第53回.Workbookオブジェクト
Workbookオブジェクトは、ワークブックそのものです。
1つのワークブックは、1つのExcelファイルです。
マクロVBAで複数のブックを扱う場合や、ブックを読込んだり保存したりする場合は、
Workbookオブジェクトをしっかり意識しつつVBAを記述しなければなりません。
WorkBookの指定方法
これは使う事はほぼないでしょう。
ここで記述しているWorkbooks等は、Applicationのプロパティになります。

WorkBookのデータ型
Workbook
つまり、
Dim 変数 As Workbook
このように使います。
気を付けてもらいたいのは、
Workbooks
ではないと言う事です。
データ型のWorkbookは複数形ではないので、最後のsは付きません。
コレクションについては、後々説明いたします。
Workbooksコレクションの中から、特定のブックを指定したものが、Workbookオブジェクトになります。
WorkBookのプロパティとメソッド
WorkBookのプロパティ、メソッド、イベントの一覧
プロパティ | Name | 名前 |
Names | 名前定義 | |
Path | 保存パス | |
FullName | 保存パス+名前 | |
Saved | 最後の保存から変更されたかを取得・設定 | |
ReadOnly | 読み取り専用かを取得・設定 | |
Sheets | 全てのシート | |
Worksheets | 全てのワークシート | |
メソッド | ActiVate | アクティブにします |
Close | 閉じる | |
Save | 上書き保存 | |
SaveAs | 名前を付けて保存 | |
SaveCopyAs | コピーを保存 | |
PrintOut | 印刷 | |
PrintPreview | 印刷プレビュー | |
Protect | 保護 | |
Unprotect | 保護を解除 |
今までに出てきたのは、Activateくらいです。
個々の使い方については、今後少しづつ紹介します。
Workbookオブジェクトの使用例
Dim wb As Workbook
Set wb = Workbooks("Book1.xlsx")
MsgBox
wb.Name
メッセージボックスには、「Book1.xlsx」と表示されます。
Workbookの集まりWorkbooksコレクションの中から"Book1.xls"を指定することでWorkbookオブジェクトを取得し、
その参照を、オブジェクト変数wbに入れています。
そして、Nameプロパティで名前を取得してメッセージ出力しています。
プロパティとメソッドの違い
プロパティとメソッドを、厳密に区分けする意味は特にあまりありません。
あくまで文法的な違い、VBAでの書き方の違いでしかありません。
そうは言っても、プロパティも値を設定する事で、動作を与えている事と変わりません。
.Bordersはプロパティ、.BorderAroundはメソッドですが、どちらも罫線が引かれます。
.Saved = True
とすれば、保存済み状態にしている訳で、メソッドとの違いを認識しづらいと思います。
ただし、Savedでは実際に保存はされません。
実際に保存するにはSaveメソッドを実行します。
従って、そのように分類されていて文法的な書き方に違いがある、
そのくらいの解釈でとりあえずは十分でしょう。
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