セル個数を返すRange.CountLargeプロパティとは
VBAにおいて最も良く使われるオブジェクトはRangeオブジェクトなのはいうまでもないですね。
このRangeオブジェクトには多数のプロバティが用意されています。
Rangeオブジェクトに含まれるセルの個数を取得できるプロパティは2つあります。
Count
CountLarge
第18回.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
では、もう一つの CountLargeとは何か・・・
CountとCountLargeを順に見ていくことにしましょう。
Countプロバティ

Longなので値の範囲は、
-2,147,483,648 ~ 2,147,483,647
行数:65,536
列数:256
つまりシートの全セル数は16,777,216
Long型に入る数値範囲です。

CountLargeプロバティ

Variantなので値の範囲は、、、VBAが扱える範囲なら何でも入ります。
行数:1,048,576
列数:16,384
つまりシートの全セル数は17,179,869,184
Long型には入りきらない数値です。

Variant/LongLong
このようになっています。
※LongLongについては後述します。
v = Cells.Count
これで実行すると、オーバーフローしてしまいます。

普通は限られた範囲のRangeオブジェクトのセル数を取得することになると思います。
限られた範囲であれば、Countでも大抵の場合は問題ありません。
CountはLongなので21億まで入りますので、普通は問題ありません。
しかし、列全部のセル数となると列数が多くなってくるとオーバーフローしてしまいます。
具体的には、
1048576*2048=2,147,483,648
これでLongでは1オーバーしてしまう大きさとなります。
LongLong型について
64ビット符号付き数値で、
-9223372036854775808 ~ 9223372036854775807
※64ビットプラットフォームのみで有効な宣言型です。
32ビットのExcelではサポートされないデータ型になりますので、32ビットでは、

32ビットExcelでxlsxのシートの全セル数を取得したらどうなるのか・・・
※CountLargeプロパティは32ビットExcelでも存在します。


Variantの1形式として扱う事は出来ますので、Variantに入れさえすれば計算に使ったり普通に扱うぶんには困る事はありません。

LongPtrについて
LongPtrは、32 ビット環境と64 ビット環境で それぞれ以下に変換されます。
32ビットシステムでは、符号付き32ビット (4 バイト) の数値、つまりLong
64ビットシステムでは、符号付き64ビット (8 バイト) の数値、つまりLongLong
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