VBA技術解説
特殊フォルダの取得(WScript.Shell,SpecialFolders)

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
最終更新日:2021-02-17

特殊フォルダの取得(WScript.Shell,SpecialFolders)

デスクトップのフォルダ、スタートメニューのフォルダ、個人用ドキュメントのフォルダなど、
Windows の特殊フォルダを取得するには、
ネイティブのWindowsシェルへのアクセスを提供するWScript.ShellのSpecialFoldersプロパティを使用します。


CreateObject関数で作成したWscript.ShellのSpecialFoldersプロパティで、
特殊フォルダを示す文字列を引数に指定して特殊フォルダを取得します。


WScript.Shell

WScript.Shellを使うには、
CreateObject関数(ActiveXオブジェクトへの参照を作成して返す)を使います。
・CreateObject関数の構文 ・CreateObjectの解説 ・CreateObject関数の使用例 ・GetObject関数

Dim wsh As Object
Set wsh = CreateObject("Wscript.Shell")
または、
「Windows Script Host Object Model」を参照設定して、
Dim wsh As New WshShell

WScript.Shellのプロパティ一覧

プロパティ 説明
CurrentDirectory 現在アクティブになっているディレクトリを取得または変更します。
Environment WshEnvironment オブジェクト (環境変数のコレクション) を返します。
SpecialFolders SpecialFolders オブジェクト (特殊フォルダのコレクション) を返します。


WScript.Shellのメソッド一覧

メソッド 説明
AppActivate アプリケーション ウィンドウをアクティブにします。
CreateShortcut ショートカットまたは URL ショートカットへのオブジェクト参照を作成します。
Exec 子コマンドシェルでアプリケーションを実行します。アプリケーションから StdIn/StdOut/StdErr ストリームにアクセスできます。
ExpandEnvironmentStrings 環境変数を展開した値を返します。
LogEvent イベント エントリをログ ファイルに追加します。
Popup ポップアップ メッセージ ボックスにテキストを表示します。
RegDelete レジストリから指定されたキーまたは値を削除します。
RegRead レジストリ内のキー名または値名の値を返します。
RegWrite 新しいキーの作成、新しい値名の既存キーへの追加 (および値の設定)、既存の値名の値変更などを行います。
Run 新しいプロセス内でプログラムを実行します。
SendKeys キーボードから入力したときのように、1 つ以上のキー ストロークをアクティブなウィンドウに送ります。


※各プロパティ・メソッドの詳細について
VBAで通常使われるのは、SpecialFoldersプロパティくらいでしょう。
以下では、SpecialFolders プロパティ の解説をしています。

他のプロパティ・メソッドの詳細については、MSDNの、
WshShell オブジェクトのプロパティとメソッド
こちらを参照してください。


SpecialFolders プロパティ

SpecialFoldersはWshSpecialFoldersオブジェクトのコレクションです。
このオブジェクトには、
デスクトップのフォルダ、[スタート] メニューのフォルダ、個人用ドキュメントのフォルダなど、
Windowsの特殊フォルダ セット全体が格納されます。

目的の特殊フォルダを取得するには、列挙値またはフォルダ文字列をコレクション内のインデックスとして使用します。
要求したフォルダを使用できない場合は、NULL が返されます。

