VBA入門
外部ライブラリ(ActiveXオブジェクト)

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
最終更新日:2021-05-25

第138回.外部ライブラリ(ActiveXオブジェクト)


VBAには外部ライブラリ(ActiveXオブジェクト)を操作する事が出来る仕組みがあります。
ActiveXオブジェクトとは、オートメーションをサポートするアプリケーションがオートメーションインターフェイスを通して他のアプリケーションに公開しているオブジェクトです。


これらのアプリケーションは必ず1つ以上の型のオブジェクトがあり、ライブラリとして使用できるようになっています。
VBAでは、このライブラリのオブジェクトを参照することでそのアプリケーションを操作できます。

ただしVBAから利用するためには、そのパソコンに当該ライブラリが存在していなければなりません。
つまり、そのアプリケーションがインストールされている必要があります。
例えば、Office製品のAccessがインストールされていなければ、AccessのActiveXオブジェクトは利用できません。
したがってマクロVBAの開発環境だけでなく、そのVBA実行環境にも当該アプリケーションがインストールされている必要があります。

マクロVBAでActiveXオブジェクトを扱うには、VBEで参照設定する方法とCreateObject関数を使う方法があります。

上記で使っているActiveXはプログラミング技術群の総称として使っています。
良く使われる事の多いIEで使用するActiveXコントロールを指すものではありません。

事前バインディングと遅延バインディング(実行時バインディング)

事前バインディング

特定のオブジェクト型として宣言された変数に代入される場合、オブジェクトは事前(コンパイル時に)バインディングされます。
事前バインディングされたオブジェクトでは、アプリケーションが実行される前に、
コンパイラによってメモリの割り当てとその他の最適化が実行されます。
ただし、外部オブジェクトの場合は参照設定が必要になります。

遅延バインディング(実行時バインディング)

オブジェクトが Object 型として宣言された変数に代入される場合は、遅延(実行時)にバインディングされます。
この型のオブジェクトは、任意のオブジェクトへの参照を保持できますが、
事前バインディングされたオブジェクトの利点をほとんど持ちません。

実装(VBA記述)の違い

遅延バインディング
CreateObject関数を使用します。
・CreateObject関数の構文 ・CreateObjectの解説 ・CreateObject関数の使用例 ・GetObject関数

Dim objFSO As Object
Set objFSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")


事前バインディング
「ツール」→「参照設定」で「Microsoft Scripting Runtime」にチェックを付ける。

VBA マクロ ActiveXオブジェクト
※ライブラリ一覧はPC環境により変わります。

Dim objFSO As New FileSystemObject
または、
Dim objFSO As FileSystemObject
Set objFSO = New FileSystemObject


一言で言えば、
変数宣言の型がObjectが遅延バインディング、特定のオブジェクト型が事前バインディング
以下で詳しく解説しています。
事前バインディングと遅延バインディング(実行時バインディング)
・バインディングとは ・事前バインディング ・遅延バインディング(実行時バインディング) ・実装(VBA記述)の違い ・事前バインディングの利点

参照設定する名前とCreateObject関数の引数文字列が違う為に書き換えに苦労する場合があります。
VBAで良くつかうオブジェクトを以下で一覧にしてしています。
参照設定、CreateObject、オブジェクト式の一覧
VBAでエクセル外のオブジェクトを使うときには、事前バインディングと遅延バインディング(実行時バインディング)の2通りがあります、この時それぞれ何を指定したらよいのか、指定する文字列が長いので結構探してしまうことが度々あります。そこで、自身の覚え書きとしての意味も含めて、参照設定、CreateObjectのclas…

VBAで良く使われるライブラリ

マクロVBAで頻繁に使われるライブラリを紹介します。
「参照設定」のダイアログをみて分かる通り、以下はほんの一部です。
VBAで使えるライブラリは膨大な数が存在します。

Office製品

Excelを含むOffice製品がオートメーションをサポートするアプリケーションです。

ブックを開かずにセル値を取得(ExecuteExcel4Macro,Excel.Application)
・ExecuteExcel4Macroで1個のセル値を取得 ・Excel.Applicationで1個のセル値を取得 ・ExecuteExcel4Macroで100個のセル値を取得 ・Excel.Applicationで100個のセル値を取得 ・Excel.Applicationで100個のセル値を取得2 ・ブックを開かずにセル値を取得
Excelの表をPowerPointへ図として貼り付け
・Excelの表をPowerPointへ図として貼り付けるVBA ・Excelの表をPowerPointへ図として貼り付けるVBAの解説 ・グラフをPowerPointへ貼り付け ・既にパワーポイントを開いている場合
VBAでのOutlook自動操作
・Outlookインスタンスの生成と、ログオン、全て送受信 ・Outlookを起動して指定フォルダーを表示 ・フォルダーの取得 ・メールの一覧を取得 ・メールを送信 ・メールを返信 ・最後に

インターネット情報の取得

インターネットの情報を取得する方法は何通りもあります。
InternetExplorer
MSHTML
MSXML2

Selenium
それぞれ以下で解説しています。

WEBデータの取得方法
・サンプルページ ・QueryTables ・InternetExplorer ・MSHTML ・MSXML2 ・WEBデータの取得方法の最後に
VBAでのInternetExplorer自動操作
・VBEの参照設定 ・InternetExplorerの開始と終了 ・HTMLオブジェクトの操作 ・VBAでのInternetExplorer操作例 ・WEBクローリング&スクレイピングのサイト内参考ページ
VBAのスクレイピングを簡単楽にしてくれるSelenium
・SeleniumBasicのインストール ・VBEでの参照設定 ・WEBサイトを表示してみましょう ・Seleniumの基本的な使い方(株価情報を取得してみる) ・色々なパターンでのseleniumの使い方 ・色々組み合わせて目的の画面にたどり着きます ・elementをコレクションで取得する ・新規ページが開かれる場合 ・上手くいかない特殊な場合の対処方法 ・Seleniumの実践例例 ・最後に

