VBA技術解説
オブジェクトの探索方法(オートシェイプのTextを探して)

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
最終更新日:2020-03-31

オブジェクトの探索方法(オートシェイプのTextを探して)


VBAを書き進めて行くと、どうしてもオブジェクトの扱い時に分からないことがでてきます、
何が分からないかというと、オブジェクトの中の目的の要素をどのように指定したら良いのかということです、
オブジェクトの中を調べて、目的の要素にたどり着く方法を説明します。


ローカルウィンドウを主体に説明します。
イミディエイトウィンドウ、オブジェクトブラウザー、ヘルプも使います。

ローカルウィンドウの基本的な使い方は、
ローカルウィンドウの使い方
VBAのエディター、VBEにはいくつかのウィンドウがあります、その中で、ローカルウィンドウの使い方の説明です、これが使えないと、配列やオブジェクトを扱ったVBAのデバッグに困ることになります。サンプルコードは、以下の表を使っています。まずは、配列でのローカルウィンドウの使い方について。
VBEの使い方:ローカル ウィンドウ
VBE(VisualBasicEditor)は、VBAで使われるコードエディタ、コンパイラ、デバッガ、その他の開発支援ツールが統合された開発環境です。ここではローカルウィンドウの使い方について説明します。ローカルウィンドウの表示 メニュー「表示」→「イミィディエイトウィンドウ」初期設定では、コードウィンドウの下にドッキング表示されます。

こちら見てください。


オブジェクト探索の説明で使う例題

以下の例を使って説明します。
オートシェイプで、四角の中にテキストを書きました。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

これを、左端に番号順に並べます。
以下のように並べるという事です。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

分かってしまえば簡単なコードです。

Sub sample()
  Dim i As Long
  Dim sp As Shape
  Dim posTop As Single
  For i = 1 To 3
    For Each sp In ActiveSheet.Shapes
      If sp.TextFrame.Characters.Text = "TEST" & i Then
        sp.Top = posTop
        sp.Left = 0
        posTop = posTop + sp.Height
      End If
    Next
  Next
End Sub

もちろん、VBAの書き方はいろいろありますが、
いずれにしろ、たったこれだけです。
このようなオートシェイプをVBAで扱ったことが無いと、なにやら分からないことだらけではないでしょうか。

そもそも、
・オートシェイプを動かすには
・オートシェイプの文字を取得するには
分からないことだらけで、最初から、どうしたらよいのか途方に暮れます。

自動記録を使ってオートシェイプの概要を知る

そこで、誰もがやるであろう自動記録を使って、オートシェイプを動かしてみると、

Sub Macro1()
'
' Macro1 Macro
'

'
  ActiveSheet.Shapes.Range(Array("Rectangle 2")).Select
  Selection.ShapeRange.IncrementLeft -165
  Selection.ShapeRange.IncrementTop -57
End Sub

まず目にとまるのは、
Shapes
オートシェイプのオブジェクトらしいという事です。
このくらいの想像力はVBAをやるなら必要ですね。
そして、複数系なのでコレクションであろうことも理解してください。
Shapes以外は無視しましょう。
ShapeRangeやIncrementは、ちょっと想像しづらいですからひとまず置いときましょう。。

ここまでが分からない場合は、
ExcelマクロVBA入門
VBAはExcelの操作を自動化するマクロ機能で使われているプログラミング言語です。「VisualBasicApplications」の略になります。マクロVBA入門シリーズでは、始めはより詳しく丁寧に解説し、少しずつ難易度を上げることで無理なく学習を進められるようにしています。
こちらで勉強してください。
コレクションについては、
第58回.コレクションとは
同種のオブジェクトを複数まとめたものを「コレクション」と呼びます、コレクションもオブジェクトの一種です。例えば、Workbookオブジェクトが複数まとまったものは「Workbooksコレクション」Worksheetオブジェクトが複数まとまったものは「Worksheetsコレクション」オブジェクト名が単数形であるのに対し、

つまり、オートシェイプは、
Shapeオブジェクトであり、Shapesコレクションに含まれるという事ですね。
ここまで分かると、以下のコードが書けます。

Sub sample()
  Dim i As Long
  Dim sp As Shape
  Dim posTop As Single
  For i = 1 To 3
    For Each sp In ActiveSheet.Shapes
      
    Next
  Next
End Sub

ローカルウィンドウでオートシェイプのテキストを調べる

テキスト内の数字を1~3の順に並べる為に、数字順に処理しようという事ですが、
問題は、オートシェイプのテキストをどのように取得するかです。
Stopを入れて、停止させてみましょう。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

ここで、ローカルウィンドウを表示してみましょう。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

spを展開しましょう。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

かなり多くのメンバーがあり、どれがテキストなのか・・・
それでは、VBAを終了させて、あらためて自動記録でテキストを変更してみましょう。
"TEXT1"を"TEXT11"に変更してみます。

Sub Macro2()
'
' Macro2 Macro
'

'
  ActiveSheet.Shapes.Range(Array("Rectangle 2")).Select
  Selection.ShapeRange(1).TextFrame2.TextRange.Characters.Text = "TEST11"
  With Selection.ShapeRange(1).TextFrame2.TextRange.Characters(1, 6). _
    ParagraphFormat
    .FirstLineIndent = 0
    .Alignment = msoAlignLeft
  End With
  With Selection.ShapeRange(1).TextFrame2.TextRange.Characters(1, 6).Font
    .NameComplexScript = "+mn-cs"
    .NameFarEast = "+mn-ea"
    .Fill.Visible = msoTrue
    .Fill.ForeColor.ObjectThemeColor = msoThemeColorLight1
    .Fill.ForeColor.TintAndShade = 0
    .Fill.ForeColor.Brightness = 0
    .Fill.Transparency = 0
    .Fill.Solid
    .Size = 18
    .Name = "+mn-lt"
  End With
  Range("A1").Select
End Sub

