エクセル雑感 | だまされるな!RangeとCellsの使い分け! | ExcelマクロVBAとエクセル関数についての私的雑感



最終更新日:2019-01-19

だまされるな!RangeとCellsの使い分け!


ネットを見ていると、
Range("A" & i)
というような記述を良く見かけます。

初心者の方がマクロの自動記録を見て、記録されたマクロを自分で工夫して行数を変数にしたというのなら素晴らしい事ですが、
マクロについてかなり手慣れた人や、時にはExcelマクロの指導的立場にいる人が、
このような記述をしているのを見かけると何とも嘆かわしい気持ちになります。


何を考えて、このような記述をしているのか・・・
いやいや、何も考えていないのだろうな・・・

正直、私には、なぜこのような記述をしているのか理解できない。
何のメリットもないはず。
可読性・保守性が良い訳でもない。
ましてや、処理時間が遅くなるだけの(実務的には僅かな差ではあるが)、こんな記述をする意味が理解できません。

RangeとCellsの使い分けの基本について「RangeとCellsの使い方」を読んでください。

Range("A" & i)
このような記述を教えているとしたら、とんでもない事だ。
VBAの基本がまるで分っていないとしか言えない。
以下のテストコードを比べてみてもらいたい。

Sub test1()
  Debug.Print Timer
  Dim str As String
  Dim i As Long
  For i = 1 To 1000000
  str = Range("A" & i)
  Next
  Debug.Print Timer
End Sub

Sub test2()
  Debug.Print Timer
  Dim str As String
  Dim i As Long
  For i = 1 To 1000000
  str = Cells(i, 1)
  Next
  Debug.Print Timer
End Sub

実行して、処理時間の違いを確認してもらいたい。
このRangeは、2.5倍以上の時間がかかっている事が理解できるはずです。
これ程の速度差がありながら、それでも使う理由があるのなら是非お聞きしたいものです。

このような記述をしている人には、是非教えてあげて下さい。
もし、このような記述を教わったのなら、その人からはマクロは教わらない方が良いでしょう。
これは、マクロの基本です。
基本を守っていない人には、ちゃんと教えてあげて下さい。

Rangeを使用するのは、
1.特定の固定位置のセルを指定する場合
2.名前定義でセルを参照する場合
3.複数のセル範囲を指定する場合

1は、特定の固定位置のセルならば、可読性の点において良いでしょう。
2と3は、Rangeしか使えないので、当然よいですね。

しっかり、RangeとCellsの使い分けをして下さい。

また、時にOffsetをやたらと使う記述も見かけます。
Offsetは非常に便利で、是非使いこなしてもらいたいのですが、むやみに使うのは問題があります。
Offsetは、やはり処理速度が遅いのです。
以下のコードで確認してみて下さい。

Sub test3()
  Debug.Print Timer
  Dim str As String
  Dim i As Long
  For i = 1 To 1000000
  str = Range("A1").Offset(i)
  Next
  Debug.Print Timer
End Sub

どうですか、先のRangeよりも遅いですよね。
それぞれ、使い場所というのがあります。
適切に使い分ける事で、可読性・保守性、そして速度アップ対策が出来るのです。

基本は大切です。
基本から逸れた方法を覚えて学習を進めると、どこかで躓くことになります。
特に動的配列に進んで、
セル範囲を配列に入れて処理するといった高速化をしようとしたときに困ることになったりします。

基本を守る事、それが可読性・保守性を高め、そして速度対策になるのです。


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