シートに数式を設定する時のセル参照の指定方法
シートに計算結果ではなく、計算式を設定する場合の、セル参照の記述方法について解説します、
マクロVBAでは多くの場合、計算結果をセルに入れる事が多いのですが、時に計算式を設定する必要があります、
その時の、セル参照の記述が以外に面倒なものです。
D列の残高(D3~D12)の計算式(E列に表示してある計算式)を設定してみましょう。
これは、マクロの自動記録を使う人にはお馴染みのものでしょう。
Sub sample1()
Dim i As Long
For i = 3 To Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
Cells(i, 4).FormulaR1C1 = "=R[-1]C+RC[-2]-RC[-1]"
Next
End Sub
FormulaR1C1またはFormulaR1C1Localについての詳しい解説は、
マクロVBA入門:第38回.セルに計算式を設定
以下のような苦心作を見かけることも良くあります。
Sub sample2()
Dim i As Long
For i = 3 To Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
Cells(i, 4).Value = "=D" & i - 1 & "+B" & i & "-C" & i
Next
End Sub
もちろん、これはこれで問題はありません。
文字列結合を多用しているので、行数が多いと若干遅いかもしれないという程度です。
D3に数式を入れたら、オートフィルまたはコピペで済みます。
まず
オートフィルなら
Sub sample3()
Dim i As Long
i = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
Range("D3").FormulaR1C1 = "=R[-1]C+RC[-2]-RC[-1]"
Range("D3").AutoFill Destination:=Range(Cells(3, 4), Cells(i, 4))
End Sub
コピペなら
Sub sample4()
Dim i As Long
i = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
Range("D3").Value = "=D2+B3-C3"
Range("D3").Copy Destination:=Range(Cells(4, 4), Cells(i, 4))
End Sub
少し書き方を変えてはいますが、マクロの自動記録を参考にして書くと、
大抵は、こんな感じになっているのではないかと想像して書いてみました。
ワークシートに数式を入れるとき、絶対参照・相対参照さえしっかり指定していれば、
対象セルを一括で選択しておき、Ctrl+Enterで一括入力ができることを知っていれば、
こんな簡単な記述で済んでしまいます。
Sub sample5()
Dim i As Long
i = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
Range(Cells(3, 4), Cells(i, 4)).Value = "=R[-1]C+RC[-2]-RC[-1]"
End Sub
さらに、この方法ならR1C1形式を使うまでもなく、普通にセルに入れるように書けてしまいます。
Sub sample6()
Dim i As Long
i = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
Range(Cells(3, 4), Cells(i, 4)).Value = "=D2+B3-C3"
End Sub
どう考えても、最後のVBAコードが一番わかり易いことは言うまでもないですね。
マクロはVBAの知識だけでなく、ワークシートの操作も同時に理解していることで、とても完結なコードが書けるようになります。
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