第109回.列挙型(列挙体)Enum
列挙体は、数値限定のConst定数をひとまとめにして参照しやすくしたものになります。
マクロVBAの中で、意味を持つ固定数値を直接記述することは、マジックナンバーとも呼ばれメンテナンス性がとても悪いものになってしまいます
そもそも列位置3(C列)は何かという事がVBAコードから読み取れません。
そして、これが列位置4(D列)、列位置5(E列)、・・・と何列にも及んでいたら・・・
Enum(列挙型)を使用することで可読性の良いVBAコードになります。
Enumステートメント
Enumステートメントを宣言セクションに記述して使用します。
membername [= constantexpression]
membername [= constantexpression]
・・・
End Enum
Public | 省略可能です。 列挙型 (Enum) が、プロジェクト全体から参照可能であることを指定します。 列挙型の既定値は、Public です。 |
Private | 省略可能です。 列挙型 (Enum) が、宣言されているモジュール内でのみ参照可能であることを指定します。 |
name | 必ず指定します。 列挙型 (Enum) の名前を指定します。 引数 name は Visual Basic において有効な識別子でなければなりません。 この名前は、列挙型の変数またはパラメータの宣言において、データ型として指定されます。 |
membername | 必ず指定します。 定数の名前を指定する Visual Basic において有効な識別子です。 この名前により、列挙型 (Enum) の構成要素であることが認識されます。 |
constantexpression | 省略可能です。 長整数型 (Long) として評価される、要素の値を指定します。 ほかの列挙型 (Enum) と同じ値も指定できます。 先頭を指定しないと、0が割り当てられます。 2番目以降を指定しないと、直前の値の+1が割り当てられます。 |
Enum ステートメントは、モジュール レベルでのみ記述できます。
正の値と負の値のどちらでも含むことができます。
変更する必要がない複数値をグループ化するときは、とても効率的です。
列挙型 (Enum) の名前まで入力すると、メンバーが自動表示されます。
これにより、コーディングが楽になり、また、可読性も向上します。
Enum enumSample
a1 '0
a2 'a1+1=1
a3 = 11
a4 'a3+1=12
a5 'a4+1=13
End Enum
列挙型(Enumステートメント)の使用例
Enum 列位置
A列 = 1
B列 = 2
C列 = 3
End Enum
Enum 支店番号
A支店 = 101
b支店 = 102
c支店 = 103
End Enum
Sub sample()
Cells(1, 列位置.A列) = 支店番号.A支店
Cells(1, 列位置.B列) = 支店番号.b支店
Cells(1, 列位置.C列) = 支店番号.c支店
End Sub
使い方はいろいろです。
正数値で、グループ化出来る場合は、ConstではなくEnumを使った方がより効率的なコーディングが可能になります。

列挙型(Enumステートメント)の活用について
しかし、後々に修正する必要が出たとき、列位置の数値がどこで指定されているかを探すことは、とても大変な作業になります。
数値の2を3に変更するためには、2を検索したとしても、検索された2が列数なのか行数なのか、、、
ひとつずつ前後のVBAコードの確認が必要になります。
これらを全て正しく変更することは、多大な時間を要することになります。
そして、インテリセンスによって非常に効率的にVBAを書くこともできます。
このようにとても便利な機能ですので、ぜひ列挙体を活用してみてください。
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