Google Apps Script入門
オブジェクト、メソッド、プロパティとは

Google Apps Script(GAS)の入門解説です
最終更新日:2022-11-04

第22回.オブジェクト、メソッド、プロパティとは


JavaSciptの文法を数回にわたってやりましたが、
最後に、
オブジェクトプロパティメソッド
この基本の用語を確認しておきましょう。



オブジェクト

オブジェクトとは操作対象の事です。
プログラムでは、「何かをどうする」と言った形で命令を書きます。
この「何を」がオブジェクトになります。


メソッド

メソッドはオブジェクトに対する命令です。
動作命令であり、多くは、動詞が使われ、
get○○
set○○
のような単語が使われます。
メソッドは、その動作の結果を返すものと、
結果を返さずに命令を実行するだけのものがあります。

メソッドの戻り値について
数値や文字と言った基本データだけではなく、
オブジェクトが返されることも多くあります。


プロパティ

プロパティは、オブジェクトの内容や詳細、属性になります。
その、詳細、属性を取得したり、設定したりするものがプロパティになります。


具体例

シート数を取得するスクリプトとして、
第14回.複数のシートを扱う
・複数のシートを扱う例題 ・シート名でシートを取得 ・インデックスでシートを取得 ・シート数を取得 ・る ・複数のシートの最後に

ここで紹介したスクリプを、オブジェクト、プロパティ、メソッドで色分けしました。

var ash = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet()
var i = ash.getSheets().length
Browser.msgBox(i)

オブジェクト
SpreadsheetApp
Browser

メソッド
getActiveSpreadsheet()
getSheets()

プロパティ
length

Google Apps Scriptでは、プロパティはあまり使う機会が少ないようです。

スクリブトに出てくる形式としては、以下が基本になります。
オブジェクト.メソッド()
変数 = オブジェクト.メソッド()
オブジェクト.プロパティ = 値
変数 = オブジェクト.プロパティ

組み合わされて使う事もあります。
オブジェクト.メソッド(オブジェクト.メソッド())
オブジェクト.メソッド(オブジェクト.プロパティ)
変数 = 組み込み関数(…, オブジェクト.メソッド(), …)


オブジエクトの階層構造とメソッドの戻り値

プログラミング言語を習い始めた時、
この階層構造とメソッドの戻り値の理解が難しく感じ、躓くことが多いようです。

SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet().getRange(1, 1).setValue("やあ")

SpreadsheetAppがオブジェクトで、getActiveSpreadsheet()がメソッドです。
getActiveSpreadsheet()の戻り値がSpreadsheetのオブジェクトになります。

つまり、
SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet()
これで、アクティブなスプレッドシート(オブジェクト)を取得しています。

つまり、
アクティブなスプレッドシート.getActiveSheet().getRange(1, 1).setValue("やあ")
という事になります。

そして、
アクティブなスプレッドシート.getActiveSheet()
これで、アクティブなスプレッドシートのアクティブなシート(オブジェクト)を取得しています。
getActiveSheet()はメソッドで、戻り値がSheetオブジェクトです。

つまり、
アクティブなスプレッドシート.アクティブなシート.getRange(1, 1).setValue("やあ")

そして、
アクティブなシート.getRange(1, 1)
これで、アクティブなシートの、A1セル(Rangeオブジェクト)を取得しています。
getRange(1, 1)はメソッドで、戻り値がRangeオブジェクトです。

つまり、
アクティブなスプレッドシート.アクティブなシート.A1セル.setValue("やあ")

そして、
A1セル.setValue("やあ")
setValue("やあ")がメソッドで、セルに値を入れています。

このように、.ピリオドで複数つながっている場合は、
オブジェクトが階層構造になっていると理解しましょう。

オブジェクト.子オブジェクト.孫オブジェクト.メソッド()

子とか孫という表現は、正確な表現とは言えない部分もありますすが、
メソッドの戻り値と、オブジェクトの階層を簡単に理解しやすいはずです。
オブジェクトのメソッドを実行することで、子オブジェクトを取得(捕まえる)というように理解しておきましょう。




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