作成
| クエリ名 | 役割 | 機能の概要 |
| Source_Base | 入力データの基礎 | 「Settings」シートに記載されたフォルダパスをもとに、フォルダ内のExcelファイル一覧(.xlsxのみ)を取得する。 |
| fn_CombineByA1Value | 共通処理関数 | 指定したA1セル値(例:「A」や「B」)に一致するシートを抽出し、不要行を除いてヘッダーを整え、全シートを1つのテーブルに結合する。 |
| Query_A | 実行クエリ(A) | 関数に「A」を渡し、A1セルが「A」のシートをまとめて出力する。 |
| Query_B | 実行クエリ(B) | 関数に「B」を渡し、A1セルが「B」のシートをまとめて出力する。 |
すべての列を文字型に統一しているため、列構造の違うシートも安全に結合可能。
エラー処理を組み込んでいるため、欠損ファイルや形式の異なるシートがあっても動作が止まりません。
新しいファイルをフォルダに追加するだけで、自動的に集計対象になります。
Source_Base
let
// フォルダ内のファイル一覧を取得
Source = Folder.Files(Excel.CurrentWorkbook(){[Name="Settings"]}[Content]{0}[FullPath]),
// Excelファイル(.xlsx)のみに絞り込む
ExcelFiles = Table.SelectRows(Source, each Text.EndsWith([Name], ".xlsx"))
in
ExcelFilesMコード解説
「Settings」シートに書かれたフォルダパスを読み取り、そのフォルダの中にあるすべてのファイルを取得します。
そのうち、拡張子が「.xlsx」のものだけを抽出します。
結果として、「どのExcelファイルを処理対象とするか」というリストが得られます。
fn_CombineByA1Value
(TargetA1Value as text) =>
let
// 1. 共通ソースを参照
Source = Source_Base,
// 2. 各ファイルの全シート情報(メタデータ)を展開
AllSheets = Table.AddColumn(Source, "CustomData", each Excel.Workbook([Content])),
// 3. シートのテーブル情報(Data列)を展開し、シート行のみに絞り込む
ExpandedSheets = Table.ExpandTableColumn(AllSheets, "CustomData", {"Name", "Data", "Kind"}, {"SheetName", "SheetData", "Kind"}),
OnlySheets = Table.SelectRows(ExpandedSheets, each ([Kind] = "Sheet")),
// 4. 各シートのA1セルの値を取得(列名に依存しない強化版)
A1Value = Table.AddColumn(OnlySheets, "A1Value",
each try
Record.Field(Table.FirstN([SheetData], 1){0}, Table.ColumnNames([SheetData]){0})
otherwise null
),
// 5. パラメーターの値 (TargetA1Value) でシートを絞り込む
FilterByParam = Table.SelectRows(A1Value, each [A1Value] = TargetA1Value),
// 6. 結合対象の [SheetData] 列のみを残す
SelectData = Table.SelectColumns(FilterByParam, {"SheetData"}),
// 7. 各テーブルを処理し、結合と昇格を行う(エラー処理と構文修正済み)
ProcessedList = List.Transform(
SelectData[SheetData],
each try
let
// 2行スキップ (A1とA2行を除去し、A3のヘッダー行を残す)
Skipped = Table.Skip(_, 2),
// 3行目をヘッダーとして昇格
Promoted = Table.PromoteHeaders(Skipped, [PromoteAllScalars=true]),
// 結合前に明示的に列の型を Text にすることで構造を安定化
Result = Table.TransformColumnTypes(Promoted,
List.Transform(Table.ColumnNames(Promoted), each {_, type text}))
in
Result
otherwise null
),
// 8. null (エラー) の要素をリストから除外
CleanedList = List.RemoveNulls(ProcessedList),
// 9. 全てのテーブルを結合 (CleanedListが空の場合は空テーブルを返す)
CombinedData = try Table.Combine(CleanedList) otherwise #table({}, {}),
// 10. 最終結果
FinalResult = CombinedData
in
FinalResultMコード解説
引数として「A1セルの値」を受け取り、たとえば「A」と指定すれば、各Excelファイルの中でA1セルに「A」と書かれたシートだけを抽出します。
処理の流れは次の通りです。
- 共通ソースの参照
まず、先ほどの Source_Base で取得したファイル一覧を使います。
- 各ファイルの中身を読む
フォルダ内のそれぞれのExcelファイルを開き、その中の全シート情報を取得します。
これにより、シート名やデータ、シートの種類などが一覧化されます。
- シートだけを抽出
Excelにはシート以外にも「テーブル」や「定義名」が含まれますが、ここでは純粋にシートのみを対象とします。
- 各シートのA1セルを読み取る
シートの左上(A1セル)の値を取得します。
列名が何であっても正しく読めるように、汎用的な方法で抽出しています。
- 指定したA1値でフィルタリング
関数の引数で指定した値(たとえば「A」や「B」)と一致するシートだけを残します。
- データ本体だけを残す
フィルタ後のシートの中から、実際のデータ部分(表の内容)だけを取り出します。
- データの整形
先頭の2行(A1・A2行)を除外し、3行目をヘッダー行として扱います。
すべての列を文字型に統一することで、異なるシートを安全に結合できるようにしています。
