第142回.テーブル全件処理とデータ最終行(ListObject,DataBodyRange)
テーブルの全件処理と実際にデータが入っている最終行の取得について具体的なVBAを掲載します。
注意点として、最新の365でテーブルが拡張されないパターンについても説明しておきます。
・見出し行
・データ範囲
・集計列
・集計行
テーブル全体のオブジェクトがListObjectで、
シート内に複数テーブルが作成可能なので、
シート内のListObjectのコレクションがListObjectsになります。
第130回.テーブル操作の概要(ListObject)
他のテーブル操作のVBAコードのサンプル ・・・ 以下は別ページです
テーブル全件処理
Sub テーブル全件処理()
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
Dim tbl As ListObject
Set tbl = ws.ListObjects("テーブル1")
Dim c1 As Long, c2 As Long, c3 As Long
c1 = tbl.ListColumns("列1").Index
c2 = tbl.ListColumns("列2").Index
c3 = tbl.ListColumns("列3").Index
Dim i As Long
With tbl.DataBodyRange
For i = 1 To .Rows.Count
.Cells(i, c3).Value = .Cells(i, c1).Value / .Cells(i, c2).Value
Next
End With
End Sub
テーブル内で、
3列目 = 1列目 / 2列目
これをテーブル範囲の全行に対して行っています。
テーブルの見出しの行を除く、値の範囲を表すRangeオブジェクトを取得します。
値の取得のみ可能です。
テーブルの特定列のデータ最終行まで
分母のセルが空欄では割り算が出来ません。
そこで、データの入っている最終行を取得して、そこまでの処理にします。
あくまで、以下のVBAの実行テストとして分かり易い例にしたものです。
Function テーブルの特定列のデータ最終行まで()
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
Dim tbl As ListObject
Set tbl = ws.ListObjects("テーブル1")
Dim c1 As Long, c2 As Long, c3 As Long
c1 = tbl.ListColumns("列1").Index
c2 = tbl.ListColumns("列2").Index
c3 = tbl.ListColumns("列3").Index
Dim lastRow As Long
lastRow = TableLastRow(tbl, tbl.ListColumns("列1").Index)
Dim i As Long
With tbl.DataBodyRange
For i = 1 To lastRow
.Cells(i, c3).Value = .Cells(i, c1).Value + .Cells(i, c2).Value
Next
End With
End Function
Function TableLastRow(ByVal tbl As ListObject, ByVal argCol As Variant) As Long
'列名と列Indexの両対応
Dim col As Long
If IsNumeric(argCol) Then
col = argCol
Else
col = tbl.ListColumns(argCol).Index
End If
'テーブルの下から順にデータの入っている行を探す
Dim i As Long
With tbl.DataBodyRange
For i = .Rows.Count To 1 Step -1
If .Cells(i, col).Value <> "" Then
TableLastRow = i
Exit Function
End If
Next
End With
End Function
TableLastRowでは、指定列の一番下から上に向かって空欄以外のセルを探しています。
テーブルが拡張されないパターン
しかし、これはエクセルの機能に委ねているものなので絶対に大丈夫とは言い切れないようです。
右隣の列や直ぐ下の行にいきなりハイパーリンクを設定した場合、テーブル範囲が拡張されなくなっています。
その後に、その列やその行にデータを普通に入力してもテーブル範囲は拡張されなくなってしまいます。
これは、手動でハイパーリンクを設定した場合、VBAで設定した場合、どちらでも同様に発生します。
筆者の365および2019において確認されたものです。
2013および2010では、この現象は発生していません。
Sub テーブルが拡張されないパターン()
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
Dim tbl As ListObject
Set tbl = ws.ListObjects("テーブル1")
Dim c1 As Long
c1 = tbl.ListColumns("列1").Index
Dim lastRow As Long
lastRow = tbl.DataBodyRange.Rows.Count
lastRow = lastRow + 1 'テーブル範囲のすぐ下
With tbl.DataBodyRange
tbl.Parent.Hyperlinks.Add Anchor:=.Cells(lastRow, 1), _
Address:="リンク先", _
TextToDisplay:="ハイパーリンク"
.Cells(lastRow, 2).Value = "列2のデータ"
End With
End Sub
このVBAを実行しても、テーブル範囲は拡張されません。
With tbl.DataBodyRange
.Cells(lastRow, 2).Value = "列2のデータ"
tbl.Parent.Hyperlinks.Add Anchor:=.Cells(lastRow, 1), _
Address:="リンク先", _
TextToDisplay:="ハイパーリンク"
End With
With tbl.DataBodyRange
.Cells(lastRow, 1) = "ハイパーリンク"
tbl.Parent.Hyperlinks.Add Anchor:=.Cells(lastRow, 1), _
Address:="リンク先", _
TextToDisplay:=.Cells(lastRow, 1).Value
.Cells(lastRow, 2).Value = "列2のデータ"
End With
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