エクセル雑感
だまされるな!RangeとCellsの使い分け!

ExcelマクロVBAとエクセル関数についての私的雑感
最終更新日:2017-12-01

だまされるな!RangeとCellsの使い分け!


ネットを見ていると、
Range("A" & i)
と言う記述を良く見かけます。


初心者の方が、マクロの自動記録を見て、記録されたマクロを自分で工夫して、行数を変数にしたというのなら素晴らしい事です。

しかし、マクロについて、かなり手慣れた人や、時にはExcelマクロの指導的立場にいる人が、このような記述をしているのを見かけると、何とも嘆かわしい気持ちになります。

何を考えて、このような記述をしているのか・・・
いやいや、何も考えていないのだろうな・・・

正直、私には、なぜこのような記述をしているのか理解できない。
何のメリットもないはず。
可読性・保守性が良い訳でもない。
ましてや、処理時間が遅くなるだけの、こんな記述をする意味が理解できない。

Range("A" & i)
このような記述を教えているとしたら、とんでもない事だ。
VBAの基本がまるで分っていないとしか言えない。
以下のテストコードを比べてみてもらいたい。



Sub test1()
  Debug.Print Timer
  Dim str As String
  Dim i As Long
  For i = 1 To 1000000
  str = Range("A" & i)
  Next
  Debug.Print Timer
End Sub

Sub test2()
  Debug.Print Timer
  Dim str As String
  Dim i As Long
  For i = 1 To 1000000
  str = Cells(i, 1)
  Next
  Debug.Print Timer
End Sub

実行して、処理時間の違いを確認してもらいたい。
このRangeは、2.5倍以上の時間がかかっている事が理解できるはずです。
これ程の速度差がありながら、それでも使う理由があるのなら是非お聞きしたいものです。


このような記述をしている人には、是非教えてあげて下さい。
もし、このような記述を教わったのなら、その人からはマクロは教わらない方が良いでしょう。
これは、マクロの基本です。
基本を守っていない人には、ちゃんと教えてあげて下さい。

Rangeを使用するのは、
1.特定の固定位置のセルを指定する場合
2.名前定義でセルを参照する場合
3.複数のセル範囲を指定する場合

1は、特定の固定位置のセルならば、可読性の点において良いでしょう。
2と3は、Rangeしか使えないので、当然よいですね。

しっかり、RangeとCellsの使い分けをして下さい。

また、時にOffsetをやたらと使う記述も見かけます。
Offsetは非常に便利で、是非使いこなしてもらいたいのですが、むやみに使うのは問題があります。
Offsetは、やはり処理速度が遅いのです。
以下のコードで確認してみて下さい。



Sub test3()
  Debug.Print Timer
  Dim str As String
  Dim i As Long
  For i = 1 To 1000000
  str = Range("A1").Offset(i)
  Next
  Debug.Print Timer
End Sub

どうですか、先のRangeよりも遅いですよね。
それぞれ、使い場所というのがあります。
適切に使い分ける事で、可読性・保守性、そして速度アップ対策が出来るのです。


基本は大切です。

基本を守る事、それが可読性・保守性を高め、そして速度対策になるのです。


RangeとCellsの関連記事

RangeとCellsの使い方
VBAではセルを指定する方法としてRangeとCellsがあります、RangeもCellsも、どちらもRangeオブジェクトでセルを指定するものです。どちらを使ったらよいのでしょうか、どう使い分けたらよいのでしょうか、実際のVBA記述では、RangeとCellsを使い分ける必要があります、RangeとCellsの使い方について解説をします。
RangeとCellsの深遠
RangeとCells特集にします。今さら…と、あなどるなかれ、結構奥が深いのです。すでに説明した内容もありますが、知っておいた方が良い事、知らなくても困らない事(笑) これらを、まとめてみました。まずは基本 A1セルに"エクセル"と入れる場合。
Range以外の指定方法(Cells,Rows,Columns)
Rangeの指定で、あらゆるセルおよびセル範囲は指定できるのですが、マクロで使う場合は、ちょっと使いづらい場合があります。"A1"や"B5"と言うような文字で指定するのでは何かと不便です、もっと、プログラムっぽい(笑)指定方法があります。
Rangeの使い方:最終行まで選択を例に
Rangeの使い方・書き方について、データ最終行まで選択する場合を例に説明します、Rangeの書き方なので、RangeオブジェクトではなくRangeプロパティの解説という事になります。最近続けざまに、以下のようなコードを見かけました。Range("A2",Range("A2").End(xlDown)).Selec…




同じテーマ「エクセル雑感」の記事

もしエクセルにマクロ機能がなかったら
物事には守るべき順序があります。エクセルにも順序があります。
Excelマクロ実行時のトラブル対処方法
だまされるな!RangeとCellsの使い分け!
エクセル(関数・マクロ)上達のコツ
エクセルVBAあるある
Excelマクロを書くのに○○力は必用か?
offset 検索ワードで非常に多いので「offsetまとめ」
Excelのリンクの管理について
プログラミングとは
「ネ申Excel」問題 への同意と反論


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

ツイッターで出されたVBAのお題をやってみた|エクセル雑感(1月13日)
イベントプロシージャーの共通化(Enter,Exit)|ユーザーフォーム入門(1月13日)
Rangeオブジェクトの論理演算(差集合と排他的論理和)|VBA技術解説(1月10日)
イベントプロシージャーの共通化|ユーザーフォーム入門(1月7日)
コントロールの動的作成|ユーザーフォーム入門(1月6日)
Evaluateメソッド(文字列の数式を実行します)|VBA技術解説(1月5日)
エクスポート(PDF/XPS)|VBA入門(1月2日)
分析関数(OVER句,WINDOW句)|SQL入門(12月25日)
取得行数を限定するLIMIT句|SQL入門(12月21日)
外部ライブラリ(ActiveXオブジェクト)|VBA入門(12月21日)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.RangeとCellsの使い方|VBA入門
3.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
4.Range以外の指定方法(Cells,Rows,Columns)|VBA入門
5.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
6.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
7.マクロって何?VBAって何?|VBA入門
8.セルに文字を入れるとは(Range,Value)|VBA入門
9.空白セルを正しく判定する方法(IsEmpty,IsError,HasFormula)|VBA技術解説
10.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作



  • >
  • >
  • >
  • だまされるな!RangeとCellsの使い分け!

  • このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


    記述には細心の注意をしたつもりですが、
    間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
    掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
    掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。



    このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
    本文下部へ