第17回.並べ替え
エクセルでは避けて通れない、「並べ替え」をやります。
実は、あまりやりたくないのですが・・・
いや、2003と2007以降で、全く変わってしまったのです。
1行目がタイトル、2~11行にデータが入っているとします。
まずは、2007以降です。
1.マクロの記録
2.A1を選択
3.昇順
4.記録終了
作成れたマクロは、
Sub Macro1()
'
' Macro1 Macro
'
'
Range("A1").Select
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort.SortFields.Clear
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort.SortFields.Add
Key:=Range("A1"), _
SortOn:=xlSortOnValues, Order:=xlAscending,
DataOption:=xlSortNormal
With
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort
.SetRange
Range("A1:J11")
.Header = xlYes
.MatchCase =
False
.Orientation = xlTopToBottom
.SortMethod =
xlPinYin
.Apply
End With
End Sub
マクロの記録がこのように記録している気持ちはわかるのですが、
2~3行目は、Withの中に入れられます。
つまり、
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort.SortFields.Clear
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort.SortFields.Add
Key:=Range("A1"), _
SortOn:=xlSortOnValues, Order:=xlAscending,
DataOption:=xlSortNormal
前半の、
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort
は、
With
の後ろと一致しているは分かりますよね。
従って、その部分を省略して、
Withの中に入れられます。
また、省略可能な引数を、なるべく省略すると、以下になります。
Sub Macro1()
With
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort
.SortFields.Clear
.SortFields.Add
Key:=Range("A1"), Order:=xlAscending
.SetRange
Range("A1:J11")
.Header = xlYes
.Apply
End With
End Sub
見やすくなりましたね。
省略した引数は、ソートのオプションや、値以外でソートする等の場合に指定するものです。
そのようなソートを指定場合は、マクロの記録をそのまま使用して下さい。
SortFields.Clear
必ず指定して下さい。
SortFields.Add
ソートのキーを追加します。
繰り替え事で、必要な数だけ追加できます。
Order:=xlAscending
昇順の指定です。
降順の場合は、xlDescendingになります。
SetRange
ソートするデータ範囲です。
Header = xlYes
先頭が、ヘッダーかどうかの指定です。
先頭もデータの場合は、xlGuess(xlNoでも良いようです)になります。
Apply
上記のソートは、2003では実行できません。
まだまだ、2003も多く使われていますので、極力、以下の2003方式でのソートにして下さい。
2003でのソート
同じ操作で、記録されるマクロです。
Sub Macro1()
'
' Macro1 Macro
'
'
Range("A1").Select
Range("A1:J11").Sort Key1:=Range("A1"),
Order1:=xlAscending, Header:= _
xlYes, OrderCustom:=1, MatchCase:=False,
Orientation:=xlTopToBottom, _
SortMethod:=xlPinYin,
DataOption1:=xlSortTextAsNumbers
End Sub
同じように、省略可能な部分を省略します。
Sub Macro1()
Range("A1:J11").Sort Key1:=Range("A1"),
Order1:=xlAscending, Header:=xlYes
End Sub
2007以降と同様に、省略した引数は、ソートのオプションの指定するものです。
そのようなソートを指定場合は、マクロの記録をそのまま使用して下さい。
Range("A1:J11").Sort
これでソートします。
Key1:=Range("A1")
ソートキーの指定です。
Key1~Key3まで指定できます。
Order1:=xlAscending
昇順の指定です。
降順の場合は、xlDescendingになります。
Key1~Key3とセットで指定します。
Header:=xlYes
先頭が、ヘッダーかどうかの指定です。
先頭もデータの場合は、xlGuess(xlNoでも良いようです)になります。
2007以降でも、ソートキーが3個以内なら、こちらを使用した方が簡単です。
何より、他の人共有する可能性があるなら、2003でも動作するようにしておく必要があります。
2003までは、ソートキーが3個までしか指定できませんでした。
しかし、2007以降は、その制限がなくなりました。
これは大きな進歩です。
しかし、マクロでは、それぞれのバージョンで互換性の問題がありますので、
手放しでは喜べません。
あるマクロを作るとして、そのマクロを、2003の人も、2007の人も使うとしたら、
結局は、2003までの機能しか使うことができません。
しかも、このソートの場合は、機能というより、記述そのものが全く変わってしまっています。
2007でマクロの記録で、マクロを作成し、ソートキーが3個以内だから・・・、
それでも、2003では動作しないのです。
以上、気を付けてください。
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