"TEST11"と書かれている行をみてみると、
Selection.ShapeRange(1).TextFrame2.TextRange.Characters.Text = "TEST11"
何やら、

ShapeRange
TextFrame2
TextRange
Characters


このあたりを使うようです。
順に適当に和訳して、まずは適当に解釈して見当をつけます。

図形範囲
テキスト枠
テキスト範囲
文字列


この、適当に和訳して見当を付けるのが重要です。
いちいち全てを調べていたのでは、時間がいくらあっても足りません。
ShapeRangeはオートシェイプの集まり、つまりは、Shapesと同じようなものではないかと、
なので、無視して次へ(ここで気になる場合はググって調べましょう)
TextFrame2ここに核心のテキストがはいっていそうだと、このように目星をつけます。

では、TEST11をTEST1に戻しておいて、
最初のsampleを実行して、ローカルウィンドウでspの中を探してみましょう。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

TextFrame2の中に、先の自動記録で見つけた、
TextRangeがありました、これをさらに展開すると、

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

TEXTの値に、"TEST2"が見つかりました。
つまり、

sp.TextFrame2.TextRange.Text

これでオートシェイプ内のテキストを取得できそうです。
イミディエイトウィンドウで確かめてみると、

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

間違いなく取得できています。
このTextを文字列を判定すれば出来そうですね。

オートシェイプの位置移動について

次は、オートシェイプの位置の移動です。
最初の自動記録では、

Selection.ShapeRange.IncrementLeft -165
Selection.ShapeRange.IncrementTop -57

Increment(増加、増大と言った英単語)がどうもそのようなのですが・・・
ここは、慣れと事前知識が必要かもしれません。
Incrementなので、場所を特定しているのではなく、現在位置からの移動量を指定しているのだろうと推測できるのです。
IncrementLeftで左位置の移動、IncrementTopで上位置の移動
移動量だからIncrementが付く、だったらIncrementを付けずに、Left、Topでよくねー・・・
のようなノリで調べてみると良いでしょう。
ローカルウィンドウでspの中を探してみましょう。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

ありますね、LeftTop
しかも数値をみれば、絶対位置であることも想像できるでしょう。
ここまで調べたら、ヘルプ(MSのVBAリファレンス)も使いましょう。
「vba shape top」このような感じでぐぐってみると良いでしょう。

図形範囲の最前面にある図形の上端から、ワークシートの上端までの距離をポイント単位で表す単精度浮動小数点型 (single) の値を取得、または設定します。

まさにこれで間違いがないことが分かりますし、数値はポイントであることも分かります。

VBAを完成させる

以上をもとにVBAコードを完成させると、

Sub sample()
  Dim i As Long
  Dim sp As Shape
  Dim posTop As Single
  For i = 1 To 3
    For Each sp In ActiveSheet.Shapes
      If sp.TextFrame2.TextRange.Text = "TEST" & i Then
        sp.Top = posTop
        sp.Left = 0
        posTop = posTop + sp.Height
      End If
    Next
  Next
End Sub

あれれ、最初のVBAコードと何やら少し違う・・・

最初のコードは、
If sp.TextFrame.Characters.Text = "TEST" & i Then
最後のコードは、
If sp.TextFrame2.TextRange.Text = "TEST" & i Then

先に解説しますと、
TextFrame2は、Excel2007で追加されたプロパティで、
TextFrameは、それ以前からあるプロパティです。
どちらでも、結果は同じです。

オブジェクトブラウザーを使いさらにオブジェクトを調べる

では、
sp.TextFrame.Characters.Text
このコードにはどのようにたどり着いたら良いでしょうか。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

どうも、TextCharacterといったキーワードが見当たりません。
ローカルウィンドウの使い方
こちらに書きましたが、ローカルウィンドウのメンバーにはすべてが表示されているわけではありません。
そこで、
オブジェクトブラウザー(F2)を見てみましょう。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

ありました、
Characters
これっぽいですよね、
慣れてくれば、VBEのインテリセンス(候補表示)で見つけられるようになり、
さらに、その下の.Textも簡単に見つけられます。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

しかし、もっと階層のあるオブジェクトの場合、インテリセンス(候補表示)だけではなかなか探せない時もあります。
そんな時は、判明したオブジェクトを一旦オブジェクト変数にいれて、ローカルウィンドウを見ます

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

オブジェクトを調べたいので、オブジェクトの型は汎用のObjectにします。
大抵はプロパティ名と同じですが、調べるだけなのでObjectで十分でしょう。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方

確かに、Textがありました。
Fontもありますね。
Captionにも同じ"TEST2"がありますが、今回の場合はTextでよいでしょう。

このようにオブジェクトを探索できるようになれば、どんなオブジェクトでも自分で調べて自在にVBAを書くことができるようになります。

ローカルウィンドウ、イミディエイトウィンドウ、オブジェクトブラウザー、ヘルプ
これがあれば何も要らない

ウォッチウィンドウについて

今回は、ローカルウィンドウを中心に説明しましたが、適宜ウォッチウィンドウも使って、効率的に調べるようにしてください。

VBEの使い方:ウォッチ ウィンドウ
VBE(VisualBasicEditor)は、VBAで使われるコードエディタ、コンパイラ、デバッガ、その他の開発支援ツールが統合された開発環境です。ここではウォッチウィンドウの使い方について説明します。ウォッチウィンドウの表示 メニュー「表示」→「ウォッチウィンドウ」初期設定では、コードウィンドウの下にドッキング表示されます。

マクロ VBA オブジェクト 調べ方



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