VBA技術解説
VBAでのInternetExplorer自動操作

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2020-05-04

VBAでのInternetExplorer自動操作


VBAでInternetExplorerを操作する場合の基本について解説します。


VBAでInternetExplorerを操作し、Webのデータを取得したり、リンクをクリックしたり、これらを自動で行う事が出来ます。
定型的なブラウザ操作であれば、VBAで自動化することで大きな省力化になります。

VBEの参照設定

InternetExplorerを操作するには、
Dim objIE As Object
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application")

このようにVBAを書きます。
しかし、これでVBAを書き始めてしまうと、InternetExplorerのプロパティやメソッドが分かりません。

そこで、
「Microsoft Internet Controls」
これを参照設定します。
Dim objIE As New InternetExplorer
このようにすることで、インテリセンス(自動補完)が働くので
コーディングが楽になります。

VBA マクロ InternetExplorer

さらに、HTMLドキュメントの操作になるので、
「Microsoft HTML Object Library」
これも参照設定します。
Dim objHtml As HTMLDocument
Set objHtml = objIE.Document

VBA マクロ InternetExplorer

InternetExplorerの開始と終了

objIE.navigate "https://で始まるURL"
これで、InternetExplorerで、指定のページを開く事ができます。

InternetExplorerを非表示のまま操作する場合は、
objIE.Visible = False
表示するなら、
objIE.Visible = True

そして、終了する時は、
objIE.Quit
Set objIE = Nothing

一応、お決まり通りに、Nothingにしましょう。

Dim objIE As New InternetExplorer
objIE.Visible = True '見えるようにするなら
objIE.Navigate "https://excel-ubara.com/"
'ロード待ちが必要
Dim objHtml As HTMLDocument
Set objHtml = objIE.Document
'いろいろな処理
objIE.Quit
Set objIE = Nothing

HTMLオブジェクトの操作

HTMLDocumentには、各種のプロパティ・メソッドが用意されています。
スクレイピングで良く使うものとしては、

getElementById
getElementsByClassName
getElementsByName
getElementsByTagName
querySelector
querySelectorAll

参照設定してあれば、インテリセンスが効きますので、そこから探すことができます。

VBA マクロ InternetExplorer

VBAでのInternetExplorer操作例

Sub sample()
  Dim objIE As New InternetExplorer
  objIE.Visible = True '見えるようにするなら

  objIE.Navigate "https://excel-ubara.com/"
  Call untilReady(objIE) 'ロード待ち

  Dim objHtml As HTMLDocument
  Set objHtml = objIE.Document

  Dim elm As Object
  '左メニューボタンの「エクセル入門」をクリックします。
  Set elm = objHtml.querySelector("#sub > nav > ul:nth-child(2) > li:nth-child(1) > a")
  Debug.Print elm.innerText
  elm.Click

  'InternetExplorerは開いたままにしておく場合は、そのままVBAを終了します。
End Sub

Sub untilReady(objIE As Object)
  Do While objIE.Busy = True Or objIE.ReadyState <> READYSTATE_COMPLETE
    DoEvents
  Loop
End Sub

ページ読み込みが終了しているかの判定をしないと、HTMLの要素取得に失敗します。
上記ではDoEventsだけ入れていますが、
時間のかかるようなページの場合には、適宜Sleep等を入れてください。

WEBクローリング&スクレイピングのサイト内参考ページ

シリーズで6ページあります。
アメブロの記事本文をVBAでバックアップする№1
後日追記 アメブロの仕様変更が度々あり、ここで紹介しているコードで取得できないものもあります、いつ仕様変更されるかわかりませんので、都度変更するのは結構大変です。あくまで、WEBページの取得技術方法として参考にしてください。アメブロにはバックアップ機能がありません。

VBAでSeleniumを使用してChromeを操作します。
VBAのスクレイピングを簡単楽にしてくれるSelenium
・SeleniumBasicのインストール ・VBEでの参照設定 ・WEBサイトを表示してみましょう ・Seleniumの基本的な使い方(株価情報を取得してみる) ・色々なパターンでのseleniumの使い方 ・色々組み合わせて目的の画面にたどり着きます ・elementをコレクションで取得する ・新規ページが開かれる場合 ・上手くいかない特殊な場合の対処方法 ・Seleniumの実践例例 ・最後に
VBA+SeleniumBasicで検索順位チェッカー作成
・シート構成 ・検索順位チェッカーのVBA全コード ・最後に
VBA+SeleniumBasicで検索順位チェッカー(改)
・シート構成 ・検索順位チェッカーのVBA全コード ・最後に

