ツイッター出題回答
列全体を指定する時のRangeとColumnsの違い

ExcelマクロVBAとエクセル関数についての私的雑感
公開日:2023-09-24 最終更新日:2023-09-24

列全体を指定する時のRangeとColumnsの違い


ツイッターで出題したVBAに関する問題です。


列全体を指定する書き方に、
Range
Columns
この2通りがあります。
そこで、この2通りの書き方の違いは何かを問う選択問題です。


出題ツイート

vba マクロ RangeとColumnsの違い
https://twitter.com/yamaoka_ss/status/1705178543683174475


【VBA問題】
A:C列全体を指定する書き方として、
Range("A:C")
Columns("A:C")
どちらでもA:Cの列全体になります。
では以下の説明で間違っった説明はどれか?

・For Eachでの取得要素が違う
・どちらも「.Delete」が実行できる
・どちらも「.ColumnWidth = 値」が可能
・どちらも「.AutoFit」が実行できる


解答ツイート

正解は、
「どちらも「.AutoFit」が実行できる」
これが間違った説明になります。
AutoFitはエラーになります。
詳細は以下にて

For Eachでの取得要素が違う

Range("A:C")
このFor Eachは、セルが一つずつ取り出されます。
Sub sample_range()
  Dim rng As Range
  For Each rng In Range("A:C")
    Debug.Print rng.Address
  Next
End Sub

vba マクロ RangeとColumnsの違い

Columns("A:C")
このFor Eachは、列全体(A列、B列、C列)が取り出されます。
Sub sample_columns()
Dim rng As Range
For Each rng In Columns("A:C")
Debug.Print rng.Address
Next
End Sub

vba マクロ RangeとColumnsの違い

どちらも「.Delete」が実行できる

Range("A:C").Delete
Columns("A:C").Delete

どちらも問題なく実行できます。
ちなみに、列全体の削除なのでShift:=は不要です。


どちらも「.ColumnWidth = 値」が可能

Range("A:C").Delete
Columns("A:C").Delete

どちらも問題なく設定できます。


どちらも「.AutoFit」が実行できる

DeleteやColumnWidthができるので、AutoFitも出来そうに思えてしまいます。
ですが、AutoFitはエラーになります。

Range("A:C").AutoFit ← ×
Columns("A:C").AutoFit ← ○

vba マクロ RangeとColumnsの違い

したがって、列幅自動調整のAutoFitを実行するには、

Columns("A:C").AutoFit
Range("A:C").EntireColumn.AutoFit


サイト内の関連記事

第29回.セル・行・列の削除・挿入(Delete,Insert)|VBA入門
単一セルまたは複数セルの削除・挿入と行・列の削除・挿入についてのマクロVBAを解説します。単一セルまたは複数セルを指定しての行全体・列全体に対する削除・挿入と、行・列を指定しての削除・挿入は結果としては同じ事になりますが、マクロVBAの書き方には違いがあり、実際のVBAでは使い分けが必要になる場合があります。
第56回.Rangeオブジェクト(RangeとCells)|VBA入門
エクセルの根幹はセルです、セルはRangeオブジェクトになります、このRangeオブジェクトの理解なくしてマクロVBAは理解できません。マクロVBAで自在にセルを扱う為には、このRangeオブジェクトをしっかりと理解する必要があります。セルを表すVBA記述は多数存在します、Range、Cells、Rows、
第141回.行・列の表示・非表示・列幅・行高|VBA入門
行または列を非表示にしたり、逆に表示したりする場合のマクロVBAについて説明します。また、あるセルが表示されているか(可視セルか)の判定方法について解説します。行や列はRangeオブジェクトです。表示・非表示は、RangeオブジェクトのHiddenプロパティにTrue/Falseを設定することで行います。




同じテーマ「ツイッター出題回答 」の記事

脱字メーカー(文字列から1文字削除)
リーグ表に対戦番号を振る
数列内の連続偶数のみ順序を入れ替える
ランクによりボイントを付ける(同順位はポイントを分割)
記号を繰り返してグラフ作成(10単位で折り返す)
Excel関数の引数を省略した場合について
シートコピー後のアクティブシートは何か
ByRef引数の型が一致しません。
シートのActiveXチェックボックスの指定方法
列全体を指定する時のRangeとColumnsの違い
スピルのゴーストの範囲を選択するVBA


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

AIがあればVBAはできる:セルに絵文字を入れる|生成AI活用研究(2025-05-07)
Geminiと100本ノック 15本目:シートの並べ替え|生成AI活用研究(5月6日)
Geminiと100本ノック 14本目:社外秘シート削除|生成AI活用研究(5月4日)
Geminiと100本ノック 13本目:文字列の部分フォント|生成AI活用研究(5月4日)
Geminiと100本ノック 12本目:セル結合の解除|生成AI活用研究(5月2日)
Geminiと100本ノック 11本目:セル結合の警告|生成AI活用研究(5月1日)
AI(Gemini)とエクセル数式対決 その2|生成AI活用研究(2025-04-30)
Geminiと100本ノック 10本目:行の削除|生成AI活用研究(4月30日)
AI(Gemini)とテーマを決めて議論|生成AI活用研究(2025-04-30)
Geminiと100本ノック 9本目:フィルターコピー|生成AI活用研究(4月29日)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
5.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
6.RangeとCellsの使い方|VBA入門
7.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
8.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
9.FILTER関数(範囲をフィルター処理)|エクセル入門
10.条件分岐(Select Case)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。



このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