VBA技術解説
VBAでエラー行位置(行番号)を取得できるErl関数

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
最終更新日:2019-10-13

VBAでエラー行位置(行番号)を取得できるErl関数


VBAのデバッグでエラーが発生した行位置を特定する方法はいくつかあります。
エラーが発生したVBAソースの行ラベルを取得することができる関数がErl関数です。


Erl関数は、VB6に存在しVBAにも引き継がれ実装されているものです。
しかし、VB6時代から隠し関数のような存在で、現在ではドキュメントを探すことも困難となっているものです。
そもそも関数と記していますが、VBAにおいて関数という呼び方でよいのかさえ判然としません。
したがって、ここでは詳細な仕様についてはお伝えすることはできませんが、
現状確認できて使える範囲において解説したいと思います。

Erl関数とは

エラー発生時に、最後に実行されたステートメントの行番号を示す整数値を返します。
エラー発生していない時は0を返します。
有効な行ラベルが無い場合は0を返します。
エラーが発生する度に新しい行番号に置き換えられます。

Erl関数の使用例

エラー発生時にメッセージ出力サンプルになります。



Option Explicit

Public ErrMsg As String

Sub Erl関数()
  ErrMsg = ""
  If Erl関数1 Then Exit Sub
  MsgBox ErrMsg
End Sub

Function Erl関数1() As Boolean
  On Error GoTo ErrLabel
  Dim i As Long, j As Long
  Do
    Randomize
    i = Rnd * 10
    i = 10 / i
    j = Rnd * 10
    j = 10 / j
    i = Rnd * 10: j = Rnd * 10
    i = i / j
  Loop
  Erl関数1 = True
  Exit Function
ErrLabel:
  Erl関数1 = False
  ErrMsg = Err.Description
End Function
※極めて単純化したもので、サンプルとして無理やりエラーになるようにしています。
これを実行すると、

VBA マクロ Erl関数 エラー行

0除算でエラーになったのは分かります。
しかし、その可能性のあるVBAソース行はいくつかあるようです。
実際に、どの行でエラー発生したかは分かりません。
メッセージにエラー発生した行が表示されていれば直ぐに修正対応が可能になり便利です。
以下では、Erl関数を利用して、このエラー発生行をメッセージ表示します。



Option Explicit

Public ErrMsg As String

Sub Erl関数()
  ErrMsg = ""
  If Erl関数2 Then Exit Sub
  MsgBox ErrMsg
End Sub

Function Erl関数2() As Boolean
  On Error GoTo ErrLabel
  Dim i As Long, j As Long
  Do
    Randomize
    i = Rnd * 10
110   i = 10 / i
    j = Rnd * 10
120
    j = 10 / j
    i = Rnd * 10: j = Rnd * 10
130:
    i = i / j
  Loop
  Erl関数2 = True
  Exit Function
ErrLabel:
  Erl関数2 = False
  ErrMsg = Err.Description & vbLf & _
      "Erl関数2:" & Erl
End Function

これを実行すると、

VBA マクロ Erl関数 エラー行

このようなメッセージが表示されます。
エラー行は、ランダム数を使っているので、110,120,130と3通りで表示されます。

行ラベルは、行を特定したい場所にだけ入れればよいです。
当然、全ての行に入れても良いですが、別途ツールでも使わないと大変でしょう。
行ラベルの書き方として、上記では3通り別々の書き方をしています。
110が最も普通の書き方ではありますが、
後から追加することを考えると、120、130:の方が入れやすいかもしれません。
120と130:は特に違いはありませんが、130:はラベルと見た目でわかりやすいかもしれないという程度です。

この例のように1プロシージャーでは、あまり有用性は感じられないかもしれません。
複数プロシージャーでのエラー発生をログ出力するような場合には、エラー行が特定されているのはとても有効になります。
Erl関数自体は、単純にエラー時の最終行を取得するだけですので、後は使い方次第でしょう。

Erl関数の最後に

今回はErl関数を紹介しましたが、
本来は、エラー行の特定はデバッグ時に全て完了しておくものであることは言うまでもないでしょう。
デバッグ時には、
On Errorを外して実行
ステップで実行
オプションのエラートラップの変更
等々でエラー行は特定できます。
VBEの使い方:デバッグ
・実行、中断、リセット(停止) ・ステップ実行 ・呼び出し履歴 ・VBA実行途中で変数の状態を確認 ・Debug.Print ・Debug.Assert ・デバッグの最後に
VBEの使い方:ツールのオプション設定
・「メニュー」→「ツール」→「オプション」 ・編集 ・エディターの設定 ・全般 ・ドッキング ・ツールのオプション設定の最後に
そして、エラーが出ないようにしてから本番で使うものです。

とはいえ、本番リリース後に予期せぬエラーはつきものです。
そのような時に、いち早く原因特定する手段の一つとして、
Erl関数を組み込んでおくという選択肢もあるのではないかと思い、今回紹介してみました。
正式なドキュメントも見当たらない関数ですので、使用するには若干ためらわれる部分もありますが、
使い方によっては、非常に便利なものだと思いますので、覚えておいて損はないでしょう。



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