第75回.名前を付けて保存ダイアログ(GetSaveAsFilename)
VBAで保存するExcelファイルの保存先フォルダとファイル名をあらかじめ決めておけない場合は、
ユーザーに保存先フォルダとファイル名を指定してもらう必要があります。
ApplicationオブジェクトのGetSaveAsFilenameメソッドを使い、
[名前を付けて保存] ダイアログボックスを表示させます。
GetSaveAsFilenameメソッド
[名前を付けて保存] ダイアログボックスを表示して、ユーザーにフォルダとファイル名を指定してもらいます。
InitialFilename | 既定値として表示するファイル名を指定します。 この引数を省略すると、作業中のブックの名前が使われます。 |
FileFilter | ファイルの候補を指定する文字列 (ファイル フィルター文字列) を指定します。 |
FilterIndex | 引数 FileFilter で指定したファイル フィルター文字列の中で、1 から何番目の値を既定値とするかを指定します。 この引数を省略するか、ファイル フィルター文字列の数より大きい数値を指定すると、最初のファイル フィルター文字列が既定値となります。 |
Title | ダイアログ ボックスのタイトルを指定します。 この引数を省略すると既定のタイトルが使用されます。 |
ButtonText | Macintosh でのみ指定できます。 |
戻り値
選択したファイルのフルパスが文字列で戻ります。
ファイルを選択しなかった場合は、Falseが戻ります。
ファイル フィルター文字列とワイルドカードはコンマ (,) で区切り、各ペアもコンマで区切って指定します。
1つのファイル フィルター文字列に複数のワイルドカードを対応させるには、各ワイルドカードをセミコロン (;) で区切ります。
文章では理解しづらい部分は、以下の使用例を参考にして下さい。
GetSaveAsFilenameの使用例
Excelファイルの拡張子として、xls,xlsx,xlsmの3つを指定しています。
エクセルファイルとして、拡張子が xls , xlsx , xlsm を全て指定するために、xls* としています。
そして、2番目のフィルターとして、CSVファィルを指定しています。
GetSaveAsFilenameの実践例
Sub sample1()
Dim FileName As Variant
FileName =
Application.GetSaveAsFilename(InitialFileName:="規定の名称.xls",
FileFilter:="Excelファイル,*.xls*")
If FileName = False Then
Exit
Sub
End If
ActiveWorkbook.SaveAs FileName
End
Sub
ダイアログでエクセルファイルを指定し、そのファイル名で保存しています。
以下をお読みください。
GetSaveAsFilenameの初期フォルダーの指定
これを変更する場合は、ChDir "フォルダ"
これを事前に実行するようにします。
または、
InitialFileNameをフルパスで指定することでも可能です。
InitialFilenameの仕様について
実践例の
Sub sample1()
Dim FileName As Variant
FileName = Application.GetSaveAsFilename(InitialFileName:="規定の名称.xls", FileFilter:="Excelファイル,*.xls*")
If FileName = False Then
Exit
Sub
End If
ActiveWorkbook.SaveAs FileName
End
Sub
これでは、ダイアログのファイル名に名称が入りません。
これは、Excel2007以降の仕様のようです。
Sub sample2()
Dim FileName As Variant
FileName = Application.GetSaveAsFilename(InitialFileName:="規定の名称.xlsx", FileFilter:="Excelファイル,*.xlsx")
If FileName = False Then
Exit
Sub
End If
ActiveWorkbook.SaveAs FileName
End
Sub
上記のVBAコードように、
InitialFileNameの拡張子とFileFilterの拡張子を一致させてください。
FileFilterの拡張子を指定しないと、ファイル名に名称が入りません。
InitialFileNameの拡張子は、FilterIndexで指定されている拡張子にします。
Sub sample3()
Dim FileName As Variant
FileName = Application.GetSaveAsFilename( _
InitialFileName:="規定の名称.xlsx", _
FileFilter:="Excel2003以前,*.xls,Excelファイル,*.xlsx,Excelマクロブック,*.xlsm", _
FilterIndex:=2)
If FileName = False Then
Exit Sub
End If
ActiveWorkbook.SaveAs FileName
End Sub
GetSaveAsFilenameの最後に
出力ファイルは、決められたフォルダに決められたファイル名で保存した方が望ましいでしょう。
例えば、
名称の一部に、処理日付をYYYYMMDD形式にした文字列を付加することはVBAでは簡単に実現できます。
決め事がない場合や、決め事があってもそれをVBAとして処理出来ないような場合に限って使用すると良いでしょう。
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