第45回.VBA関数(Format)
VBAのFormat関数は、指定した書式に変換した文字列を返す関数です。
ワークシート関数のTEXT関数とほぼ同様の機能になります。
Format関数はしっかりと使えるようにしておきましょう。
Format関数
戻り値は、文字列を示すバリアント型(内部処理形式StringのVariant)となります。
Expression | 必須。必ず指定します。 任意の有効な式。 |
||||||||||||||||||||||||
Format | 省略可能。 有効な名前を持つ、またはユーザー定義の書式指定式。 |
||||||||||||||||||||||||
FirstDayOfWeek | 省略可能。 週の最初の曜日を指定する定数です。
|
||||||||||||||||||||||||
FirstWeekOfYear | 省略可能。 年内で、最初の週を指定する定数です。
|
Format関数は、概ねワークシート関数のTEXT関数と同様の使い方です。
ただし、書式指定文字においては、すべて同一と言う訳ではありませんので注意して下さい。
マクロVBAで良く使うものは太字にしてあります。
とても覚えきれるものではないのですし、使う事もほとんどないので説明は省略します。
日付/時刻表示書式指定文字
文字 | 内容 |
(:) | 時刻の区切り記号です。 オペレーティングシステムの国別情報の設定によっては、時刻の区切り記号として他の記号が使用されることがあります。 時刻を時間、分、および秒で区切ることができます。 変換後の時刻の区切り記号は、コントロールパネルの設定によって決まります。 |
(/) | 日付の区切り記号です。 オペレーティングシステムの国別情報の設定によっては、他の記号が使用されることがあります。 日付を年、月、および日で区切ることができます。 変換後の区切り記号は、コントロールパネルの設定によって決まります。 |
c | dddddおよびtttttの書式で表した日付と時刻を、日付、時刻の順序で返します。 指定された値に小数部がない場合は日付のみ、整数部がない場合は時刻のみを表す文字列を返します。 |
d | 日付を返します。1桁の場合、先頭に0が付きません(1~31)。 |
dd | 日付を返します。1桁の場合、先頭に0が付きます(01~31)。 |
ddd | 曜日を英語(省略形)で返します(Sun~Sat)。 |
aaa | 曜日を日本語(省略形)で返します(日~土)。 |
dddd | 曜日を英語で返します(Sunday~Saturday)。 |
aaaa | 曜日を日本語で返します(日曜日~土曜日)。 |
ddddd | 年、月、日を含む短い形式(コントロールパネルで設定)で表した日付を返します。 既定の短い日付形式は、m/d/yyです。 |
dddddd | 年、月、日を含む長い形式(コントロールパネルで設定)で表した日付を返します。 既定の長い日付形式はmmmmdd,yyyyです。 |
w | 曜日を表す数値を返します(日曜日が1、土曜日が7となります)。 |
ww | その日が一年のうちで何週目に当たるかを表す数値を返します(1~54)。 |
m | 月を表す数値を返します。1桁の場合、先頭に0が付きません(1~12)。 ただし、hやhhの直後にmを指定した場合、月ではなく分と解釈されます。 |
mm | 月を表す数値を返します。1桁の場合、先頭に0が付きます(01~12)。 ただし、hやhhの直後にmmを指定した場合、月ではなく分と解釈されます。 |
mmm | 月の名前を英語(省略形)の文字列に変換して返します(Jan~Dec)。 |
mmmm | 月の名前を英語で返します(January~December)。 |
oooo | 月の名前を日本語で返します(1月~12月)。 |
q | 1年のうちで何番目の四半期に当たるかを表す数値を返します(1~4)。 |
g | 年号の頭文字を返します(M、T、S、H)。 |
gg | 年号の先頭の1文字を漢字で返します(明、大、昭、平)。 |
ggg | 年号を返します(明治、大正、昭和、平成)。 |
e | 年号に基づく和暦の年を返します。1桁の場合、先頭に0が付きません。 |
ee | 年号に基づく和暦の年を2桁の数値を使って返します。 1桁の場合、先頭に0が付きます。 |
y | 1年のうちで何日目に当たるかを数値で返します(1~366)。 |
yy | 西暦の年を下2桁の数値で返します(00~99)。 |
yyyy | 西暦の年を4桁の数値で返します(100~9999)。 |
h | 時間を返します。1桁の場合、先頭に0が付きません(0~23)。 |
hh | 時間を返します。1桁の場合、先頭に0が付きます(00~23)。 |
n | 分を返します。1桁の場合、先頭に0が付きません(0~59)。 |
nn | 分を返します。1桁の場合、先頭に0が付きます(00~59)。 |
s | 秒を返します。1桁の場合、先頭に0が付きません(0~59)。 |
ss | 秒を返します。1桁の場合、先頭に0が付きます(00~59)。 |
