複雑な条件(複数除外等)のオートフィルター(AutoFilter)
オートフィルターはExcelにおいて重要かつ便利な機能ですが、その使い方の理解が不十分な事が多いようです、
単純な条件の場合は問題ないのですが、条件が複雑になった途端に書き方で相談を受ける事が多々あります。
上記ページで、オートフィルターについては概ね解説しています。
しかし、より複雑な条件指定になると、どうにもならない場合があります。
リストとして、
"A","B","C","D","E","F"
があるとして、
"A","C"で絞り込む場合、
Rangeオブジェクト.AutoFilter Field:=1, Criteria1:="=A", Operator:=xlOr, Criteria2:="=C"
テキストフィルター→ユーザー定義フィルターの以下に相当します。

Rangeオブジェクト.AutoFilter Field:=1, Criteria1:=Array("A", "C"), Operator:=xlFilterValues

どうしたらよいでしょうか。
Rangeオブジェクト.AutoFilter Field:=1, Criteria1:="<>A", Operator:=xlAnd, Criteria2:="<>C"
= → <>
Or → And
ここは把握しておいてください。
・・・
無理ですよね、画面でもそんな指定はありませんからね。
書くとしてら、
もっとも、画面の場合は全てチェックが付いている状態から、除外するもののチェックを外すという操作になるでしょうけど。
しかし、VBAの場合はどうしようもありません。
Arrayの中に絞り込む全てのリストをいれるしかないのです。
どうしたらよいでしょうか。
・・・
これはもう無理なんです。
フィルターオプションの画面を再度良く見てください。
3つも指定ができないのです。
そのような機能は無いのですからあきらめてください。
実は、これが出来ないと相談されることが非常に多いのです・・・
でも無理なんです。
Rangeオブジェクト.AutoFilter Field:=1, Criteria1:=Array("B", "D", "F"), Operator:=xlFilterValues
しかし、その、
"B","D","F"
これをどうやって生成するのでしょうか。
シートのリストからユニーク(一意)なデータを作らなければなりません。
もちろんその方法はあります。
例えば、
ExcelマクロVBA入門:第90回.フィルタオプションの設定(AdvancedFilter)
もちろん、
"A","C","E"
を残して、
"B","D","F"
を削除したいというのなら、
"A","C","E"
で絞り込んで、別シートにコピーするという手が簡単です。
その都度、指定方法に悩まされていたのでは生産性が悪いです。
もっと汎用的なな方法を考えましょう。
ズバリ、作業列を追加してください。
最終列の横に作業列を追加し、
条件判定して、「対象」「対象外」等の文字を入れて下さい。
そうすれば、単純なオートフィルターで処理が可能です。
この判定文字の出力に時間がかかるのではと思われるかもしれませんが、
Range("B2:B100000").Value = "=IF(OR(A2=""A"",A2=""C"",A2=""E""),""対象"",""対象外"")"
Range("B2:B100000").Value = Range("B2:B100000").Value
一応、式を抜いて値だけにするところまでやっていますが、
これでも1秒かかりません。(テスト機はCorei5)
ちなみに、処理速度に関しては、
エクセルVBAのパフォーマンス・処理速度に関するレポート
やり方はいろいろありますが、なるべく単純化するようにして下さい。
特に作業列の活用は常に念頭においておくようにしてください。
私も受託開発で書く場合は、あまり作業列は使わずに処理します。
まあ、大抵は配列で全て処理するようにしていますね。
配列に関しては、等サイト内のあちこちで記載していますので興味があれば参考にしてください。
第111回.静的配列
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