エクセル関数応用
誕生日一覧から、指定誕生月の人を全員取り出す

Excel関数の解説、関数サンプルと高等テクニック
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2013-06-09

誕生日一覧から、指定誕生月の人を全員取り出す


配列数式を使って、誕生日が指定月の該当者全員を取り出します。


各種条件でデータを絞る場合は、オートフィルタが一般的に使用されますが、
日付の中の、月だけの指定になると、お手上げです。
(出来ない事はありませんが、かなり面倒です。)

以下では、配列数式を使って、誕生日が指定月の該当者全員を取り出します。

複数条件で検索し、複数データを取得する方法
各種条件でデータを絞る場合は、オートフィルタが一般的に使用されますが、元のデータがあるシートで作業する為、間違ってデータを消してしまったり、使用する上で制約があります。また、VLOOKUPでは、単一条件のみであり、しかも1件しか取得できません。
の応用編です。

以下の表で説明します。

エクセル Excel サンプル画像


セルD2に、対象月を数値で指定します。


数式の設定方法です。

  1. セルD4を選択
  2. {=IF(ISERROR(SMALL(IF(MONTH($B$2:$B$11)=$D$2,ROW($A$1:$A$10)),ROW($A1))),"",INDEX($A$2:$A$11,SMALL(IF(MONTH($B$2:$B$11)=$D$2,ROW($A$1:$A$10)),ROW($A1))))}
    {}を除いた部分を入力し、Ctrl+Shift+Enter。{}が付加され配列数式になります。
  3. D4の数式を5行目以降に、必要行数までコピーする。

以上で完成です。


INDEXは、INDEX(配列,行番号,列番号)で、配列の中の行番号列番号で指定される要素を返します。

配列=データ!$A$2:$A$11
行番号=SMALL(IF(MONTH($B$2:$B$11)=$D$2,ROW($A$1:$A$10)))
列番号は1列なので省略しています。

行番号は、
SMALL(範囲,順位)で、範囲のなかで指定の順位に小さい値を返します。
また、ROW(データ!$A1)は2行目なら1、3行目はA2になるので2となります。
つまり、B列の月が一致する中から、1番目、2番目と、順にデータを取得しています。
さらに、IF(MONTH($B$2:$B$11)=$D$2・・・の部分が配列を使用していますので、配列数式として入力します。

前半の、IF(ISERROR(SMALL(IF(MONTH($B$2:$B$11)=$D$2,ROW($A$1:$A$10)),ROW($A1))),"",・・・
は、該当件数以上の場合は、""にする為のIF文です。
COUNTIFにMONTHを組みこめなかったので、このようにしています。

ここで使用したエクセルのサンプルです。


はっきり言って、結構面倒です。

作業列を作成すれば、ずっと簡単な数式になりますし、理解しやすくなります。

ただ、関数を組み合わせることで、こんなこともできるという例とお考えください。



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