Google Apps Script入門
配列って何なんだ?

Google Apps Script(GAS)の入門解説です
公開日:2016-10-26 最終更新日:2022-11-04

第21回.配列って何なんだ?


プログラミングを学ぶ上で、乗り越えなければならない壁がいくつかありますが、
その一つが、配列になると思います、


その全てを自在に使いこなすには相当の時間が必要ですが、まずは基礎から。
配列配列変数とも言い、変数の一種になります。

変数についの説明では、
データを入れて必要なときに利用するために用意した入れ物で、その入れ物に付けた名前が変数名になります。
このように説明しましたが、
今まで扱ってきた変数には、1つの数値や文字列といったデータを入れて使うというものでした。

これに対して、配列は、
変数に背番号のような番号(インデックス)を付けて、複数のデータを扱えるようにしたものになります。
これにより、一つの変数名で、複数の値を入れる事が出来るようになります。
番号(インデックス)を指定することで、配列内の指定の位置のデータを取得・変更することが出来ます。

では、具体的に、Google Apps Scriptを書いてみましょう。
あまり、理屈にこだわらず、まずは使い方を覚えましょう。


配列を作成する

function myFunction21_1() {
  var ary = ["google", "apps", "script"];
  Browser.msgBox(ary);
  Browser.msgBox(ary[1]);
}

google,apps,script
と表示されます。

var ary = ["google", "apps", "script"];
これで、aryという配列変数を定義し、3つの文字列を入れています。

初期値を入れずに、配列のみを作成するなら、
var ary = [];
このように書きます。


インデックスを指定して操作する

function myFunction21_2() {
  var ary = ["google", "apps", "script"];
  Browser.msgBox(ary[1]);
  var i = ary.indexOf("apps");
  ary[i] = "Apps";
  Browser.msgBox(ary);
}

apps
1
goole,Apps,script
と表示されます。

配列のインデックスは、0から始まります。

ary[1]
インデックスが1なので、2番目の要素になります。

indexOf
引数の文字が入っているインデックスを返します。
指定の文字列が配列に無い場合は、-1が返されます。


配列に追加する

function myFunction21_3() {
  var ary = [];
  ary.push("apps")
  ary.push("script")
  ary.unshift("google")
  Browser.msgBox(ary);
}

google,apps,script
と表示されます。

push
配列の末尾(最後)に追加します。

unshift
配列の先頭(最初)に追加します。


配列から削除する

function myFunction21_4() {
  var ary = ["google", "apps", "script"];
  ary.pop();
  ary.shift();
  Browser.msgBox(ary);
}

pop
配列の末尾(最後)の要素を削除します。

shift
配列の先頭(最初)の要素を削除します。


PPAP

function PPAP() {
  var AP = [];
  var PP = [];
  var PPAP = [];
  AP.push("Pen");
  AP.unshift("Apple");
  Browser.msgBox(AP);
  PP.push("Pen");
  PP.unshift("Pineapple");
  Browser.msgBox(PP);
  for (var i=PP.length-1;i>=0;i--) {
    PPAP.push(PP[i]);
  }
  for (var i=0;i<PP.length;i++) {
    PPAP.push(AP[i]);
  }
  Browser.msgBox(PPAP);
}

踊りながら、解読してみましょう。


配列の繰り返し処理

function myFunction21_5() {
  var ary = ["google", "apps", "script"];
  for (i=0; i<=ary.length-1; i++) {
    Logger.log(ary[i]);
  }
}

forでiを1ずつ進めながら全ての要素をログに出力しています。
これは、foreachで書くこともできます。

function myFunction21_6() {
  var ary = ["google", "apps", "script"];
  ary.forEach(get_ary);
}
function get_ary(arg){
  Logger.log(arg);
}

これは一つにまとめて書くことができます。

function myFunction21_7() {
  var ary = ["google", "apps", "script"];
  ary.forEach(function(arg){
    Logger.log(arg);
  });
}

Logger.logについて

Logger.logはログを表示します。
出力されたログを見るには、
gas 配列 logger.log

%sというログ表示する書式を指定するプレースホルダーも用意されています。
Logger.log(format, [values, …]);
例、
Logger.log("配列の中身は%sです", arg);


多次元配列について

上記までの配列は、1次元配列になります。
変数としての箱が、一列に並んでいるものと考えれば良いです。

多次元配列とは、2次元以上の配列になります。
2次元配列であれば、シートのように、縦横に箱が並んでいる事を想像してもらえれば結構です。

JavaScriptでは、多次元配列は直接的にはサポートされていません。

ですが、実際には多次元配列を作ることが出来ます。
配列には、数値や文字列だけではなく、オブジェクトや配列も格納することができます

そこで、配列の要素に配列を指定することで2次元配列を作成できます。
3次元以上の配列も同様の考え方で作ることが出来ます。
これについては、使う必要が出てきた時点で、実践的な使い方を解説していきます。


配列の最後に

スプレッドシートのセルに直接データを出し入れすると、とても処理時間が遅くなってしまいます。

処理速度向上には、配列の使用が必須になってきますので、ぜひ習得しておきましょう。
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