このとき、読み取りに失敗したシートは自動的に除外されます。
- エラー行の除去
処理できなかったシート(null値)はリストから取り除きます。
- シートの結合
残ったすべてのシートを1つのテーブルに結合します。
対象シートが1枚もなければ、空のテーブルを返します。
- 最終結果の返却
こうして完成したテーブルを関数の出力として返します。
Query_A
let
// 作成した関数に "A" を引数として渡す
Result = fn_CombineByA1Value("A")
in
ResultMコード解説
つまり、フォルダ内のすべてのExcelファイルから、A1セルが「A」と書かれたシートを集めて1つの表にまとめます。
結果は、Excelの「A」というシートに出力されます。
Query_B
let
// 作成した関数に "B" を引数として渡す
Result = fn_CombineByA1Value("B")
in
ResultMコード解説
関数に「B」を渡すことで、A1セルが「B」と書かれたシートだけを抽出して結合します。
結果は「B」シートに出力されます。
解答Mコード:Grokで作成
| クエリ名 | 役割 | 機能の概要 |
| BaseData | 入力データの基礎 | フォルダ内のExcelを読み込み、シートとA1セルの値を一覧化する |
| ProcessFunction | 共通処理関数 | A1の値でシートを選び、不要行を除き、ヘッダーを整えて結合する |
| A用クエリ | 実行クエリ(A) | A1セルが「A」のシートをまとめて出力する |
| B用クエリ | 実行クエリ(B) | A1セルが「B」のシートをまとめて出力する |
- 自動集計ができる:フォルダに新しいExcelファイルを追加するだけで、自動的に集計対象に含まれます。
- 柔軟な分類が可能:シート名やファイル名ではなく、A1セルの値で分類できるため、構成が自由です。
- 共通処理で保守が簡単:一度関数を定義すれば、「A」「B」「C」など異なる条件でも同じロジックを使い回せます。
- データの整形が明快:2行スキップ+3行目をヘッダーというルールが一貫しており、シート構造が多少違っても安定します。
- 型の統一でエラー防止:結合前にすべての列を文字型にしているため、異なる列型が混ざっても安全に処理できます。
- 構造がシンプルで見通しが良い:3層(基礎データ → 関数 → 実行)構成になっており、修正や拡張が容易です。
BaseData
let
FolderPath = Excel.CurrentWorkbook(){[Name="Settings"]}[Content]{0}[FullPath],
Source = Folder.Files(FolderPath),
Filtered = Table.SelectRows(Source, each [Extension] = ".xlsx"),
Workbook = Table.AddColumn(Filtered, "WB", each Excel.Workbook([Content])),
Expanded = Table.ExpandTableColumn(Workbook, "WB", {"Name", "Data"}, {"Sheet", "Data"}),
A1 = Table.AddColumn(Expanded, "A1", each [Data]{0}[Column1])
in
A1Mコード解説
目的は「指定フォルダ内のすべてのExcelファイルを読み込み、各シートのA1セルの値を取得する」ことです。
- フォルダパスを取得
Excelの「Settings」シートに書かれたパスを読み取り、対象のフォルダを決定します。
- フォルダ内のファイルを一覧化
指定フォルダにあるすべてのファイルを取得します。
- Excelファイルだけを残す
拡張子が「.xlsx」のファイルのみを対象とします。
- ファイルの中身を読み込む
それぞれのファイルを開き、含まれるシートのデータを取得します。
- シートを展開する
すべてのファイル・すべてのシートを1つの表として一覧化します。
- A1セルの値を取得
各シートの一番左上(A1セル)に書かれた値を読み取り、「A1」という列として追加します。
ProcessFunction
let
Process = (DataTable as table, FilterValue as text) =>
let
Filter = Table.SelectRows(DataTable, each [A1] = FilterValue),
Proc = Table.AddColumn(Filter, "ProcData", each Table.PromoteHeaders(Table.Skip([Data],2))),
Combined = Table.Combine(Proc[ProcData]),
Typed = Table.TransformColumnTypes(Combined, List.Transform(Table.ColumnNames(Combined), each {_, type text}))
in
Typed
in
ProcessMコード解説
指定したA1の値(たとえば「A」や「B」)に合致するシートだけを抽出し、きれいな形に整えて結合します。
- 引数を受け取る
1つ目の引数に基礎データ(BaseData)、2つ目の引数にA1セルで絞り込む値を指定します。
- A1値で絞り込み
指定した値と一致するシートだけを抽出します。
- 不要な行を除去
各シートの最初の2行をスキップし、3行目をヘッダー(列名)として扱います。
- すべてのシートを結合
条件に合う複数のシートを1つの大きな表にまとめます。
- 列の型を統一
すべての列を文字型に変換し、異なるシートでも安定して結合できるようにします。
この関数を使えば、異なるA1値に応じて同じ処理を簡単に再利用できます。
A用クエリ
ProcessFunction(BaseData, "A")
Mコード解説
ProcessFunctionに「BaseData」と「A」を渡して実行します。
結果として、複数ファイルに含まれる「A」シートの内容が1つにまとまります。
B用クエリ
ProcessFunction(BaseData, "B")
Mコード解説
ProcessFunctionに「BaseData」と「B」を渡して実行します。
フォルダ内の複数ファイルから、Bに該当するすべてのシートが集約されます。
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