最終行の判定、Rangeオブジェクトと配列、高速化の為に
最終行の判定
エクセル顧客管理 の記事からのスピンオフ記事になります。
以前に、モジュール「顧客一覧へ登録」において、
.Cells.SpecialCells(xlLastCell).End(xlUp).Row
と
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).).Row
を紹介しましたが、どちらも問題があります。

これでは、8行目になってしまいます。
.Cells.SpecialCells(xlLastCell)が、F12になりますので、その上の空白ではないセルになるからです。
これは、9行目になってしまいます。
Rows.Countはシートの全行数、つまり、B列の最終行から上の空白ではないセルになります。
.Cells.SpecialCells(xlLastCell)だけでも最終行は取得できます。
「顧客登録」へ移動して、新規登録を行う事もありえます。、
今後のトラブル対策と、勉強を兼ねて工夫してみましょう。
Function 最終行取得(ByVal sht As Worksheet) As Long
Dim ary As Variant
Dim i As Long, j As Long
ary = sht.Range(sht.Cells(1, 1), sht.Cells.SpecialCells(xlLastCell))
For i = UBound(ary, 1) To LBound(ary, 1) Step -1
For j = LBound(ary, 2) To UBound(ary, 2)
If ary(i, j) <> "" Then
最終行取得 = i
Exit Function
End If
Next j
Next i
End Function
簡単に説明します。
ここで、配列にRangeを代入しています。
この配列を下から空白以外のセルがでてくるまで、検索しています。
aryは2次元配列です。
Lboundは最小要素数を返す関数です。
Step -1は、1づつカウントダウンします。省略時は、Step 1になります。
やっている事は、使用されているセル範囲を下から空白セルを見つけているだけです。
今は、データ件数が少ないので気にならないと思いますが、数千、数万行になったとき、影響が出てきます。
処理速度を向上させる為に、このような記述にしています。
(ただし、今回程度の処理では、ほとんど実測出来るほどの違いは無いと思います。)
中級者以上の人の為に、もう少し説明します。
Dim i As Long, j As Long
Set rng = sht.Range(sht.Cells(1, 1), sht.Cells.SpecialCells(xlLastCell))
Do
For i = rng.Rows.Count To 1 Step -1
・・・
If rng(i, j) <> "" Then
・・・
しかし、あれ、これでは、直接セルを参照しているので、遅くなってしまうなー。
と考えて、上記に変更しました。
それは冗談ですが、Rangeオブジェクトを正しく理解するのは、結構難しいと思います。
そういう私も、時々、あれっ、どうなんだ?と考え込んでしまいますから。
従って、そのセルを直接操作していることと同じです。
はるかに高速です。たぶんですけど・・・実測してはいません。
まあ、長々と書きましたが、1つのテクニックとして覚えて下さい。
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