ExcelマクロVBA入門
第52回.オブジェクト変数とSetステートメント

Excelマクロの基礎と応用、エクセルVBAの入門・初級・初心者向け解説
最終更新日:2019-07-12

第52回.オブジェクト変数とSetステートメント


変数のデータ型の説明において、
Object ・・・ オブジェクト型
というのがあった事を覚えているでしょうか。


数値や文字ではなく、オブジェクトを入れる変数がオブジェクト変数です。
オブジェクトと言っても、いろいろなものがあります。
ブックもシートもセルも、これらは全てオブジェクトです。
これらを入れることができる変数がオブシェクト変数になります。

そして、オブジェクト変数にオブジェクトを入れる時には、
単なる=の代入ではなく、Setステートメントを使った=代入を使用します。

オブジェクト変数

Object型変数は、オブジェクトなら何でも入れられるデータ型になります。
総称オブジェクト型とも言います。
しかし、
さらに固有のオブジェクトに対応したデータ型もあります。
Workbook
Worksheet
Range
これらは、それぞれ、
Workbookオブジェクト
Worksheetオブジェクト
Rangeオブジェクト

これらのデータ型になります。
これら以外にも、
Font
これは、Fontオブジェクトのデータ型になります。
このようにオブジェクト型は沢山ありますが、良く使うものはそんなに多くありません。
とりあえず、Workbook、Worksheet、Range、この3つを覚えれば良いでしょう。

データ型については、
Variant(バリアント型) > Object(総称オブジェクト型) > 固有オブジェクト型
このようになります、つまり、
Variantは、何でも入る
Objectは、オブジェクトなら何でも入る
個別のオブジェクト型は、そのオブジェクトのみ

出来れば、個別のオブジェクト型を使用して欲しいとは思いますが、
型指定が難しければObjectでも、まあ、Variantでも良いとは思います。
ただし、
上記の3つ(Workbook、Worksheet、Range)これくらいは、正しく指定するようにして下さい。

個有のオブジェクト型とは

個有のオブジェクト型という言い方は、正式な言い方なのかははっきりしません。
Microsoftのサイトでは、
「固有のデータ型を使用してオブジェクト変数を宣言」
このような文章がほとんどです。
しかし、一般的な呼び方として定着しているので、ここでも使用しています。

オブジェクトの型について難しい事を書けば、オブジェクトのクラス名になるのですが、
これはまだ知る必要が無いでしょう、追い追い説明していきます。

Setステートメント

オブジェクト変数を使うには、Setステートメントが必要になります
オブジェクトへの参照を変数に代入します。
この参照を変数に代入というのが解りづらいでしょう。

オブジェクトへの参照、それはつまり、オブジェクトのアドレスを変数に入れるのです。
オブジェクトは単なる値ではなく、プロパティやメソッドを複数含んだ集合体になります。
オブジェクトの実態を変数に入れていたのでは大変です。
そこで、オブジェクトのある場所(アドレス)を変数に入れておくという事です。
アドレスの入った変数を見ればオブジェクトのある場所が分かり、
結果としてオブジェクトにアクセスできるという仕組みです。

そんな事より、「こう書けばこう動く」
まずは、そのまま覚えてしまいましょう。

Set オブジェクト変数 = オブジェクト

Setステートメントの使用例



Dim ws As Worksheet
Set ws = Worksheets("シート名")
ws.Cells(1, 1) = 1

これは、

Worksheets("シート名").Cells(1, 1) = 1

これと同じ事になります。
つまり、
Set ws = Worksheets("シート名")
これ以降は、
Worksheets("シート名")別名として、wsという名称を使えると考えてもらって結構です。
上記では、1行で済むものを3行で書いているので、かえって面倒な感じもしてしまいますが、
wsはその後何回でも使えますので、結果として記述は楽になります。



Range("A1").Font.Bold = True
Range("A1").Font.Color = vbRed
Range("A1").Font.Size = 12


これは、

Dim MyRange as Range
Set MyRange = Range("A1")
MyRange.Font.Bold = True
MyRange.Font.Color = vbRed
MyRange.Font.Size = 12

このように書き直す事が出来ます。

WithとSetの使い分け方

Setステートメントは、使い方としてはWithステートメントと似ている部分があります。
どちらも、記述の簡略化になります、
そして、なにより、処理速度も速くなるのです。
ワークシートは、プロシージャーの先頭でオブジェクト変数に入れてから使う事をお勧めします。
さらに、Withと組み合わせることで、可読性・保守性の高いマクロVBAにすることができます。

VBAの個々の場所において、
SetとWithのどちらを使ったほうが良いかというような基準も決まりもありません。
WithはEnd Withの間でのみ有効なものであり、
Setで代入したオブジェクト変数は、変数の有効範囲そのものになります。
具体的には、以下のような使い方が良いでしょう。

Setステートメントの実践的な使い方

Dim ws1 As Worksheet, ws2 As Worksheet, ws3 As Worksheet
Set ws1 = Worksheets("Sheet1")
Set ws2 = Worksheets("Sheet2")
Set ws3 = Worksheets("Sheet3")

With ws1
  .Cells(1, 1) = ws2.Cells(1, 1)
  ・・・
  .Cells(1, 2) = ws3.Cells(1, 1)
  ・・・
End With

上記の考え方は、
扱うワークシートは、とりあえず全て変数に入れる
主なワークシートは、Withにする
この辺の使い方は、人により個性が出るところではありますが、
このような使い方を念頭に置いておけば、マクロVBAがとても書きやすくなるはずです。

最後に

オブジェクト変数とSetステートメント、そしてWithステートメントを上手く組み合わせることで、
マクロVBAの記述が書きやすく、そして読みやすくなります。
Worksheets("シート名")
この記述は、プロシージャー内では、何度も同じ事を書かないようにします。
シート名が変更になった時には、変更がとても大変ですから。
前回のWithステートメント合わせて、しかっりと使えるようになってください。
Withステートメントを使う事で、Withに指定したオブジェクトに対してオブジェクト名を再度記述することなく、プロパティやメソッドを記述することができます。文章で例えて言えば、主語を一度書いたら、その後は主語を省略するような書き方になります。



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