VBA技術解説
VBAで正規表現を利用する(RegExp)

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
最終更新日:2019-10-25

VBAで正規表現を利用する(RegExp)


正規表現は複雑なパターンマッチングとテキストの検索置換するためのツールです、
マクロVBAで正規表現を使う場合はRegExpオブジェクトを使用します、
RegExpは、VBScriptに正規表現として用意されているオブジェクトです。


メタ文字

メタ文字の一覧です。正規表現でこれらの文字自身をマッチングしたい場合は、手前に「\」を付けてください。
^ $ ? * + . | { } \ [ ] ( )

正規表現



シンボル 機能
位置マッチング
^ 文字列の先頭にのみマッチします。
$ 文字列の末尾にのみマッチします。
\b 任意の単語境界にマッチします。
\B 任意の単語境界以外の位置にマッチします。
リテラル
英数字 英字と数字に文字どおりにマッチします。
\n 改行にマッチします。
\f フォーム フィードにマッチします。
\r キャリッジ リターンにマッチします。
\t 水平タブにマッチします。
\v 垂直タブにマッチします。
\? ? にマッチします。
\* * にマッチします。
\+ + にマッチします。
\. . にマッチします。
\| | にマッチします。
\{ { にマッチします。
\} } にマッチします。
\\ \ にマッチします。
\[ [ にマッチします。
\] ] にマッチします。
\( ( にマッチします。
\) ) にマッチします。
\xxx 8進数 xxx によって表現されるASCII文字にマッチします。
\xdd 16進数 dd によって表現されるASCII文字にマッチします。
\uxxxx UNICODE xxxx によって表現されるASCII文字にマッチします。
文字クラス
[xyz] 文字セットに含まれている任意の1文字にマッチします。
[^xyz] [^xyz] 文字セットに含まれていない任意の1文字にマッチします。
. \n 以外の任意の文字にマッチします。
\w 単語に使用される任意の文字にマッチします。[a-zA-Z_0-9]と等価。
\W 単語に使用される文字以外の任意の文字にマッチします。[^a-zA-Z_0-9]と等価。
\d 任意の数字にマッチします。[0-9]と等価。
\D 任意の数字以外の文字にマッチします。[^0-9]と等価。
\s 任意のスペース文字にマッチします。[ \t\r\n\v\f]と等価。
\S 任意の非スペース文字にマッチします。[^ \t\r\n\v\f]と等価。
繰り返し
{x} 正規表現のちょうど x個の直前の文字にマッチします。
{x,} 正規表現のx個以上の直前の文字にマッチします。
{x,y} 正規表現のx個以上、y個以下の直前の文字にマッチします。
? ゼロ個または1個の直前の文字にマッチします。{0,1}と等価。
* ゼロ個以上の直前の文字にマッチします。{0,}と等価。
+ 1個以上の直前の文字にマッチします。{1,}と等価。
選択とグループ化
() 複数の句をグループ化して、1つの句を作成します。ネストすることができます。 "(ab)?(c)" は "abc" または "c" にマッチします。
| 選択は、複数の句を1つの正規表現にまとめ、これらのうちの任意の句にマッチします。
後方参照
()\n n番目の括弧で囲まれた句にマッチします。

正規表現RegExpの使い方

事前バインディング
Microsoft VBScript Regular Expressions 5.5
(バージョンは環境によります、1.0もありますが機能が違います。)
これを参照設定し、
Dim 変数 As New RegExp
遅延バインディング
Dim 変数 As Object
変数 = CreateObject("VBScript.RegExp")

RegExpオブジェクト

プロパティ 説明
Pattern 検索するパターンを設定する
IgnoreCase 検索するときに大文字と小文字を区別する(既定値:False)か、区別しない(True)かを設定する
Global 検索文字列全体について検索する(True)か、最初の一致を検索する(既定値:False)のかを設定する

メソッド 説明
Test object.Test(string)
パターンに一致する文字列が検索されたらTrueを返します。
見つからないとFalseを返します。
Replace object.Replace(string1, string2)
検索されたら置換文字列(string2)と置き換えます
Execute object.Execute(string)
指定された文字列を正規表現で検索します
文字列内で見つかった文字列ごとに存在するMatchオブジェクトを含む、Matchesコレクションを返します。

RegExpの使用例



意味 検索パターン 対象文字 結果
郵便番号 \d{3}-\d{4} 101
\d{3}-\d{4} 101-101
\d{3}-\d{4} 101-0011
メール [\w.\-]+@[\w\-]+\.[\w.\-]+ abc.def
[\w.\-]+@[\w\-]+\.[\w.\-]+ abc@def
[\w.\-]+@[\w\-]+\.[\w.\-]+ abc@def.com
※A1セルから配置されているものとします。

上記表の対象文字の妥当性を判定し、結果に"OK"、"NG"を表示します。

Sub sample1()
  Dim i As Long
  Dim re As New RegExp
  Dim strIn As String
  
  For i = 2 To 7
    With re
      .Global = True     '文字列全体を検索
      .IgnoreCase = True   '大文字小文字を区別しない
      .Pattern = Cells(i, 2)
      If .test(Cells(i, 3)) Then
        Cells(i, 4) = "OK"
      Else
        Cells(i, 4) = "NG"
      End If
    End With
  Next
End Sub

RegExp関連のオブジェクト

Matchesコレクション

Matchesコレクションには、個別のMatchオブジェクトが格納されます。
このコレクションは、RegExpブジェクトのExecuteメソッドによってのみ作成可能です。
個別の Match オブジェクトのプロパティと同様、Matchesコレクションのプロパティは読み取り専用です。

プロパティ 説明
Count Count - コレクション内の Match オブジェクトの数を含んでいる読み取り専用の値。
Item Item - Matches コレクション オブジェクトから Match オブジェクトにランダムにアクセスできるようにする読み取り専用の値。

Matchオブジェクト

Matchオブジェクトは、RegExp オブジェクトのExecuteメソッドによってのみ作成が可能です。
このメソッドが実際に返すのは、Matchオブジェクトのコレクションです。
Matchオブジェクトのプロパティは、すべて読み取り専用です。

プロパティ 説明
FirstIndex FirstIndex - 元の文字列内のマッチが起こった位置を含んでいる読み取り専用の値。
このインデックスは位置の記録に 基点を 0 とするオフセットを使用しており、文字列の最初の位置は 0 から始まります。
Length Length - マッチした文字列の合計の長さを含んでいる読み取り専用の値。
Value Value - マッチした値またはテキストを含んでいる読み取り専用の値。
これはまた、Match オブジェクトにアクセスするときの既定値でもあります。

SubMatchesコレクション

SubMatchesコレクションには、個別のサブマッチ文字列が格納されます。
このコレクションは、RegExpオブジェクトの Executeメソッドによってのみ作成可能です。
SubMatchesコレクションのプロパティ(Count,Item)は、すべて読み取り専用です。

RegExp(Matches,Match,SubMatches)の使用例

Sub sample2()
  Dim re As New RegExp
  Dim mc As MatchCollection
  Dim m As Match
  Dim i As Long
  re.Pattern = "([\D]+)([\d]+)"
  re.Global = True
  Set mc = re.Execute("Abc123DEFGH4567ijkl890")
  For Each m In mc
    For i = 0 To m.SubMatches.Count - 1
      MsgBox m.SubMatches(i)
    Next
  Next
End Sub

上記では、文字列をアルファベットと数値に分割して、順次メッセージボックスに表示しています。
本記事の当初は、
"([A-Z,a-z]+)([0-9]+)"
このようにしていましたが、この場合は全角文字が抜けてしまいます。



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