シート保護でユーザー操作を制限する
ユーザーがあちこち触って計算式を壊されないようしたり、
セルの境界をダブルクリックして最終行に飛んでしまい迷子になったりしないように、
シートを保護して、ユーザー操作を制限します。
無用なセルはクリックもできない、スクロールすることもできなくしてしまいます。
セルのロック → シートの保護 → ScrollArea の設定
順に説明します。
セルのロックと解除:Locked
操作可能にするセルのロックだけを解除しておきます。
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
With ws
.Cells.Locked = True
.Range("A2:B10").Locked = False
End With
全セルを一旦ロックした後に、A2:B10の範囲だけをロック解除しています。
これでロックを外します。
Range("A2:B10").Locked = False
これでロックします。
操作可能にするセル全てに対して行います。
これは手動での、以下の画面に相当します。

シートの保護:Protect
※Worksheets("Sheet1")、ActiveSheet、Worksheetオブジェクト変数等々
※Protectプロパティの詳細は「第68回.シートの保護(Protect)」
以下の「シートの保護」のダイアログで初期選択されているオプションが選択された状態となります。

「シートの保護」のダイアログの一番上の
「ロックされたセル範囲の選択」のチェックを外します。
これだけを別途VBAで設定するには、
シート.EnableSelection = xlUnlockedCells
このように記述します。
このEnableSelectionプロパティは、シートのプロパティの

スクロール範囲:ScrollArea
セルをダブルクリックする時に境界をクリックしてしまって、最終行に飛んでしまったりは無くなります。
それでも間違ってスクロールして画面に何も表示されていない、といった状態にはなってしまう事はあります。
そこで、不必要な範囲にはスクロールもできなくしてしまうことができます。
※Worksheets("Sheet1")、ActiveSheet、Worksheetオブジェクト変数等々
セル範囲には、"A1:B10"のように指定します。

ただし、このプロパティは保存されません。
ブックを開き直した場合は、設定が消えてしまいます。
そこで、ブックのOpenイベントで毎回設定するようにします。
Private Sub Workbook_Open()
Dim ws As Worksheet
Set ws = Worksheets("Sheet1")
ws.ScrollArea = "A1:B10"
End Sub
イベントについては以下を参照してください。
シート保護でユーザー操作を制限する
「画面に何もなくなった」と言って途方に暮れるExcel初心者もいなくなると思います。
エクセル操作するなら、最低限の操作くらいは覚えましょう。
つまり逆に言えば、マクロを書く立場の人は、Excel初心者の人に、やさして教えてあげてください。
最初は誰だって知らないのですから。
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