列挙値 フォルダ文字列 説明 一般的Windows10の具体的なフォルダ
0 AllUsersDesktop すべてのユーザーに共通のデスクトップ C:\Users\Public\Desktop
1 AllUsersStartMenu すべてのユーザーに共通のプログラムメニュー C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu
2 AllUsersPrograms すべてのユーザーに共通の全てのプログラム C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs
3 AllUsersStartup すべてのユーザーに共通のスタートアップ C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\StartUp
4 Desktop デスクトップ C:\Users\[username]\Desktop
5 AppData ログインユーザーのアプリ用データ C:\Users\[username]\AppData\Roaming
6 PrintHood プリンタフォルダ C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Printer Shortcuts
7 Templates 新規作成のテンプレート C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Templates
8 Fonts インストールされているフォント C:\Windows\Fonts
9 NetHood ネットワークに表示される共有フォルダの情報 C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Network Shortcuts
10 Desktop デスクトップ C:\Users\[username]\Desktop
11 StartMenu スタートメニュー C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu
12 SendTo 送るメニュー C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\SendTo
13 Recent 最近使ったファイル C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Recent
14 Startup ログインユーザーのスタートアップ C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
15 Favorites お気に入り C:\Users\[username]\Favorites
16 MyDocuments マイドキュメント C:\Users\[username]\Documents
17 Programs ログインユーザーのプログラムメニュー C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs


WshShellのSpecialFoldersのマクロVBA使用例

まずデスクトップのフォルダを取得する場合です。

Sub デスクトップの取得()
  Dim wsh As Variant
  Set wsh = CreateObject("Wscript.Shell")
  MsgBox wsh.SpecialFolders("Desktop")
  'MsgBox wsh.SpecialFolders(4)
  Set wsh = Nothing
End Sub

"Desktop"と4のどちらで指定しても同じ結果を取得できます。
4の指定において"4"と指定してしまうと取得できません。

以下では、少し汎用的なFunctionプロシージャーを作成して、
・すべてのユーザーに共通のデスクトップ
・送るメニュー
・マイドキュメント
これらを取得して、イミィディエイト ウインドウに表示しています。

Sub sample()
  Debug.Print getSpecialFolder("Desktop")
  Debug.Print getSpecialFolder("MyDocuments")
  Debug.Print getSpecialFolder(4)
  Debug.Print getSpecialFolder("16")
End Sub

Function getSpecialFolder(ByVal vFolder As Variant)
  Dim wsh As Object
  Set wsh = CreateObject("Wscript.Shell")
  If IsNumeric(vFolder) Then
    getSpecialFolder = wsh.SpecialFolders(CLng(vFolder))
  Else
    getSpecialFolder = wsh.SpecialFolders(CStr(vFolder))
  End If
  Set wsh = Nothing
End Function

数値列挙でも文字列でも、どちらでも取得できるようにしています。
CStr(vFolder)の部分は、& ""や()で代用することもできます。

上記VBAは記事掲載後に列挙でも指定できるように変更したものです。

変更前の記述
Sub sample()
  Dim sFolder As String
  Debug.Print getSpecialFolder("Desktop")
  Debug.Print getSpecialFolder("MyDocuments")
  Debug.Print getSpecialFolder("SendTo")
End Sub

Function getSpecialFolder(ByVal strFolder As String)
  Dim wsh As Variant
  Set wsh = CreateObject("Wscript.Shell")
  getSpecialFolder = wsh.SpecialFolders(strFolder & "")
  '以下の書き方でも
'  getSpecialFolder = wsh.SpecialFolders((strFolder))
'  getSpecialFolder = wsh.SpecialFolders(CStr(strFolder))
  Set wsh = Nothing
End Function

wsh.SpecialFolders(strFolder & "")
この部分については、引数を直接引き渡して、
wsh.SpecialFolders(strFolder)
このように記述すれば良さそうですが、
これではなぜか正しく取得できません。
理由についての詳細ははっきりしませんが、
MSDNを見ると、
object.SpecialFolders(objWshSpecialFolders)
このように書かれているので、
引数が単なる文字列としては扱われていないのではないかと推測されます。
そこで、
& ""
()
Cstr()
これらを使うことで、文字列として値の評価を行ってから引き渡すことで解決しています。


本来は、VBAでこれらの特殊フォルダは使わないほうが良いのですが、時には使うことで便利な場合もあります。
例えば、マクロの結果出力先として、「デスクトップ」を使うことは時々あります。
出力先をデスクトップにすることで、わかりやすく探さなくて済むという利点は確かにあるようです。





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