ツイッター出題回答
Rangeオブジェクトを受け取り"行数,列数"で埋める

ExcelマクロVBAとエクセル関数についての私的雑感
最終更新日:2020-10-16

Rangeオブジェクトを受け取り"行数,列数"で埋める


ツイッターで出したエクセルVBAのお題です。


Rangeオブジェクトを受け取り、"行数,列数"の値(数式ではなく値)で埋めるVBAを書く問題です。


問題を出したツイート

【VBAお題】
Rangeオブジェクトを受け取り、
添付のように"行数,列数"の値(数式ではなく値)で埋めてください。
例.
Call setRowCol(Range("A1:C5"))
このプロシージャーの作成です。
※裏お題
より少ないステートメント数に挑戦。
もちろん最小は1ステートメント。

VBA マクロ Rangeを受け取り行数,列数で埋める
https://twitter.com/yamaoka_ss/status/1316964040531378177


行・列は絶対位置で指定してください。
Call setRowCol(Range("B3:D5"))
これで添付のようにします。

VBA マクロ Rangeを受け取り行数,列数で埋める
https://twitter.com/yamaoka_ss/status/1316991128571269121


お寄せいただいた回答

以下はツイッターの検索で、元のツイートが引用されているツイートを検索したものです。
頂いた回答は、こちらの検索結果からご覧ください。

https://twitter.com/search?lang=ja&q=https%3A%2F%2Ftwitter.com%2Fyamaoka_ss%2Fstatus%2F1316964040531378177&src=typed_query

大別すると

・For EachでRangeオブジェクトを順に処理
・セルに数式を入れてから値をコピーし直す
・Evaluateで一括処理

以下でも3通りの解答を掲載しておきます。


用意した解答

For EachでRangeオブジェクトを順に処理

まずは普通にFar Eachで、

Sub setRowCol(rng)
  Dim r As Range
  For Each r In rng
    r = r.Row & "," & r.Column
  Next
End Sub 

VBAを始めたばかりの人は、まずはこれがさっと書けるようになりましょう。
ここで注意したいのは、データ型とデフォルトプロパティです。
Dim r As Range
このようにRangeで型指定しているので、代入時点では.Valueは省略できます。
もし、
Dim r
このように型を指定せずにVariantにするなら、
r.Valueが必要になります。
もちろん、Range型で指定した上で.Valueを指定すれば一番良いです。

この方法は基本ですので、まずはこれが書けるようになっておく必要はあります。
ただし、このように1つずつセル値を入れる方法はセル数が増えると処理時間がかかってしまいます。
扱う表が大きい場合は、以下のように一括で処理する方法を考えましょう。

セルに数式を入れてから値をコピーし直す

セルに数式を入れてからValueを入れ直します。

Sub setRowCol(rng As Range)
  rng = "=ROW()&"",""&COLUMN()"
  rng.Value = rng.Value
End Sub

シートで、
=ROW()&","&COLUMN()
このように入れれば、当該セルに行,列が出力されます。
この数式をセル範囲に一括で入れています。
そして、その範囲を
.Value= .Value
これで値だけにしています。

上の1つずつセルを入れる処理に比べて格段に高速に動作します。

Evaluateで一括処理

Evaluateで一括で入れます。

Sub setRowCo3(rng As Range)
  rng = Evaluate("ROW(" & rng.Address & ")&"",""&COLUMN(" & rng.Address & ")")
End Sub

Evaluateの詳細については以下を参照してください。
Evaluateメソッド(文字列の数式を実行します)|VBA技術解説
Evaluateメソッドは、Excelで使用する名前をオブジェクトまたは値に変換します。簡単に説明すれば、セルに入れる数式を文字列としてVBAで実行できます。Evaluateメソッドの構文 式.Evaluate(name) 式には以下が指定できます。
ROWもCOLUMNも引数を省略すると、入力した当該セルの行・列になりますが、
引数にセル範囲を指定すれば、指定されたセル範囲の情報を返します。
=ROW(A1:C5)&","&COLUMN(A1:C5)
スピルするエクセルなら、これで当該範囲に出力されます。

VBA マクロ Rangeを受け取り行数,列数で埋める

Evaluateでこの数式を処理すると配列が返されます。
配列は、そのまま同じ大きさのセル範囲のValueに入れることができます。
それが上のVBAになります。

1,000列以上の時のカンマズレ対応

さて、以上で良いはずなのですが、列数が100を超えるとカンマ付き数字となってしまいます。
VBA マクロ Rangeを受け取り行数,列数で埋める

それでも、見た目は正しくカンマが付いていますし、Textプロパティでカンマ付きで取得できますので、ぎりぎりセーフでしょうか。
しかし、列数が1,000を超えてくると、カンマの位置がずれてしまいます。
VBA マクロ Rangeを受け取り行数,列数で埋める

このように本来の仕様を満たさなくなってしまいます。
まあ、1,000列以上なんて滅多にありませんが、このような場合を想定した対処方法になります。
これには、先頭に'(シングルクォート)を付けて文字列として出力します。

Sub setRowCol(rng As Range)
  rng = Evaluate("""'""&ROW(" & rng.Address & ")&"",""&COLUMN(" & rng.Address & ")")
End Sub
VBA マクロ Rangeを受け取り行数,列数で埋める

出力セル範囲を文字列書式にしておくという方法でもよいです。




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