第48回.VBA関数(その他,Fix,Int,Rnd,Round,IsEmpty)
VBA関数の中で、日付関数、文字列操作関数以外でマクロVBAにおいてはぜひ押さえておいてほしい関数の一覧です。
数学、データ型確認、データ型変換に関するVBA関数になります。
一覧と、その中から注意点のある関数についてのみ一部説明します。
数学VBA関数の一覧
関数 | 説明 |
Fix | 指定した数値の整数部分を返します。負の場合、その数値以下の最大の値を返します。 |
Int | 指定した数値の整数部分を返します。負の場合、その数値以上の最小の値を返します。 |
Rnd | 単精度浮動小数点数型 (Single) の乱数を返します |
Round | 指定された小数点位置で丸めた数値を返します |
詳細については、一覧のリンクより解説ページをご覧ください。
Fix(-99.2) → -99
Rnd 関数を呼び出す前に、引数を指定せずに Randomizeステートメントを実行してください。
任意の範囲の整数の乱数を生成するには、次の式を使ってください。
Int((upperbound - lowerbound + 1) * Rnd + lowerbound)
この式では、変数 upperbound には範囲の上限の値を指定し、
変数lowerbound には範囲の下限の値を指定します。
Randomize [ number ]
numberを使用して、Rnd関数の乱数ジェネレーターを初期化します。
numberを省略すると、システムタイマーから返される値が新しいシード値として使用されます。
Randomizeを使用しないと、Rnd関数 (引数なし) は、最初に呼び出されたときと同じ数値をシードとして使用して、その後は最後に生成された数値をシード値として使用します。
Round関数は丸め(銀行型丸め、最近接偶数丸め)になります。
値 | ワークシート ROUND関数 |
VBA Round関数 |
1.4 | 1 | 1 |
1.5 | 2 | 2 |
1.6 | 2 | 2 |
2.4 | 2 | 2 |
2.5 | 3 | 2 |
2.6 | 3 | 3 |
データ型確認のVBA関数一覧
関数 | 説明 |
IsArray | 変数が配列であるかどうかを調べ、結果をブール型 (Boolean) で返します |
IsDate | 式を日付に変換できるかどうかを調べ、結果をブール型 (Boolean) で返します |
IsEmpty | 変数が Empty 値かどうかを調べ、結果をブール型 (Boolean) で返します |
IsError | 式がエラー値かどうかを調べ、結果をブール型 (Boolean) で返します |
IsMissing | プロシージャに省略可能なバリアント型 (Variant) の引数が渡されたかどうかを調べ、結果をブール型 (Boolean) で返します |
IsNull | 式に Null 値が含まれているかどうかを調べ、結果をブール型 (Boolean) で返します |
IsNumeric | 式が数値として評価できるかどうかを調べ、結果をブール型 (Boolean) で返します |
IsObject | 識別子がオブジェクト変数を表しているかどうかを示すブール型 (Boolean) の値を返します |
詳細については、一覧のリンクより解説ページをご覧ください。
B1セル:""
C1セル:""
この場合、
If Range("A1") = "" ・・・ 真(True)
If IsEmpty ・・・ 偽(False)
となりますので、使い分けして下さい。
データ型変換のVBA関数一覧
関数 | 説明 |
CBool | ブール型 (Boolean)のデータ型に変換します。 |
CByte | バイト型 (Byte)のデータ型に変換します |
CCur | 通貨型 (Currency)のデータ型に変換します |
CDate | 日付型 (Date)のデータ型に変換します。任意の有効な日付 |
CDbl | 倍精度浮動小数点数型 (Double)のデータ型に変換します |
CDec | 10 進型 (Decimal)のデータ型に変換します |
CInt | 整数型 (Integer)のデータ型に変換します。 |
CLng | 長整数型 (Long)のデータ型に変換します。 |
CSng | 単精度浮動小数点数型 (Single)のデータ型に変換します |
CStr | 文字列型 (String)のデータ型に変換します。 |
CVar | バリアント型 (Variant)のデータ型に変換します。 |
詳細については、一覧のリンクより解説ページをご覧ください。
事前に対応する、データ型確認のIs○○関数で確認するか、
エラー処理ルーチンを有効にする必要があります。
(これについては、マクロVBA入門の後々の章で説明します)
マクロVBAでは自動型変換が行われるので、使用頻度はそんなに多くはないかもしれません。
しかし、データ型の不一致によるマクロVBAの不具合も時に発生しますので、使えるようにはしておいてください。
同じテーマ「VBA入門」の記事
第45回.VBA関数(Format)
第46回.VBA関数(日付,DateAdd)
第47回.VBA関数(文字列操作,Replace,InStr,StrConv)
第48回.VBA関数(その他,Fix,Int,Rnd,Round,IsEmpty)
第49回.Like演算子とワイルドカード
第50回.総合練習問題6
第51回.Withステートメント
第52回.オブジェクト変数とSetステートメント
第53回.Workbookオブジェクト
第54回.Windowsオブジェクト
第55回.Worksheetオブジェクト
新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る
SQL関数と演算子|SQL入門(12月1日)
データの取得:集約集計、並べ替え(DISTINKT,GROUP BY,ORDER BY)|SQL入門(11月30日)
データの取得:条件指定(SELECT,WHERE)|SQL入門(11月29日)
データの挿入:バルクインサート|SQL入門(11月28日)
データの挿入(INSERT)と全削除|SQL入門(11月26日)
テーブル名変更と列追加(ALTER TABLE)とテーブル自動作成|SQL入門(11月25日)
テーブルの作成/削除(CREATE TABLE,DROP TABLE)|SQL入門(11月24日)
データベースに接続/切断|SQL入門(11月23日)
SQLiteのインストール|SQL入門(11月22日)
SQL入門:VBAでデータベースを使う|エクセルの神髄(11月22日)
アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る
1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.RangeとCellsの使い方|VBA入門
4.Range以外の指定方法(Cells,Rows,Columns)|VBA入門
5.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
6.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
7.マクロって何?VBAって何?|VBA入門
8.セルに文字を入れるとは(Range,Value)|VBA入門
9.空白セルを正しく判定する方法(IsEmpty,IsError,HasFormula)|VBA技術解説
10.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。