VBA入門
Callステートメント

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2022-07-11

第105回.Callステートメント


プロシージャーの中で他のプロシージャーを呼び出すときには、マクロVBAではCallステートメントを使います。


Callステートメントは、SubプロシージャーやFunctionプロシージャーに制御を渡し、
Call先のプロシージャー終了後は、Callステートメントの次のステートメントに制御が移ります。

ただしFunctionプロシージャーは、通常は戻り値を使いますのでCallすることは少なくなります。

プロシージャーは適切な単位で部品化します。
適切な単位の部品を作り、その部品を組み合わせて製品を作り上げていきます。

機能等の適切な単位で作られた複数のプロシージャーを、一連の処理として実行するためにCallステートメントがあります。
プロシージャーをどのような単位で作るか等については、以下を参考にしてください。

プログラミングの基本~ロジックの組み立て
・前処理、主処理、後処理 ・VBAでの3ステップ例 ・最後にまとめ

上記ではFunctionについては触れていません。

今回は、主にCallステートメントの文法的な面を取り上げて解説します。



Callステートメント

[Call] name [argumentlist]

Call
省略可能なキーワードです。
指定するときは、引数リスト (引数 argumentlist) をかっこで囲む必要があります。

name
必ず指定します。
呼び出すプロシージャの名前を指定します。

argumentlist
省略可能です。
呼び出すプロシージャーにデータを渡すための引数です。


Callステートメントの使用例

Sub sample1()
  '・・・処理・・・
End Sub

Sub sample2(arg1, arg2)
  '・・・処理・・・
End Sub

上記Subプロシージャーに制御を渡す場合のVBA記述方法としては、

Sample1
Call Sample1
sample2 arg1, arg2
Call sample2(arg1, arg2)

このようなVBAの書き方のバリエーションがあります。

Callを省略する場合は、引数リストはかっこで囲わない。
Callを記述した場合は、引数リストはかっこで囲います。

sample2 (arg1, arg2)
これは間違った記述になります。

マクロ VBA Call

かっこの使い方については、以下で詳細に解説しています。
VBAにおける括弧()の使い方
・基本文型 ・VBAにおける括弧() ・VBAにおける半角空白の意味 ・戻り値を他の用途に使う時 ・括弧()の使い方の基本文型 ・Callを省略しなければ全て括弧が必要になる ・最後に一言

制御先のプロシージャーが終了した後は、Callの次のステートメントに制御が移ります。

Sub sample1()
  '・・・処理A・・・
  Call sample2
  '・・・処理B・・・
End Sub

Sub sample2()
  '・・・処理C・・・
End Sub

上記では、
処理A→処理C→処理B
この順に処理されます。


引数の使い方

引数の詳細および使い方については、次々回の、
第107回.プロシージャーの引数
・引数の構文 ・引数の使用例 ・引数について
こちらで解説しています。


同じことは2度書かない

単純な例で説明します。
※ここでは条件式の良し悪しは抜きにします。

If 条件1 Then
  If 条件2 Then
    '
    '処理1
    '
  Else
    '
    '処理2
    '
  End If
Else
  If 条件3 Then
    '
    '処理3
    '
  Else
    '
    '処理1
    '
  End If
End If

上記では、処理1が2度書かれています。
この処理1の記述が数行に及んでいるなら・・・
コピペすれば簡単に書けますが・・・
後から見た時、後で変更が生じた時、同じ修正を2箇所で行う必要がでてきてしまいます。
処理1をプロシージャーにして、Callするようにします。
合わせて、処理2と処理3もプロシージャー化します。

If 条件1 Then
  If 条件2 Then
    Call 処理1
  Else
    Call 処理2
  End If
Else
  If 条件3 Then
    Call 処理3
  Else
    Call 処理1
  End If
End If


プロシージャーの分割について

上記では、単純に記述の共通化という視点でプロシージャーを分割しました。
しかし、本来は機能分割を考えます。
1つの機能を持った部品(プロシージャー)を作っていきます。
そして、それらの部品(プロシージャー)を使って製品(マクロ全体)を作成していくようにします。

上記の処理1処理2,処理3においても、
これらが別々の機能なのか、同じ機能の派生なのか、これらを考える必要があります。
別々の機能なら、別のプロシージャーにします。
同じ機能の派生なら、引数で処理を分岐させることを検討します。

ただし、これらの技術を身に着けるには相応の時間が必要になります。

プロシージャーを分割する第一歩としては、
「同じことは2度書かない」
これだけでも意識するようにしてください。




同じテーマ「マクロVBA入門」の記事

第132回.その他のExcel機能(グループ化、重複の削除、オートフィル等)

・マクロの記録 ・グループ化 ・重複の削除 ・オートフィル ・連続データの作成 ・その他のExcel機能
第135回.ジャンプの選択オプション(SpecialCells)
・ジャンプの選択オプションとは ・RangeオブジェクトのSpecialCellsメソッド ・SpecialCellsの使用例
第141回.行・列の表示・非表示・列幅・行高
・セルの非表示 ・行の表示・非表示 ・列の表示・非表示 ・セルが表示されているか(可視セルか)の判定方法 ・列幅・行高
第105回.Callステートメント
第106回.Functionプロシージャー
プログラム(マクロVBA)内で特定の処理を実行し値を返すプロシージャーです。これはつまり、Functionプロシージャーで独自の関数をつくれるということです。Subプロシージャーとの違いは、値を返すか返さないかの違いです。
第107回.プロシージャーの引数
・引数の構文 ・引数の使用例 ・引数について
第108回.変数の適用範囲(スコープ,Private,Public)
・プロシージャーレベル変数 ・・・ プロシージャー内でのみ使用可能 ・モジュールレベル変数 ・・・ モジュール内でのみ使用可能 ・パブリック変数 ・・・ 全てのモジュールの全てのプロシージャーで使用可能 ・変数の適用範囲について簡単にまとめてると ・定数(Const)の適用範囲について ・変数の重複について ・変数は、極力狭いスコープで使う事が望ましいとされます。
第100回.InputBoxメソッド(インプットボックス)
・InputBoxメソッド ・InputBoxメソッドの使用例 ・最後に
第101回.Midステートメント
・Midステートメント ・MidBステートメント ・Midステートメントの使用例 ・Midステートメントの必要性 ・実践での使用例
第102回.Intersectメソッド
・Intersectメソッド ・Intersectの使用例 ・Intersectメソッドの最後に
第103回.UnionメソッドとAreasプロパティ
・Unionメソッド ・Areasプロパティ ・Unionメソッドで連結した結果のRangeオブジェクトの状態について ・Unionメソッドの使用例 ・Unionメソッドの実践例


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
累計を求める数式あれこれ|エクセル関数応用(2024-01-22)
複数の文字列を検索して置換するSUBSTITUTE|エクセル入門(2024-01-03)
いくつかの数式の計算中にリソース不足になりました。|エクセル雑感(2023-12-28)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.RangeとCellsの使い方|VBA入門
4.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
5.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
6.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
7.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
8.並べ替え(Sort)|VBA入門
9.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
10.Findメソッド(Find,FindNext,FindPrevious)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