以下では、さまざまな方法を紹介しています。
WEBデータの取得方法
・サンプルページ ・QueryTables ・InternetExplorer ・MSHTML ・MSXML2 ・WEBデータの取得方法の最後に



同じテーマ「マクロVBA技術解説」の記事

事前バインディングと遅延バインディング(実行時バインディング)

・バインディングとは ・事前バインディング ・遅延バインディング(実行時バインディング) ・実装(VBA記述)の違い ・事前バインディングの利点
Dictionary(ディクショナリー)連想配列の使い方について
・Dictionaryを使って重複を除く ・Dictionaryの使い方その2 ・Dictionaryの使い方その3 ・Dictionaryの使い方サンプル ・サイト内のDictionary関連記事
Dictionary(ディクショナリー)のパフォーマンスについて
・Dictionaryの検証に使うシート ・ユニーク化(重複削除)の方法について ・Dictionaryでユニーク化1 ・Dictionaryでユニーク化2 ・Dictionaryでユニーク化3 ・Dictionaryでユニーク化4 ・最初のVBAはなぜ遅かったのか ・Dictionaryを使わない方法 ・サイト内の関連ページ
VBAでのInternetExplorer自動操作
VBAでのSQLの基礎(SQL:Structured Query Language)
・SQL文 ・SELECT文 ・SQLの学習について ・実践例
VBAで正規表現を利用する(RegExp)
・メタ文字 ・正規表現 ・正規表現RegExpの使い方 ・RegExpオブジェクト ・RegExpの使用例 ・RegExp関連のオブジェクト ・Execute(Matches,Match,SubMatches)の使用例 ・Replaceの使用例 ・先読み:肯定先読み、否定先読み ・正規表現の実践例
VBAでメール送信する(CDO:Microsoft Collaboration Data Objects)
・バインディング方法 ・CDOを使ったメール送信のサンプルVBA ・CDOのプロパティ ・CDOのメソッド ・CDO.Configuration.Fields.Item ・CDO.Fields.Item ・ConstantやEnumについて
VBAでのOutlook自動操作
・Outlookインスタンスの生成と、ログオン、全て送受信 ・Outlookを起動して指定フォルダーを表示 ・フォルダーの取得 ・メールの一覧を取得 ・メールを送信 ・メールを返信 ・最後に
ADO(ActiveX Data Objects)の使い方の要点
・データベースの種類 ・SQL(SQL:Structured Query Language) ・ADOを使う準備 ・ADOでのDB接続方法 ・ADODB.Recordsetの取得方法 ・ADODBのレコードセットの扱い方 ・ADODBのトランザクション処理 ・ADODB.Commandの使い方 ・VBA100本ノックでの実践例 ・最後に注意点等
特殊フォルダの取得(WScript.Shell,SpecialFolders)
・WScript.Shell ・SpecialFolders プロパティ ・WshShellのSpecialFoldersのマクロVBA使用例
参照設定、CreateObject、オブジェクト式の一覧
VBAでエクセル外のオブジェクトを使うときには、事前バインディングと遅延バインディング(実行時バインディング)の2通りがあります、この時それぞれ何を指定したらよいのか、指定する文字列が長いので結構探してしまうことが度々あります。そこで、自身の覚え書きとしての意味も含めて、参照設定、CreateObjectのclas…


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
累計を求める数式あれこれ|エクセル関数応用(2024-01-22)
複数の文字列を検索して置換するSUBSTITUTE|エクセル入門(2024-01-03)
いくつかの数式の計算中にリソース不足になりました。|エクセル雑感(2023-12-28)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.RangeとCellsの使い方|VBA入門
4.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
5.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
6.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
7.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
8.並べ替え(Sort)|VBA入門
9.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
10.Findメソッド(Find,FindNext,FindPrevious)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