ttttt | コントロールパネルで設定されている形式で時刻を返します。 先頭に0を付けるオプションが選択されていて、時刻が午前または午後10時以前の場合、先頭に0が付きます。 既定の形式は、h:mm:ssです。 |
AM/PM | 時刻が正午以前の場合は大文字でAMを返し、正午~午後11時59分の間は大文字でPMを返します。 |
am/pm | 時刻が正午以前の場合は小文字でamを返し、正午~午後11時59分の間は小文字でpmを返します。 |
A/P | 時刻が正午以前の場合は大文字でAを返し、正午~午後11時59分の間は大文字でPを返します。 |
a/p | 時刻が正午以前の場合は小文字でaを返し、正午~午後11時59分の間は小文字でpを返します。 |
AMPM | 12時間制が選択されていて、時刻が正午以前の場合は午前を表すリテラル文字列を、正午~午後11時59分の間は午後を表すリテラル文字列を返します。 これらの文字列の設定および"12時間制"の選択は、コントロールパネルで行います。 AMPMは大文字、小文字のどちらでも指定できます。 既定の形式は、AM/PMです。 |
数値表示書式指定文字
文字 | 内容 |
なし | 指定した数値をそのまま返します。 |
0 | 桁位置や桁数を指定するときに使います。 引数formatに指定した書式文字列内の表示書式指定文字"0"1つで、数値の1桁を表します。変換対象の数値(式)が、"0"で指定された桁位置を使っている場合は、その桁に該当する値が入ります。 変換対象の数値の桁数が少なく、指定された桁位置に該当する値がない場合は、その桁には0が入ります。 引数expressionに指定した数値の整数部または小数部の桁数が、指定書式内の"0"の桁位置に満たない場合は、その桁位置には0が付加されます。 また、数値の小数部の桁数が小数部に指定した"0"の桁位置を超える場合には、数値の小数部は指定の桁位置に合わせて四捨五入されます。 逆に、整数部の桁数が整数部に指定した"0"の桁位置を超える場合には、整数部は変更されることなく、すべて表示されます。 |
(#) | 桁位置や桁数を指定するときに使います。 引数formatに指定した書式文字列内の表示書式指定文字"#"1つで、数値の1桁を表します。変換対象の数値(expression)が"#"で指定された桁位置を使っている場合は、その桁に該当する値が入ります。 変換対象の数値の桁数が少なく、指定された桁位置に該当する値がない場合は、その桁には何も入りません。 この記号は表示書式指定文字の"0"と同じような働きをしますが、数値の小数部や整数部の桁数が"#"で指定された桁位置に満たない場合に0は挿入されず、その桁には何も入りません。 |
(.) | 表示書式指定文字("0"または"#")と組み合わせて、小数点の位置を指定するときに使います。 表示する桁数を指定するとき、この表示書式指定文字の位置によって、整数部と小数部が区別されます。 指定書式内で"."の左側に"#"だけが指定されている場合は、1未満の数値は小数点記号から始まります。 数値が1未満の場合に小数点記号の左側に常に0が付くようにするには、指定書式内で""の左側に"#"ではなく"0"を指定します。 小数点記号は、オペレーティングシステムの国別情報の設定によって決まります。 |
(%) | 数値を100倍し、パーセント記号(%)を付けるときに指定します。 |
(,) | 1000単位の区切り記号を挿入するときに指定します。 整数部が4桁以上ある数値については、1000単位の区切り記号が付きます。 1000単位の区切り記号は、オペレーティングシステムの国別情報の設定によって決まります。 通常、この表示書式指定文字","の前後に"0"または"#"を指定して使います。 このとき、値は桁位置の指定に応じて丸められます。 たとえば、書式指定文字列として"##0,,"と指定すると、数値100000000(1億)は、100に変換されます。100万未満の数値は0となります。 整数部の右端以外でこの表示書式指定文字","を2つ以上続けて指定した場合は、","を1つ指定したときと同じになります。 |
(:) | 時刻の区切り記号を挿入するときに指定します。 時刻を時間、分、秒で区切ることができます。 時刻の区切り記号は、オペレーティングシステムの国別情報の設定によって決まります。 |
(/) | 日付の区切り記号を挿入するときに指定します。 日付を年、月、日で区切ることができます。 区切り記号は、オペレーティングシステムの国別情報の設定によって決まります。 |
(E-E+e-e+) | 指数表記で表すときに指定します。 "E-"、"E+"、"e-"、"e+"のいずれかの右側に"0"または"#"を1つ以上指定すると、数値は指数表記で表され、整数部と指数部の間にeまたはEが挿入されます。 これらの表示書式指定文字の右側に指定する"0"または"#"の数は、指数部の桁数を示します。 "E-"や"e-"を使うと、指数が負の場合にはマイナス記号が付きます。 "E+"や"e+"の場合は、指数の正負に合わせてプラス記号かマイナス記号が付きます。 |
-+$()スペース | 指定する文字をそのまま挿入します。 これら以外の表示書式指定文字を挿入するには、その前に円記号(\)を付けるか、ダブルクォーテーション("")で囲みます。 |
