ExcelマクロVBA入門
第56回.Rangeオブジェクト(RangeとCells)

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
最終更新日:2019-10-14

第56回.Rangeオブジェクト(RangeとCells)


エクセルの根幹はセルです、セルはRangeオブジェクトになります、
このRangeオブジェクトの理解なくして、マクロは理解できません。
マクロVBAの上達の試金石として、Rangeオブジェクトの理解があると言っても過言ではありません。


セルを表すVBA記述は多数存在します、
Range、Cells、Rows、Columns・・・
どれも単一または複数セル表すRangeオブジェクトになります。

非常に理解しづらいRangeオブジェクトですが少し詳しく見てみましょう。

Rangeオブジェクトを参照するためのプロパティ

Rangeオブジェクトを参照するにはRangeオブジェクトを返すプロパティの戻り値を使わなければなりません
言い方を変えれば、
Rangeオブジェクトを返すプロパティを経由してRangeオブジェクトを参照するという事です。
下表は、Rangeオブジェクトを参照するためのプロパティです。



オブジェクト プロパティ 説明
Worksheet Range セルまたはセル範囲を表す
Cells セルを表す
Rows 行を表す
Columns 列を表す
Range Range セルまたはセル範囲を表す
Cells セルを表す
Rows 行を表す
Columns 列を表す
EntireRow セル範囲を含む 1 行または複数の行全体
EntireColumn セル範囲を含む 1 列または複数の列全体
Offset オフセットの範囲
Resize サイズを変更
End 領域の終端のセル。Ctrl+方向キーに相当
SpecialCells 指定された条件を満たしているすべてのセル
MergeArea 結合セル範囲を表す
Next 次のセルを表す

Rangeオブジェクトに、Rangeプロパティがあるあたりが、
ちょっと理解しづらいかもしれません。
まずは、上表の太字が使えるようになること目指してください。

Rangeオブジェクトを返すRangeプロパティ

Worksheet.Range
これは、WorksheetのRangeプロパティであり、
このRangeプロパティを通して、Rangeオブジェクトを参照しています。

そして、Rangeオブジェクトにも、Rangeプロパティがあり、
同じく、Rangeオブジェクトを参照できるのです。
ここは、少々難しいと感じるかもしれませんが、
Rangeプロパティを介してRangeオブジェクトを参照しているのだと、
まずはそのままに理解してください。
詳しくは、RangeとCellsの深遠
RangeとCells特集にします。今さら…と、あなどるなかれ、結構奥が深いのです。すでに説明した内容もありますが、知っておいた方が良い事、知らなくても困らない事(笑) これらを、まとめてみました。まずは基本 A1セルに"エクセル"と入れる場合。

また、Offset、Resize等、まだ説明していないプロパティについては、
このマクロVBA入門シリーズで今後少しづつ説明していきます。

Rangeオブジェクトのデータ型

データ型は、Rangeになります。
つまり、
Dim 変数 As Range
このように変数定義します。

Rangeの変数定義の使用例
Dim MyRange As Range
Set MyRange = Worksheets(1).Range("B2:C10")
MyRange.Value = "文字列"

これは、



Worksheets(1).Range("B2:C10").Value = "文字列"

これと同じことになります。
また、Rangeオブジェクトには、Cellsプロパティがあるので、

Dim MyRange As Range
Set MyRange = Worksheets(1).Range("B2:C10")
MyRange.Cells(2, 2) = "これはC3セルです。"

これは、C3セルに文字が入ることになります。
RangeオブジェクトであるMyRangeの先頭セルはB2セルです。
B2セルが、MyRange.Cells(1, 1) になりますので、
MyRange.Cells(2, 2) は、B2セルから2行目の2列目、つまり1つ下1つ右のC3セルになります。

シートの全セル(シート全体)

シートの全セルを扱う場合は、
Worksheets(1).Cells
このように、Cellsに引数を指定しないとシートの全セルになります。、
WorksheetオブジェクトのCellsは、シートの全セルを参照することになります。

RangeオブジェクトのCellsは、そのRangeオブジェクト内の全セルを指しているのです。
ただし、Range.Cellsを使う事はほとんどありません。

RangeとCellsの使い分け方

RangeとCellsの使い分け方については、
複数セル範囲と名前定義の場合はRangeを使う、それ以外はCellsを使う。
これが基本になります。
別の言い方をすれば、
変数を使う時はCells、Rows、Columnsを使用すると言う事です。
これについては第11回.RangeとCellsの使い方こちらで解説しています。
VBAではセルを指定する方法としてRangeとCellsがあります、RangeもCellsも、どちらもRangeオブジェクトでセルを指定するものです。どちらを使ったらよいのでしょうか、どう使い分けたらよいのでしょうか、実際のVBA記述では、RangeとCellsを使い分ける必要があります、RangeとCellsの使い方について解説をします。

VBEの自動メンバ表示(インテリセンス)

VBE(Visual Basic Editot)では、次に入力できるものが自動メンバ表示されます。
この自動メンバ表示の事をインテリセンスと呼びます。
range("A1").
と、「.」を打った時点で、メンバが自動表示されます。

VBA マクロ Range Cells

しかし、
Cells(1, 1)
これでは表示されません。

VBA マクロ Cells Range

このような場合は、
Cells
このように、引数の()を省略するか、
cells()
と、引数を空っぽにするとメンバが自動表示されるようになります。

VBA マクロ Range Cells

これは先に説明した、シートの全セルを表していることになります。
なぜこのような挙動の違いがあるかを気にする方がたまいますが、
そのようなことを気にするより、まずはしっかり使えるようになることを優先してください。
挙動の違いを簡単に説明すると
Cellsだけで引数を指定しない時と、引数を指定した時では、
参照しているプロパティが別物になります。
Cellsだけで引数を指定しないプロパティは、戻り値がRange型で、
引数を指定する単一セルを参照するプロパティは、戻り値がVariantになります。
VBAでは、戻り型がVariantのプロパティはメンバー表示されません。

Rangeオブジェクトのプロパティとメソッド

Rangeオブジェクトには、とても多くのプロパティとメソッドが存在します。
先の表では、Rangeオブジェクトを返すプロパティのみ記載したわけですが、
全プロパティとメソッドについては、以下を参照して下さい。
Rangeオブジェクトのプロパティ一覧
エクセルの基本である、Rangeオブジェクトのプロパティの一覧です。太字リンク付きは、詳細解説ページ、または、応用したVBAコードがあるページにリンクしています。Excel2010までのRangeオブジェクトのプロパティ一覧 Excel2016で追加されたRangeオブジェクトのプロパティ一覧 CommentThreaded 範囲の左上隅のセルに関連付け…
Rangeオブジェクトのメソッド一覧
エクセルの基本である、Rangeオブジェクトのメソッドの一覧です。太字リンク付きは、詳細解説ページ、または、応用したVBAコードがあるページにリンクしています。Excel2010までのRangeオブジェクトのメソッド一覧 Excel2013で追加されたRangeオブジェクトのメソッド一覧 FlashFill Trueは、
これらの一覧を全て覚える必要は全くないのですが、
一度くらいは、どんなプロパティがあるかだけでも、ざっと目を通しておくと良いでしょう。
最低限必要なプロパティ・メソッドは、このマクロVBA入門で一度は説明いています。

Rangeオブジェクトは難しい

Rangeオブジェクトは、とても奥深く、難しいものです。
いきなり全てを理解することは困難です。
マクロを書くときは、常にRangeオブジェクトを意識して書くようにして下さい。
そうすることで、少しづつ理解が深まっていきます。

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