文字列のプロパティ名でオブジェクトを操作する方法
ツイッターで拝見したお題で、プロパティ名を引数の文字列で指定する方法についての参考VBAです。
例えば条件付き書式は、
Range → FormatConditions → FormatConditions(1) → Interior → Color
オブジェクトをこのように辿りますが、
"FormatConditions"、"Interior"、"Color"
これらを文字列で指定できるようにします。
CallByName関数
引数 | 内容 | |||||||||||||||
object | 必ず指定します。 バリアント型およびオブジェクト型のいずれかを指定できます。 この関数の実行対象となるオブジェクトの名前を指定します。 |
|||||||||||||||
procname | 必ず指定します。 バリアント型および文字列型のいずれかを指定できます。 オブジェクトのプロパティ名およびメソッド名を含む文字列式を指定します。 |
|||||||||||||||
calltype | 必ず指定します。 定数値を指定します。 呼び出されるプロシージャの種類を表すvbCallTypeのメンバを指定します。
|
|||||||||||||||
args() | 省略可能です。 バリアント型および配列を指定できます。 |
戻り値は、実行したメソッドまたはプロパティの取得値になります。
第1引数はobjectなので、標準モジュールのプロシージャーをCallByName関数で実行することはできません。
使用例
Propertyについて
第140回.Property {Get|Let|Set} ステートメント|VBA入門
文字列のプロパティ名でオブジェクトを操作するVBAサンプル
'CallByNameを使って文字列のプロパティ名でオブジェクトを取得
Property Get CustomProperty(aObj, aProperty)
On Error Resume Next
Set CustomProperty = CallByName(aObj, aProperty, VbGet)
If Err.Number = 0 Then Exit Property
CustomProperty = CallByName(aObj, aProperty, VbGet)
End Property
'Let Propertyの最後の引数が設定する値になります
Property Let CustomProperty(aObj, aProperty, aValue)
CallByName aObj, aProperty, VbLet, aValue
End Property
用意するものはこの2つのプロパテイです。
置き場所は何処でも良いですが、標準モジュールで良いでしょう。
これはオブジェクトと単一値(スカラー値)の両方に対応しています。
単一値のプロパテイへの値の設定と取得です。
Sub sample1()
Dim rng: Set rng = Range("A1")
CustomProperty(rng, "Value") = 99
MsgBox CustomProperty(rng, "Value")
End Sub
次は、オブジェクトの階層が少し複雑になっているプロパティを扱うサンプルになります。
条件付き書式のオブジェクトを順に辿ります。
Range → FormatConditions → FormatConditions(1) → Interior → Color
Sub sample()
Dim rng: Set rng = Range("A1")
'サンプルとして条件付き書式を設定
With rng.FormatConditions
.Delete
With .Add(Type:=xlExpression, Formula1:="=A1=1")
.Interior.Color = 255
End With
End With
'FormatConditionsコレクションを取得
Dim obj1: Set obj1 = CustomProperty(rng, "FormatConditions")
'コレクションのIndexを指定してFormatConditionを特定
Dim obj2: Set obj2 = obj1(1)
'FormatConditionのInteriorオブジェクトを取得
Dim obj3: Set obj3 = CustomProperty(obj2, "Interior")
'Interiorオブジェクトの"Color"にvbBlueを設定
CustomProperty(obj3, "Color") = vbBlue
End Sub
あまり実用性があるとも思えませんが、
CallByName
Property
これらを理解する学習素材として取り組んでみてもよいかもしれません。
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