エクセル関数応用
複数条件で検索し、複数データを取得する方法

Excel関数の解説、関数サンプルと高等テクニック
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2013-06-09

複数条件で検索し、複数データを取得する方法


各種条件でデータを絞る場合は、オートフィルタが一般的に使用されますが、
元のデータがあるシートで作業する為、間違ってデータを消してしまったり、使用する上で制約があります。


また、VLOOKUPでは、単一条件のみであり、しかも1件しか取得できません。

DGETでも1件しか扱えません。

これらの問題を解決する為の方法です。

IF関数
ISERROR関数
COUNTIF関数
ROW関数
SMALL関数
MATCH関数
INDEX関数


これらの関数を配列関数として組み込みます。

以下の表で説明します。

エクセル Excel サンプル画像
エクセル Excel サンプル画像


シート「データ」のデータを、シート「検索」2行目の指定条件で取得し、5行目以降に表示します。


「姓」「名」は完全一致、住所は部分一致で検索します。

シート「データ」に作業列を作成

  1. セルD2を選択
  2. =IF(検索!$A$2<>"",IF($A2=検索!$A$2,1,0),1)*IF(検索!$B$2<>"",IF($B2=検索!$B$2,1,0),1)*IF(検索!$C$2<>"",IF(ISERROR(FIND(検索!$C$2,$C9)),0,1))
  3. D3以降に、D2の数式をコピーする。
IF(ISERROR(FIND(検索!$C$2,$C9)),0,1)は、,IF(COUNTIF(C2,"*" & 検索!$C$2 & "*")>0,1,0))でも良い。

IF(検索!$A$2<>"",・・・で、条件が指定されている項目のみ条件対象としています。
また、住所は部分一致で検索する為、FINDまたはCOUNTIFを使用します。

これで、検索対象は「1」、対象外は「0」となります。
各関数の使用方法は、ヘルプを参照して下さい。

シート「検索」に数式を設定

  1. セルA5を選択
  2. {=IF(COUNTIF(データ!$D$2:$D$10,1)<ROW(データ!$A1),"",INDEX(データ!$A$2:$C$10,SMALL(IF(データ!$D$2:$D$10=1,ROW(データ!$A$2:$A$10)-1),ROW(データ!$A1)),MATCH(A$4,データ!$A$1:$C$1,0)))}
    {}を入力し、Ctrl+Shift+Enter。配列数式の
  3. A5の数式をB5,C5にコピーする。
  4. A5:C5の数式を6行目以降に、必要行数までコピーする。

以上で完成です。


シート「検索」のA2:C2に入力した条件で、5行目以降に複数データが表示されます。

まず、IF(COUNTIF(データ!$D$2:$D$10,1)<ROW(データ!$A1),"",・・・で、取得件数以上の行は空白にしています。

INDEXは、INDEX(配列,行番号,列番号)で、配列の中の行番号列番号で指定される要素を返します。

配列=データ!$A$2:$C$10
行番号=SMALL(IF(データ!$D$2:$D$10=1,ROW(データ!$A$2:$A$10)-1),ROW(データ!$A1))
列番号=MATCH(A$4,データ!$A$1:$C$1,0)

配列は、
シート「データ」のデータ範囲です。

行番号は、
SMALL(範囲,順位)で、範囲のなかで指定の順位に小さい値を返します。
また、ROW(データ!$A1)は5行目なら1、6行目はA2になるので2となります。
つまり、シート「データ」のD列が1の中から、1番目、2番目と、順にデータを取得しています。
さらに、IF(データ!$D$2:$D$10=1,・・・の部分が配列を使用していますので、配列数式として入力します。

列番号は、
MATCH(検査値, 検査範囲, 照合の型)で、検査値検査範囲の中で何番目にあるかを返す関数です。
シート「検索」の4行目の項目名でシート「データ」の項目名の位置を探し、その列のデータを取得するようにしています。

単一条件なら、作業列がなくてもできますが、複数条件の場合は、作業列を使用することで、変更しやすくなります。


また、作業列をさらに増やしたりすれば、シート「検索」の数式ももっと簡単にすることができます。

ここでは、いろいろなテクニックの紹介ということで、現実的で、極端に難しくない程度の数式になるようにしています。


ここで使用したエクセルのサンプルです。

はっきり言って、結構面倒です。

オートフィルタで済むならそれに越したことはありません。

また、マクロを使用すれば、さらに細かい指定も可能ですし、保守性も良いと思います。

ただ、関数を組み合わせることで、こんなこともできるという例とお考えください。



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