メール送受信

メールの送受信する代表的な方法として、OutLookを操作する方法以外にCDOを使う方法があります。

VBAでメール送信する(CDO:Microsoft Collaboration Data Objects)
・バインディング方法 ・CDOを使ったメール送信のサンプルVBA ・CDOのプロパティ ・CDOのメソッド ・CDO.Configuration.Fields.Item ・CDO.Fields.Item ・ConstantやEnumについて

ファイルシステムオブジェクト(FileSystemObject)

マクロVBA入門で既に解説していますが、コンピュータのファイル システムへのアクセスが提供されています。

第119回.ファイルシステムオブジェクト(FileSystemObject)
・FileSystemObjectオブジェクトの使用方法 ・FileSystemObjectオブジェクトのプロパティとメソッド ・FileSystemObjectオブジェクトのメソッドの戻り値 ・FileSystemObjectオブジェクトの使用例 ・FileSystemObjectオブジェクトの関連記事と実践例

Dictionary(ディクショナリー)

データをキーとアイテム(データ)のセットで格納する辞書オブジェクトで、連想配列とも呼ばれます。

Dictionary(ディクショナリー)連想配列の使い方について
・Dictionaryを使って重複を除く ・Dictionaryの使い方その2 ・Dictionaryの使い方その3 ・Dictionaryの使い方サンプル ・サイト内のDictionary関連記事
Dictionary(ディクショナリー)のパフォーマンスについて
・Dictionaryの検証に使うシート ・ユニーク化(重複削除)の方法について ・Dictionaryでユニーク化1 ・Dictionaryでユニーク化2 ・Dictionaryでユニーク化3 ・Dictionaryでユニーク化4 ・最初のVBAはなぜ遅かったのか ・Dictionaryを使わない方法 ・サイト内の関連ページ

正規表現(RegExp)

正規表現は複雑なパターンマッチングとテキストの検索置換するためのツールです。

VBAで正規表現を利用する(RegExp)
・メタ文字 ・正規表現 ・正規表現RegExpの使い方 ・RegExpオブジェクト ・RegExpの使用例 ・RegExp関連のオブジェクト ・Execute(Matches,Match,SubMatches)の使用例 ・Replaceの使用例 ・先読み:肯定先読み、否定先読み ・正規表現の実践例

WshShell (Wscript.Shell)

Windowsシェルへのアクセスが提供されています。

特殊フォルダの取得(WScript.Shell,SpecialFolders)
・WScript.Shell ・SpecialFolders プロパティ ・WshShellのSpecialFoldersのマクロVBA使用例

Shell.Application

Shell32ライブラリで定義されている、Shellクラスを利用します。

VBAでファイルを既定のアプリで開く方法
・実行テストメイン ・Shell関数 ・batファイル(コマンド プロンプト) ・WScript.Shell ・Shell.Application ・FollowHyperlink ・最後に

ADO(ActiveX Data Objects)

ADOはMicrosoftが提供するデータベースアクセスのためのソフトウェア部品です。
OLE DBをActiveXコントロールの形で使えるようにしたプログラミングインターフェースになります。

ADO(ActiveX Data Objects)の使い方の要点
・データベースの種類 ・SQL(SQL:Structured Query Language) ・ADOを使う準備 ・ADOでのDB接続方法 ・ADODB.Recordsetの取得方法 ・ADODBのレコードセットの扱い方 ・ADODBのトランザクション処理 ・ADODB.Commandの使い方 ・VBA100本ノックでの実践例 ・最後に注意点等
ADOでマスタ付加と集計(SQL)
VBAでADOを使用し、マスターデータよりデータ付加します。ADOではSQL文が必要になりますが、ここではSQL文の詳細については説明を料略します。自身の他シートから、マスタ情報を付加し、さらに、集計をします。
ADOでマスタ更新(SQL)
VBAでADOを使用し、マスターデータを更新します。ADOではSQL文が必要になりますが、ここではSQL文の詳細については説明を料略します。自身のブックの、他シートを更新します。シート「顧客マスタ」の、A列が顧客番号、B列が顧客名で、1行目が見出しになっているものとします。
ADOでCSV読み込み(SQL)
・CSVテストデータ ・ADOでCSV読込のVBA ・ADO使用時の注意点 ・ADOレコードセットをCSV出力 ・ADOでTSVの読み込み ・ADOでCSVの読み込みについて ・本サイトにあるCSV関連記事一覧
ADO(ActiveX Data Objects)の使い方の要点
・データベースの種類 ・SQL(SQL:Structured Query Language) ・ADOを使う準備 ・ADOでのDB接続方法 ・ADODB.Recordsetの取得方法 ・ADODBのレコードセットの扱い方 ・ADODBのトランザクション処理 ・ADODB.Commandの使い方 ・VBA100本ノックでの実践例 ・最後に注意点等
SQL入門:VBAからデータベースを使う
・DBとはSQLとは ・SQL入門の目次 ・SQLを使った既存サンプル

ActiveXオブジェクトの最後に

既に書いた通り、マクロVBAから利用できるライブラリは膨大にあります。
とはいえ頻繁に使うものは限られてきます。
ここで紹介したものは広く一般に使われているものです。
紹介したもの以外については、個別に書籍やWEBで調べながら使用してください。
ただし、ライブラリによっては情報が極めて少ないものもありますので、その点はご注意ください。

先にも書いた通り、VBA開発環境だけでなくVBAを実行するPCにもそのアプリケーションがインストールされている必要がありますので、事前に必ず確認してからVBA開発するようにしてください。



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