(\) | すぐ後に続く1文字をそのまま表示します。 書式指定の中で、特別な意味を持っている"#"または"E"などの文字を文字としてそのまま表示するには、その文字の前に円記号(\)を付けます。 この円記号(\)は表示されません。 文字をダブルクォーテーション("")で囲んでも、同じです。円記号(\)を挿入するには、円記号(\)を2つ続けて記述します(\\)。 そのままでは挿入できない文字としては、日付や時刻の表示書式指定文字(a、c、d、h、m、n、p、q、s、t、w、y、/、:)、数値の表示書式指定文字(#、0、%、E、e、カンマ、ピリオド)、文字列の表示書式指定文字(@、&、<、>、!)などがあります。 |
("ABC") | ダブルクォーテーション("")で囲まれた文字列は、そのまま挿入されます。 ダブルクォーテーションの文字コードはChr(34) をです。 |
文字列表示書式指定文字
文字 | 内容 |
@ | 1つの文字またはスペースを表します。 変換対象expressionの中で@(アットマーク)に対応する位置に文字が存在する場合は、その文字が表示されます。 文字がなければスペースが表示されます。 @は、引数formatに指定した書式の中に表示書式指定文字の!(感嘆符)がない限り、右から左の順に埋められます。 |
& | 1つの文字を表します。 変換対象expressionの中で&(アンパサンド)に対応する位置に文字が存在する場合は、その文字が表示されます。 文字がなければ何も表示せず、詰められて表示されます。 &は、引数formatに指定した書式の中に表示書式指定文字の!(感嘆符)がない限り、右から左の順に埋められます。 |
< | 小文字にします。すべての文字は小文字に変換されます。 |
> | 大文字にします。すべての文字は大文字に変換されます。 |
! | 文字を右から左ではなく、左から右の順に埋めていくように指定します。 この文字を指定しない場合は、右から左の順に埋められます。 |
Format関数の使用例
A1セルの内容 | Format関数 | 結果 |
12 | Format(Cells(1,1),"000") | 012 |
12345 | Format(Cells(1,1),"#,###") | 12,345 |
0.123 | Format(Cells(1,1),"0.0%") | 12.3% |
2013/5/8 | Format(Cells(1,1),"yyyy年mm月dd日") | 2013年05月08日 |
2013/5/8 | Format(Cells(1,1),"aaa") | 水 |
10:20:30 | Format(Cells(1,1),"hh時mm分ss秒") | 10時20分30秒 |
※セルに出力する場合
よくある間違いとして、Format関数で形式を整えてから、セルにいれている場合が見受けられます。
数値・日付の場合は、これは意味の無い処理となってしまいます。
セルに値を入れた時点で、セルの表示形式になってしまいます。
最後に
セルに色々な値を入れ(B1セルは、表示形式を文字列にしておいてください)
同じテーマ「マクロVBA入門」の記事
第42回.セルをコピーするとは
第43回.総合練習問題5
第44回.VBA関数について
第45回.VBA関数(Format)
第46回.VBA関数(日付,DateAdd)
第47回.VBA関数(文字列操作,Replace,InStr,StrConv)
第48回.VBA関数(その他,Fix,Int,Rnd,Round,IsEmpty)
第49回.Like演算子とワイルドカード
第50回.総合練習問題6
第87回.WorksheetFunction(ワークシート関数を使う)
第51回.Withステートメント
新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る
TRIMRANGE関数(セル範囲をトリム:端の空白セルを除外)|エクセル入門(2024-08-30)
正規表現関数(REGEXTEST,REGEXREPLACE,REGEXEXTRACT)|エクセル入門(2024-07-02)
エクセルが起動しない、Excelが立ち上がらない|エクセル雑感(2024-04-11)
ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る
1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
5.RangeとCellsの使い方|VBA入門
6.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
7.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
8.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
9.条件分岐(Select Case)|VBA入門
10.マクロとは?VBAとは?VBAでできること|VBA入門
このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。