GetObject関数
ActiveX コンポーネントから提供されたオブジェクトの参照を返します。
ファイルパス(フルパスと名前)からオブジェクトの参照を作成したり、既に起動中のオブジェクトを取得する際に使用します。
GetObject関数の構文
取得するオブジェクトを含むファイルの完全パスと名前。
指定文字列の大文字小文字は問いません。
pathnameを省略する場合は、classを指定する必要があります。
pathnameに関連付けられたアプリケーションが起動され、指定したファイル内のオブジェクトがアクティブ化されます。
指定したクラスのオブジェクトが起動していない時はエラーになります。
オブジェクトのクラスを表す文字列。
classを省略する場合は、pathnameを指定する必要があります。
classの構文は、appname.objecttype で指定します。
appname | 必須。Variant(String)。 オブジェクトを提供するアプリケーションの名前。 |
objecttype | 必須。Variant(String)。 作成するオブジェクトの型またはクラス。 |
構文には一部例外があり、"htmlfile"の指定でHTMLドキュメントを作成できます。
指定したファイルが存在しない場合、または、指定した型のオブジェクトが存在しない場合は、エラーが発生します。
GetObjectの解説
・CreateObject関数の戻り値をSetステートメントでオブジェクト変数に代入する
・Withステートメントのオブジェクトに指定する
・プロシージャー呼び出し時の実引数に指定する
等々の方法があります。
ファイルの一部をアクティブにするには、ファイル名の後に感嘆符 (!) を付け、アクティブにする部分を表す文字列をその後に指定します。
ただし、ファイルによっては、複数のオブジェクトのクラスがサポートされています。
このような場合、ファイル内でアクティブにするオブジェクトを指定するには、省略可能な引数 class を使います。
したがって、別のインスタンスを指定してGetObjectを実行することはできません。
以降のVBAサンプルコードで具体的な使い方を確認してください。
GetObject関数の使用例
pathnameとclassを指定
Dim obj As Object
Set obj = GetObject("フルパス\ワードファイル.docx", "Word.Document")
With obj.Application
.Visible = True
.Selection.TypeText Text:="abc"
End With
"フルパス\ワードファイル.docx"を読み込んだオブジェクトへの参照を返します。
上記VBAでは、変数objを解放していないので、Wordは起動されたままになります。
Set obj = GetObject("フルパス\エクセル.xlsx")
Debug.Print TypeName(obj)
Set obj = GetObject("フルパス\ワードファイル.docx")
Debug.Print TypeName(obj)
Set obj = GetObject("フルパス\パワポファイル.pptx")
Debug.Print TypeName(obj)
Set obj = Nothing
Workbook
Document
Presentation
このようになります。
Applicationではなく、その下のオブジェクトが返されることに注意してください。
class を指定しない場合、
起動するアプリケーションとアクティブ化するオブジェクトは、指定したファイル名に基づいて自動的に決定されます。
Dim obj As Workbook
Dim obj As Word.Document
Dim obj As PowerPoint.Presentation
ただし、それぞれのアプリケーションの参照設定が必要になります。
Dim obj As Object
Set obj = GetObject("", "Word.Application")
Debug.Print obj.Name
Set obj = GetObject("", "Word.Document")
Debug.Print obj.Name
Set obj = Nothing
この実行結果は、
Microsoft Word
文書 1
このようになります。
どちらも同じインスタンスになりますが、アクティブ化されるオブジェクトが違ってきます。
型を指定する場合は、それぞれ、
Dim obj As Word.Application
Dim obj As Word.Document
ただし、Wordアプリケーションの参照設定が必要になります。
Dim obj1 As Object
Set obj1 = GetObject("フルパス\sample1.docx")
Debug.Print obj1.Name
Dim obj2 As Object
Set obj2 = GetObject(, "Word.Application")
Debug.Print obj2.Documents(1).Name
Set obj1 = Nothing
Set obj2 = Nothing
sample1.docx
sample1.docx
となります。
obj1とobj2の違いについて注意してください。
obj1は、Word.Documentです。
obj2は、Word.Applicationになります。
obj2では、既に起動されているWordアプリケーションを取得しています。
そして、Wordアプリケーションの先頭のドキュメントを表示しています。
Wordアプリケーションが起動されていない場合はエラーとなります。
Dim obj As Object
Set obj = GetObject(, "Word.Application")
Set obj = Nothing
この場合、
Wordアプリケーションが起動されていればそのアプリケーションが取得され、
Wordアプリケーションが起動されていない場合はエラーとなります。

Set obj = GetObject("", "Scripting.FileSystemObject")
Set obj = GetObject(, "Scripting.FileSystemObject")
pathnameを省略した2行目はエラーになります。
"Scripting.Dictionary"
"VBScript.RegExp"
これらも同様です。
このようなオブジェクトの場合、pathnameには""を指定するかCreateObject使用してください。
GetObject関数とCreateObject関数の使い分け
オブジェクトの現在のインスタンスがある場合、
または、
既にファイルが読み込まれた状態のオブジェクトを作成する場合に使用します。
ただし、GetObjectで返されるオブジェクトには注意する必要があります。
Dim obj As Object
Set obj = GetObject("フルパス\sample1.docx")
Debug.Print obj.Name
Set obj = Nothing
Dim wdApp As Object
Set wdApp = CreateObject("Word.Application")
Dim obj As Object
Set obj = wdApp.Documents.Open("フルパス\sample1.docx")
Debug.Print obj.Name
Set obj = Nothing
Set wdApp = Nothing
上記2つのVBAは同じことをしています。
変数objには"フルパス\sample1.docx"を読み込んだWord.Documentへの参照が入ります。
同じテーマ「VBA関数」の記事
Int関数
Oct関数
Rnd関数
Round関数
CreateObject関数
DoEvents関数
GetObject関数
InputBox関数
MsgBox関数
RGB関数
Shell関数
新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る
VBA100本ノック 100本目:WEBから100本ノックのリストを取得|VBA練習問題(3月3日)
VBA100本ノック 99本目:自動席替え(行列と前後左右が全て違うように)|VBA練習問題(3月2日)
VBA100本ノック 98本目:席替えルールが守られているか確認|VBA練習問題(3月1日)
VBA100本ノック 97本目:Accessデータを取得(グループ集計)|VBA練習問題(2月27日)
VBA100本ノック 96本目:Accessデータを取得(マスタ結合&抽出)|VBA練習問題(2月26日)
VBA100本ノック 95本目:図形のテキストを検索するフォーム作成|VBA練習問題(2月24日)
VBA100本ノック 94本目:表範囲からHTMLのtableタグを作成|VBA練習問題(2月23日)
VBA100本ノック 93本目:複数ブックを連結して再分割|VBA練習問題(2月22日)
VBA100本ノック 92本目:セルの色を16進で返す関数|VBA練習問題(2月20日)
VBA100本ノック 91本目:時間計算(残業時間の月間合計)|VBA練習問題(2月19日)
アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る
1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.RangeとCellsの使い方|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.マクロって何?VBAって何?|VBA入門
5.Range以外の指定方法(Cells,Rows,Columns)|VBA入門
6.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
7.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
8.セルに文字を入れるとは(Range,Value)|VBA入門
9.マクロはどこに書くの(VBEの起動)|VBA入門
10.とにかく書いてみよう(Sub,End Sub)|VBA入門
このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。